76話話 対決
「お前は誰!?」
女王は、ワタシに向かって大声で怒鳴る。
「リリベット・モルガン、リリエンハイムの伯爵令嬢です」
ワタシは、優雅にお辞儀をした。
でも、この女は即座に見抜いた。
ワタシの魂がエリア-ドであることを。
「わたくしのエリーでしょう? 探したのよ。あなたに、王位をあげるために」
「知ってました。だから逃げていたんです。小さなクエストをたくさんこなしてーー行方を悟らせないように」
エリア-ドだった頃のクエストは、ワタシが選んでいた。
母上は、冒険者になったワタシの行方を執拗に追ってきた。
「嘘でしょう? エリー、あなたの好きな母が王位をあげると言ってるのよ」
急に、幼い子を見る母の顔になる。
だか、ワタシは、冷たく拒絶する。
「いりませんよーーこの国がどうなってるか知ってるんですか?」
母だった人を見上げる。
自分の欲望に、正直過ぎたため。
領主たちが勝手な統治をしているのに気がつかず。
大国のアルデバランは、分裂の危機にある。
母だった人の目は泳いでいた。
「それから、ワタシの代わりに誘拐した子は、親御さんに返してください」
「ーーどうして、そんなことを言うの? エリー! すべてあなたのためなのに」
「自分の欲望のためでしょう」
ワタシに感情はこもらない。
ワタシは、もうエリア-ドではない。
もう、大好きだった母上もいない。
いらない。
ワタシは、全身を銀色に輝かせた。
母だった人がワタシを見る目が変わった。
「お前ーーなにもの?」
「エリア-ドの魂を持つものです。
でも、理の外側にいるものです」
「あなたはもうーー許されません」
彼女は逃げようとする。
床から、蔓が生えてきて、転んでしまう。
蔓は、容赦なく母だった人を縛り上げた。
「あなたのことは、神殿に通報してきました。そのまま、ロイルの神官が来るのをお待ちください」
アルデバランの女王の目は、虚ろになっていた。




