43話 校長
「え?」
ミズキは私の突然の提案にびっくりしたようだ
「いや、ミズキには謝るだけじゃ許してくれないかなって….ほら、今でも私の方を向いてくれないし」
「そう言う事じゃなくて、何?海?」
「うん、夏休みって何もすること無さそうだし。仲直りの意を込めてって意味でも良いかなって」
「はぁ?仲直りってふざけないでよ。もう良いわこれ以上話しても埒が明かない」
ミズキは私を睨みつけながら屋上の出口の方へ歩いて行った
「しばらく私に話しかけないで!」
ガチャ
「えっ?」
「どうしたの?屋上を出て行かないの?」
「っ、そのつもり!」
ガチャ
「っ!また….何で?」
「私はミズキの事好きなんだー、だから一緒に海に行きたいなって」
「エナ!私に何をしたの!」
「てっきり私はミズキが私の事が好き過ぎて私の目の前に現れてくれたのかと思ったよ」
「エナ….謝る気あるわけ?」
「うん!」
私は満面の笑みをミズキに見せた
「あぁんもう!分かったわよ行くわよ!」
「本当?ありがとうミズキ、あっ!ちょっと話が変わるんだけどミズキってテスト大丈夫?」
「はぁ?急に….だ、大丈夫よ….」
(あーこれダメそう)
「そういうエナは大丈夫なの?」
「そりゃこの学校でもトップクラスの成績なんだから問題ないでしょ。強いて言うなら授業態度くらいだから」
「それはダメよ、もう少しちゃんと授業に臨みなさい」
「精進します….」
ミズキの目を見るとどうやら私の事を信用できないと言いたげに目を細め怪しんできた
「ま、まあ海に行くの約束だからね」
「流石に私だって約束を破るような人間じゃないわよ」
「それじゃあ戻ろうかミズキ」
「私はもっと速く帰ろうとしたら何でか戻されたのよ」
「良いじゃん別に」
「よくない!」
あっははは、やっぱりミズキは面白いなぁ
ピンポンパンポーン
「ん?」
「一年A組のエナさんは至急校長室までお越しください」
ピンポンパンポーン
は?何でまさか私の秘密とか知られた。だとしたらマズイ
「ちょっとエナ、あんた何したのよ」
「いや、私は何も….」
「まあ呼ばれたのよ、さっさと行きなさい」
「う、うん….」
ヒュン
私はテレポートで校長室まで一気に移動した。
「わぁ!?」
「へぇ貴方が校長先生ですか?」
「びっくりした〜テレポートするにしてもせめて扉の前にしてくれ!」
「すみません…」
(てか、この人だいぶ幼いな…..耳が尖ってる。あーエルフかーあれ?生きてる年数によるけど結構マズイ?)
「今回は来てくれてありがとう。えっと….エナ、だよね。」
「は、はい…そうですけど」
この人見た目に反して威厳あるな油断したらやられかねない
「いや、こう言うべきかな?エターナル•ザ•ワースト」
「誰ですか?その…人?ですかね」
「いや、君こそが史上最悪の魔法使い、でしょ?」
このエルフ確実に私と同年代かそれ以上生きている。すごく面倒な事になったね
「史上最悪の魔法使いは今も封印されてるのでは?」
「まあ君の見立てもあながち間違いじゃない。だけど私は2500年も前に実際に史上最悪の魔法使いと後世に呼ばれる人物を見たんだ、それがまさしく君だったんだよ」
マズイ、このエルフ確実に私より生きてる可能性が高い。どうする?もう言っちゃうか….
「はぁ…そうですよ私が史上最悪の魔法使いです。と言っても何でこう呼ばれたのかわかりませんが」
「そうか….それじゃあ君に一つ質問だ。何故今になって行動し始めた?」
「封印が解けたので….」
「ふぅん」
校長は明らかに私の事を疑っている。しかもこの人強い!
「私をどうしたいんですか?私をこの学校から退学させますか?」
「いや、それはしない。そして分かった事が一つある。君が危険な存在ではない事だ。異名が物騒なだけにもっとバーサーカーのような人物だと思っていたよ」
「あ、あはは….そんなわけないじゃないですか….」
やっぱり史上最悪の魔法使いって悪い印象持たれてるのか….もしバレたら私の平穏な日常が….はぁ、考えないでおこう
「おっと、自己紹介が遅れたね私の名前はルシラー•グドユ。エルフ族の族長にしてマギア魔法学校の校長を務めている」
「ルシラー…..あー確かそんな名前聞いたことあるような…」
「あっははは!私は当時でも高名だったと思うんだけどね。そうか忘れているなんてね」
「そりゃそうですよ、私がこの世界に居たのなんて2000年前なんですから。あと俗世からは離れた生活だったのでね」
この人に私の尻尾は掴まれたくないな。2000年前の事を知っている相手だし….
「しっかし、皆が恐る史上最悪の魔法使いの正体がまさか小学生くらいの小さな女の子とはね」
「この学校中高一貫でしょ?私の見た目がこんな感じだから周りから撫でられたり、可愛いって言われたりして少し困ってるんですけど….」
「あっははは、良いじゃないか君が今の時代に溶け込めている証拠さ」
そう言うものなのかな….まあ疑われたりするより遥かにマシかなぁ….
「君が馴染めているようで良かったよ….だが、君は強大な力を持っている。不用意にその力は使わないように」
「分かってますよ、流石にそんな事はしませんから…それでは私はこれで、私の事は絶対に話さないでください」
「あぁ、分かってるさ」
ガチャ
そして私は校長室を出た
ルシラーか….敵意を見せなければ良い理解者になってくれたら嬉しいけど…まあ大丈夫だと思うけど….
(まぁ良いや!ミズキと海に行く約束もしたし楽しみだなー)




