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7PEACE

ピンポーン


誰かがチャイムを鳴らしている。

恐る恐る誰か確認してみるとそこには彼女が…

そして右手には何か見慣れないものを持っていた。

ここで出たら殺される…

「チリだよ?開けて」

とにかく家の裏の勝手口から出ると、そのまま走り出し、公園へと逃げ出してきた。

「誰か…助けを呼ばなきゃ…」

携帯で110番を押そうとしたときだった。

「無駄だよ?」

冷たい声で後ろからささやかれた。

彼女だ。

思わず後ろにのけぞった。


「なぁ、あのプレゼントで俺に何をしたいんだよ!!」

チリは何を言っているのか分からないようなそぶりを見せる。

「涼君、アレは私からじゃないからわかんないよ?」

「っえ?」

じゃあ、誰か俺に恨みがある奴がいて、そいつがチリちゃんを仲介して、俺に嫌がらせを?

それにしても酷すぎる。

「誰から預かったプレゼントなの?」

恐る恐る聞いてみる。

「お母さんから」

お母さんが黒幕か、誰か知らないが、一体どうやってあのプレゼントを用意したんだ?

それよりゴメンね、疑ったりして。

考えてみればそうだ。

こんな小さな子が、こんなことするはずもないし、出来るはずもない。


「そうそう、今日はね、お母さんを連れてきたんだよ?」

ココはお母さんに問いただすしかない。

ついでに警察にも連れて行かなくちゃな…

あの指のこと、塩酸、これは立派な傷害事件だ。

「お母さんだよ」

「…っえ?」

何がなんだか、どういうことなんだ?

「母さん?」

「そう、お母さん」

チリちゃんは不敵な笑みをしている。

チリちゃんの右腕に俺の母さんの顔があった。

そういえば、電話がつながらなかった。

それはこいつに殺されて、でれなかったから?


「あぁ、あぁあぁぁああ!!!!」

とにかくまた逃げ出した。

今度は確実に、走りながら警察に連絡した。

けれど相手にしてはくれなかった。

今度は友達にも、ただ結果は同じだった。

真弓も同じ。

それから見慣れない場所にたどり着いた。

どうやら田舎の方まで走ってきたらしい。

「今日は疲れたよ…」

近くにあった馬小屋で眠ることにした。


プルルルルル


携帯の着信音にビクついて飛び上がった。

「はぁ…朝か…」

着信は真弓から。

「最近帰ってこないけどどうかしたの?」

最近?まだ1日しかたってないけど…

「ココ3日は帰って来てないじゃん!」

そんなにココで寝ていたのか?

「そんなことよりそこから逃げ出すんだ!アイツがいつ誰を襲うか分からない!」

「アイツって、まさかこの前いってた女の子のこと?何で急にそうなっちゃうのさー早く帰っておいでよ!」

誰も信じてくれない…どうすれば…

「っあ、誰か来たみたい。女の子だけど、涼君がいってる子かな?」

ダメだ…入れちゃいけない…その子だけは!!

「やめろ!!入れるな!!」

「いらっしゃーい。よくここがわかったね?待ってってね、今お茶出す―――」

そのとき、何か嫌な音が聞こえた。

真弓は携帯を落としたようだ。

そこから、その場の異様な音と悲鳴が聞こえてきた。

「…泥棒猫」

携帯越しに聞こえたアイツの声…

そのあと、バットのようなもので殴る音。

何かノコギリのような物で、柔らかいものを切る音がリアルに聞こえてきた。

その間ずーっと真弓の悲鳴が聞こえていた。

何も出来なかった。


40分立った辺りから、何も向こうから音は聞こえなくなった。

「待ってってね、もうすぐそっちに行くから」

全身から冷や汗が滝のように流れ出た。


  

■コロス?コロス?…コロソウ、ソノカケガエノナイモノダケダカラ■

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