24話 エナに興味のある者たち
エナは昨日の出来事を未だに引きずっていた。
なんだよあの先輩!あんな事する為にわざわざ私の所まで来たって事?
エナは髪をぐしゃぐしゃとしながら心の中で文句を垂れていた。
「エナ、もしかして昨日の事引きずってるの?あれは私が悪かったわよ」
ミズキは私が今こうしているのを自分の所為だと思ったのか、少し顔を背けながら言ってきた。
「大丈夫、それとは別の事があったからミズキのせいじゃないよ」
私はニコッとした笑顔でミズキに答えて見せた。
「そうなのね、だったら良かったわ」
ミズキはほっと胸を撫で下ろしどこか安心した顔をしていた。
これからどうするか….クソっ考えれば考えるほどあの人が頭にチラついてくる。
放課後にでも演習場にでも行くか….
───放課後、私は教室を出て、廊下を歩き階段を降りてその先にある演習場へ向かった。
ガキンッ!
「おいっ!お前の一撃はそんなもんか?」
「この程度の一撃を耐えただけで、何勝った気になってるの?」
演習場から力強い2人の声が聞こえてきた。
「誰かいるのかな?」
私は聞こえる声の正体を薄々知っていたものの演習場の入り口からチラッと中を見た。
そこにはアキレウス先輩とルーン先輩が魔法を使い戦いあっていた。
「相変わらず負けず嫌いな奴だな」
「貴方も一緒でしょ」
2人は何かぐちぐちと言い合いをしていた。
「おいっ!そこに誰かいるのか?」
バレた?まあ隠れる必要も無いから出るか…
「お久しぶりです。お二人共」
「なんだお前か、久しぶりっつても三日だけどな」
「久しぶりね、エナちゃん。今日は何しにきたのかな?」
アキレウス先輩は気配の正体が私と気付くと安心したような感じだった。
ルーン先輩はこの前の事もあり何か用があると見て目を細めて私の事を疑っているようだ
「2人に会ったのは偶々ですよ、私は気晴らしにここへ来ただけです」
私は素直にここへ来た理由を述べた。
その言葉に2人は目を見開いていた。
「なんですか、私そんなに変な事言いました?」
「いや….この前の事もあったから俺達の情報でも調べに来たのかと」
「いえ全然、そんな事は無いですよ。でも!お二人の魔法を少しだけ見れました。ありがとうございます」
私は目を輝かせ深々とお辞儀をした。
「なぁ聞いたかルーン俺達の魔法バレたぞ」
「大丈夫だよ、相手は一年生、多少バレても経験や練度で勝てるよ」
やっぱり一年生は舐められるのが普通なのか…
(まぁ私の正体を知らなければ、そういう考えになるか)
「私達も強いですからね、あまり舐めてかかって負けたらすっごい恥ずかしいですよ」
私はしたり顔でニヤリと2人に宣戦布告のようなことを言った。
「言ってくれるじゃねぇか、この大会は基本一年がボコされて終わるんだ。でも今年の一年にはちょっと期待してるんだぜ、なぁルーン」
「そうだよ、でも私は一年生相手でも容赦なく行かせてもらうからね」
やっぱりか….この大会は弱肉強食か、ふふふ、やってやろうかな一年生が優勝する所を
「もうこんな時間だ、じゃあな俺とルーンは帰らないといけねぇんだ」
「エナちゃん、本戦では期待してるよ」
2人は手を振って演習場を出た。
「さようなら〜、さてと誰もいなくなったし体でも鍛えるか….2人の魔法を見たのは大きな収穫かな」
あの2人と話してるとなんだか楽しいね、私の中にあるモヤモヤが、どこかに吹き飛んでいったみたい。
良い世の中だ、昔と違って血みどろの世界じゃないんだって、そう思えるから….




