28話 矛盾対決2
2人の勝利宣言の後、一時の静寂が生まれた。
「これからは普通の槍ではいかない。
《天下三名槍、蜻蛉切り》」
ルーンは今までとは形も気迫も全く違う槍を召喚した
「これは….凄そうな槍を出したな」
ダッ!
ルーンは地面を蹴り上げ先手を取った。
「はぁー!」
ルーンは蜻蛉切りを振り上げアキレウスに叩き込もうとした。
「そう簡単にやられてたまるかよ!《バリスティックシールド》」
ガキン!
「何それ、私が見た事ない盾ね」
「お互い様だろ?オラァ!」
アキレウスはルーンの攻撃を完全に防御し、自慢のパワーで押し返し吹っ飛ばした。
ズザザザザサッ!
「相変わらずのパワーだね」
(マズイこのままだと一方的に私の体力の方が削られる早く決め切らないと….)
ダッ!
ルーンは再び攻撃を繰り出そうと距離を詰め始めた。
「どうした?また防がれて終わりだと思うぞ」
アキレウスはそのルーンの攻めに半ば呆れるように言った。
───しかしその時
ヒュン!
「なっ?危ねぇって….」
アキレウスの足元から突然槍が召喚され急襲した。
ルーンはその隙を逃さなかった。
「はぁー!」
「ぐぁぁぁぁー」
ルーンの槍はアキレウスの腕に深い切り傷を付けた。
「まだまだ!」
ブン!
ルーンは蜻蛉切りを空気が切れる音がするほどの速度でアキレウスの頭に突き刺そうとした
(よし決まった!)
しかしアキレウスはその一瞬の溜めを見逃さなかった
「待ってたぜ〜その攻撃ぃ頭の盾」
ガキン!ボロ…..
「なっ?蜻蛉切りが….」
「オラァ!」
「待っ!?」
ドン!!
アキレウスは盾のような鋼鉄の頭でルーンに頭突きを喰らわせた。
ズザザザザサッ!ゴロゴロ
「うぅ…..」
ルーンは頭突きの衝撃で吹き飛ばされ意識が朦朧としていた。
しかしアキレウスもまた、先程受けた右腕の切り傷が響いてきていた。
「この一撃は痛かったろ….はあ….はあ….」
「いや….まだ….まだ….うぅ….」
(マズイこのままだと意識が….これじゃあさっきみたいに俊敏に動けない….それなら次の一撃で決める!)
(クソッ!さっきの一撃のせいで右腕が上手く動かねえでもアイツももう体は長く動かねえだろ)
「次の一撃で貴方を倒す!」
「あぁーやってみろよ、お前が俺の盾を貫くか、俺がお前の矛を防ぐか!」
「行くよ…..聖槍!」
ルーンがそう告げた瞬間背後の空間がグネグネと歪み始め裂け目が現れその裂け目から光り輝く巨大な槍が現れた。
「それがお前の切り札か….なら、アキレウスの盾!」
その瞬間全てを包み込むような巨大な盾をアキレウスは出現させた。
何あれ!巨大な槍と盾を召喚できる魔法だなんて!
私も今度あれを真似てそういう魔法作ろうかな〜
エナは今目の前で起きている光景を子供の様に見ていた。
「さあこれを耐えれる?アキレウス!」
「当然だ!俺の盾は何をも通さない!こい!ルーン」
「行け!聖槍」
ルーンの掛け声と共に巨大な槍はアキレウスの盾に放たれた。
ゴゴゴゴゴゴゴ! ドン!
「はぁーーーーーーーーーーーー!」
ガガガがガガガッ!
「うぉーーーーーーーーーーーー!」
槍が盾にぶつかり軋む音が辺りに響く
アキレウスとルーンも最後の力を振り絞り押し合っている。
「はぁーーーーーーーーーーーー!」
「うぉーーーーーーーーーーーー!」
ガガガガガガガッ!ドーーーーーーン!!
壮絶な押し合いの末とてつもない爆発が起こり
エナ達の元に凄まじい風が吹き荒れた。
「ミズキ、カノン大丈夫?」
「全然大丈夫じゃないわよ!風が強すぎて吹き飛びそうよ!」
「わっ私はもう吹き飛びそうです!」
私はカノンを咄嗟に掴んだ。
「凄いねぇ〜あの2人….去年から大分成長してる….」
爆発で起きた煙が晴れた。
「どうなった?」
「…..」
「……」
そこには横に倒れている2人がいた。
「第一回戦2年A組対2年B組、引き分け!」
まさかの結末にエナは言葉を失った。
「今から救急班を出しますので次の試合まで少しお待ちください」
「あの質問なんですけど、この場合私達一年生はどうするんですか?」
「仕方がありませんので2回戦は不戦勝とします」
まじか…2人のどちらかとは戦えると思ってたのに….
結果的に決勝まで行ったものの思わぬ形での決勝にエナはあまり釈然としなかった。
しかしなってしまった物はしょうがない気持ちを切り替えていこう
「やあ〜エナ、君たち一年生の下剋上を楽しみにしてるよ」
「先輩、私達は強いですよ。油断してたら飼い犬に手を噛まれますよ」
私はしたり顔で行った、が
「おぉーそれもいいね〜」
やっぱりこの人は気持ち悪い
「じゃあ私達は準備してくるのでこれで….」
「はーい、それじゃお互い全力でやろーね」
やってあげますよ貴方を全力で….




