やかましいキャット
「ユーかね!ミーをコールしたのは!おしゃべりがしたいんだったか?もちろんオーケーさ!トゥギャザーしようぜ!」
「・・・・・・・・・・」
小さな猫はル〇語をペラペラと喋り出した。
「ヘイヘイ!せっかくスピリチュアルワールドじゃぁビッグなミーが、わざわざユーの為にきたってんだぜ?まぁ、ユーのマナじゃなけりゃあこうしてカムすることも敵わなかったわけだが!でも、ふふっ、ロングタイムノーシーすぎてテンションムカチャッカファイアだぜ!」
久しぶりに、いや、初めて猫とは話したが、何言ってるかいまいちわからねぇ・・・
ビッグなミー?いやいや、アンコモンどころの騒ぎではない。
これにガチャのランクをつけるんだとしたら、ノーマルの前にドをつけるか、モブってなるだろう。
そもそもムカチャッカファイアって怒ってるときに使う奴だろ?
てか、なんで知ってんねん!しかも古い!
「おいおい?おしゃべりってのは、あうんのブレスで互いにトークしあってこそだろ?何さっきからマウスチャックしてるんだい?」
「そうだね、ごめん。あのさ、もう帰ってもいいよ?」
「ああ、オーケー!でもな!緊張してるのはアローンじゃないのさ!ミーだって緊張してる!だからモーマンタイ!」
「お前のどこが緊張してんだ!モーマンタイは違うだろうが!」
「そうそうそのコンディションさ!エクスペリエンスをしながらグローイングアップしていくのが、ミーのフィロソフィーだから!ユーもトゥギャザーしよう!そうすれば、きっとフレンドリーになれるはずさ!」
「はぁ・・・なんか、物凄く疲れたよ・・・それで・・・君と俺は繋がってしまったのかい?」
「ん?オフコースさ!マナに関しては膨大に貰ったからね!あと数千年はユーのもとにいられるよ!」
困るんだが!むしろ、数十年で俺は死ぬと思うんだが!
ずっと孤独ではあって、話し相手が欲しいと思っていたが、違う!コイツじゃない!
帰ってくれないなら、帰らせるだけだ・・・
俺は帰還の魔法陣を描く。
「ユーはそんなもので、このミーをどうにかできるとでも思っているのかい?」
「ああ、ただの猫にどうにかできるわけないだろ?」
「それは心外だ!ミーはただのキャットじゃないのさ!エンシェントキャットだ!故に、そんなお粗末なファッキンマジックでミーをどうにかできるなんて思わないことだぜ!」
こいつ・・・・ムカつくな!何がエンシェントキャットだ!どう見たってただの猫じゃねえか!
ファッキンマジックだぁ?やったろーじゃねえかクソ猫!
俺は魔法陣を描ききった。
「じゃあなクソ猫!もう呼ばねえからな!」
「まぁ、落ち着き給えよボーイ。ユーは井の中のフロッグ オーシャンを知らずだよ。そんなんじゃあミーをリターンすることなんてできないさ!」
魔法陣が青く光る。光るが・・・クソ猫は帰らない。
「ちくしょう!」
なんでこんなにイライラするんだ!いや、間違いなくしゃべり方だ!
でもあれだ・・・今更後悔したって遅い・・・俺が呼んだんだ。こいつに怒るってのは違うよな・・・
「オーケー!これで分かっただろ?なら、自己紹介から始めようじゃないか!ミーはエンシェントキャット。これでも、スピリチュアルワールドでは孤高の存在で知られているんだぜ!ユーの求めに応じ、キリングタイムに来たってわけさ。ユーの名前はなんてーユーんだい?」
「確かに、呼んだのは俺だしな・・・冷静になるよ・・・俺の名前はジン・・・話し相手が欲しくて呼んだ・・・求めに応じてくれたのは嬉しいが・・・その話し方は何とかならないのか?」
「ソーリーこの話し方のチェンジは難しいね!もう相当長い間この話し方さ!それで?ここはどこなんだい?雰囲気からして・・・ふむ。ラビリンスウッズかな?」
「うん、迷宮の森な、ってゆーか、地理には詳しいのか?」
「ん?イヤー・・・ロングタイムアゴーの事だからね・・・うろ覚えだけど、獣人族の国が近いんじゃないかな?確かあっちさ!」
そう言ってクソ猫は短い手を一生懸命に伸ばした。
「おお、役には立つんだな!てか、手足短すぎないか?歩くことすらできないんじゃないか?」
「ちょ!このキュートバディを馬鹿にするのかい!?ウオーキングなんてしないさ!ユーの肩に乗るか、ユーのマナを吸ってフライするか、どっちがいい?」
「いや・・・どっちも良くない。歩け短足猫。」
そう言って、付き合ってられないとばかりに歩き出す。
「あーもうっ!いいかい?ミーとユーは契約したの!もう切っても切れない仲さ!ミーは歩けない!なら、連れてってもらうしかないだろ?それにミーはこれでも役に立つと思う。ずっとスリーピングしてたから、最近の事情は全くもってサッパリ分からないけれど・・・それに、ユーだって精霊召喚は真逆の性格をしてる奴が来ることぐらい分かっていたはずだろ?なら、文句を言うのもおかしな話ってわけさ!」
「ん?真逆の性格?」
そう言って振り返る。そんな話は知らない。
「え?知らないでやったわけじゃないだろ?暗い奴には明るい奴が、ひねくれた奴には真っすぐな奴が、何らかの真逆の性格をした精霊が応じるのさ。まぁ、ユーの場合はマナが大量過ぎて、ミーしか相応しいのがいなかったってのもあるんだけどね!」
んなもん初めて聞いたぞ・・・
確かに・・・そう思ってみれば、リーゼには品のあるウンディーネが、クレアには獰猛な犬が、それぞれペアになっていた。
じゃあ何か?俺は暗いってか・・・?
こんなに明るいっていうか、やかましいヤツは初めて会ったけど、こいつと比較すれば、全員が暗いに該当するだろ・・・そうだよな!俺は別に暗いわけじゃない。コイツが、明るすぎるんだ。
そういうことにしとこう・・・。
「はぁ・・・分かったよ。俺の肩に乗れ、で?俺はお前をなんて呼べばいいんだ?クソ猫でいいのか?」
「そんなのはいただけないよ!ユーが決めてくれ!ミーに相応しいグレートなネームをプリーズするよ!」
「んなもんクソ猫か、ルーか、オオシバか・・・どれがいい?あ、いや、ルーはダメだな。」
ルーはルーシーと被る。
「じゃあオオシバにしよう!」
「却下だ。お前は大って感じじゃない。小柴・・・いや、もう何でもいいか、むぅ・・・んー・・・むぅ?むー・・・お前はムー・・・決まりだ。」
「・・・え?」
「こうして俺はムーというクソ猫と共に、獣人の国を目指して歩き始めた。」
「いやいや!それは乱暴すぎやしないかね!」
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