第16話 ベルナール氏来襲
「なんで、ここに人なんか連れてくるんですか!!」
ワタシは、頭が痛くなってきた。
やっとの思いで、砂漠の上空で動かない彼女を説き伏せて、マルタ村まで帰ってきたのに……
ーー待っていたのは、フィニアスの従兄だと名乗る男。
確かにフィニアスと、似たところのある人だ。
同じ、髪と瞳の色だし……。
それに本能的に、懐かしさを覚える感覚。
おそらくはーー
「初めまして、ベルナール・エル・ロイルだよ。
きみは、リリベット・モルガンだね? エリアード・ドレイクの転生者」
やっぱり、ワタシの魂は回収されたものか……
ワタシは、張りぼての笑顔で、微笑んだ。
「リリベットです」
「その後ろの人が、竜?」
ストレートな物言い。
イーグは、疲れてぐったりしている。
早く休ませたいのに……
「彼女は、大変疲れています。
……休ませたいので、お引き取りを」
ワタシは、再び張りぼての笑顔で言う。
「きみが、その竜の保護者なわけ?
契約とかしてる? 竜と契約は聞いたことないけど」
一人で喋ってろ!!
なんで、こんな男を懐かしいと思ったのかーー
ワタシは、ベルナール氏の言葉を一切無視して、イーグを寝室に送る。
そして、煮詰めたピク草を用意する。
「フィニ、本当に、十九歳のエリアードの転生者かい?
三十代でも通る貫禄あるよ、あの五歳の子」
「その辺は、そっちの専門分野だろ? 俺は、アルデバランの女王の息子を死なせた代償だって聞いてるだけだぜ」
「僕は、神殿と仲が悪いからね」
ワタシは、扉越しに聞こえてきたその声に、手が止まった。
初耳だったーー
打ち明けてみようか……
イーグの言っていたエイルという男のことを。
調べてくれるかもしれない。
いずれにしても、世界で最大の魔法と知能を誇る竜が名無しでは、存在自体がつまはじきになってしまう。
「あなたは、味方になってくれる人ですか?」
「少なくても、神殿より先にきみたちを見つけたよ」
眩しい笑顔だ。
「《《血》》のおかげでね」
片目を閉じる。
どうしようかーー
勇気が出ない……




