35話 史上最悪
エナは約2000年振りにハメを外して戦えるとワクワクしていた。
最近衰えた分を鍛えてきたからね、先輩はどれだけ持つかな
ヒュン!
「という訳で今度こそ地面に落ちて下さい先輩!」
私はワープで先輩の背後に瞬時に移動し、凄まじい速度で殴りつけた
ドゴォ! ズドン!
殴られた勢いで先輩は地面に叩き落とされた。
「ありゃー、これ結構やりすぎたかな?クレーターは…直径1kmくらいかな?もっと力加減はどうにかしないとね」
下を見てみると先輩はなんとか起き上がり。魔法で回復したみたいだ
厄介だなあれ…一撃で仕留めようにも殺しかねないからなぁ….魔力が枯渇するのを待つ?でもそんな耐久戦は嫌なんだよな、私らしくない
「先輩、これ以上無理なら降参しても良いんですよ」
その問いに先輩はする訳無いという様に目にはまだ闘志を失ってはいなかった。
(なんだよこれ….今までは全然本気じゃなかったって事?でも勝つのは私、降参なんて絶対にしない)
「こうなったら….やるしか無いよね」
ん?急に先輩の周りに光が集まり始めたな、なんかやる気だな先輩
すると先輩は地面に膝をつき手を合わせて祈りを捧げ始めた。
「天におられる我が主よあの者に裁きを与える事をお許しください」
先輩に集まった光は体に収束し眩しい光を放った。光が収まると先輩の体に六つの天使の羽を生やしていた。
(あれは….あー熾天使ね、あれになれるのかあの固有魔法、すごいっちゃすごいけど….)
「聖なる、聖なる、聖なる万軍の主。主の栄光は、地を全て覆う」
ボワッ!
やっぱり燃え始めたか、賛美の炎….中々厄介な事になったね
「愚かなる者よ!神の御意志に焼かれよ熾天使の炎」
「チッ」
セラを中心に燃え盛った賛美の炎がエナを襲った。
「めんどくさい《アクアヴェール》」
炎と水のバリアがぶつかり合い辺りに蒸気が原因の煙が立ち込めた。
マズイ、この状況じゃ耳が聞こえない私が圧倒的に不利!
そう考えているとセラ先輩は容赦なしと急に目の前に姿を現し拳に炎を纏わせて殴りかかってきた。
パシ!
「アッチ!」
私は拳を受け止めたが纏わせていた炎が私の手を焼いた。
このままじゃダメ!やり返さないとやられ続ける事になっちゃう!
ドゴォ!
私は拳で反撃し距離を取ろうと吹き飛ばした。
あーもう!私の拳一発で地形がめちゃくちゃになるんだから
あーもうめちゃくちゃだよ、コロッセオの原形がもう残ってないよ後で私が治すとして….
「やっぱりエナは凄いねぇ、でも今は主の敵、ならば…神よ!我が主よ!かの者に相応しい罰を主自らお与え下さい!」
「ん?なんだ空の雲が割れて….って、まさかあの人呼びやがった!でもどの神が呼ばれた」
セラの祈りと共に雲が割れその隙間より神が降臨した。
(一体何の神が熾天使の祈りに応じた….)




