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失望者の異世界転生  作者: コバヤシ アキラ
第2章
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Go to Hell

本日12時、19時更新です。


俺らは無事にオズボーン領へと入った。


場所はオズボーン領の城塞都市からさらに西に進んだところにある場所で、この王国で最大のダンジョンが存在するだけあって、かなりの活気がある。


名前はオズボーン領ダンジョン街ルナルス。


俺らはここでスタンピードが起こる前に、ダンジョンの魔物を出来る限り排除しなければならない。


前兆はダンジョン前に設置された魔法陣の色が青から赤に変色していくらしいのだが、その色が完全に赤に染まった時に発生してしまうらしい。

俺らが着いたときは半分ほどが赤くなっていた。


1日ほど羽を伸ばして、ルーシーがやらかしたり、1日で色々とあったのだが、それはまた別の話。


俺らは早朝にダンジョンに入った。

ダンジョンは生き物である。とは授業の時に習ったが、様々な世界を1フロアにを創り出し、生き物全てを魅了し、自らが生み出したマソによる魔物で殺し、吸収する。

奥にはコアと呼ばれるものが存在しており、それがダンジョンを形成してるとかいないとか・・・俺は前のエストのダンジョンでは分からなかったがね・・・そんなものはなかったように思うのだが、ダンジョンが生き物だというのなら、急所を自ら晒したりはしないのだろう。


ともあれ俺らはダンジョンに入る。


入ったら違う世界が広がる。そこは広野だった。多分見渡す限りの野原だろう・・・魔物と冒険者がひしめき合っていなければ、綺麗な草原が広がっていたはずだ。

そこまでに魔物が増えているようだった。


1Fにいる冒険者は新人らしい。見た目も若く、装備もボロボロか、新品かのどちらかだった。

俺らは得物を横取りしないようにそそくさとその横を通り過ぎた。


新人と思われるその人たちは稼ぎ時でもあるのだろう。


普通はダンジョンに入ることすら許されない。


スタンピードの前兆を受け、新人であっても1Fまで、4マンセル以上のチームであれば入ることを許可されているらしい。だからこそ俺らは目もくれない。

死にそうなやつがいれば、もちろん手を貸すだろうが、きちんと安全に狩りを続けているみたいだしね。


そうして教官のもと、奥へと進んでいった。


このダンジョンは未踏破ダンジョンであり、階層もどこまであるのかは分からない。

最高到達点は48Fなんだそうだ。Aランクを各国から呼び込んで到達したのがそこまでである。

と、先に進みながら教官が話してくれた。


教官も到達したその一人であるとのことで、15年前の話らしい。


そこで教官の年齢は30を過ぎたか手前・・・もしくはそれ以上なんだなと察した。


教官は俺らを1発ずつ殴ってきたのは言うまでもない。何も言ってないんだがな・・・

そんな緊張もへったくれもなかったのは5階層までで、そこからは冒険者もベテラン勢に切り替わり、俺らも練習したフォーメーションを組んで戦い始めた。


前衛がルーシーとジャスミンで俺が中間の遊撃、メイドナタリーが後方支援で教官は後ろの監視。

ジャスミンの格闘術は、最初の教官との模擬戦ですっころんだところを除けば完成されたようなフォームだった。

前世の空手家が総合格闘技をやったらこんな感じになるんだろうかという感じだ。

その動きは美しく、ジャスミンの花ことばである優美というのがあてはまるように洗練された動きだ。


俺は遊撃となっているが、やることは少しだけ多い。

前衛が厳しそうならそっちへと加わり、魔法の支援が必要とあらばそちらに加勢する。

状況判断が大切で、そういったものはチームが二人以上ともなれば、初めてだし、なかなか難しい。

俺の支援は弓か魔法で今のところはすんでいる。


だが、教官が何もしてくれない。後ろは監視をしてくれるものの、手出しは一切しない。


ただ、魔物が来れば「きたぞーーー」と声を上げるだけで、メイドのナタリーと入れ替わって俺が排除しに行くという感じで、この時は刀でさっさと倒して戻り、フォーメーションを組みなおして進んでいる。


ルーシーは魔法を使わず、俺も混合魔法は使っていないが、それも少し厳しくなってきた。


場合によっては火弾か漆黒か桜雷を使わざるを得ないだろう。

使うなら、まぁ火弾か。


だが、そんな心配も必要なかったようで、それぞれ3人の動きが格段に良くなっていった。


―――――


そんな4人を見て、教官は「ほう」と口角を吊り上げた。

計画通りだったからだ。


ジンの能力は底が知れないと思っていた。

ジンは気が付いていないが、3人が3人ともジンのすごさを目の当たりにして、自身の力のなさに打ちひしがれたが、直ぐに食らいついていこうと必死になった。


ジンは当たり前にやっている。前衛が危険となれば弓で、後衛も魔法の威力が足りないと見れば、属性を合わせて・・・全てをカバーし、前衛と同じような魔物が後ろから迫ってきても、たった一人で突っ込み、瞬殺する。


オールラウンダー・・・悪く言えば化け物だ。


私も真似などできない。だが、そこに必死についていこうとする3人は・・・物凄いスピードで成長している。

それが目に見えてわかり、隠したくとも、自然と口角が吊り上がっていた。



―――――


教官を見て思う。


鬼だ。


地獄へと誘い込む死神に見える。さっきから口角が吊り上がりっぱなしだ・・・。

この状況を楽しんでいやがる・・・。


3人のペースが少し上がったからか、疲弊しているように見える。

休憩も全てこちら任せではあるのだが、俺が提案しても3人とも首を縦に振らない・・・

「うむ、ありがたいが・・・平気だ。」「同じく。」「私も平気です。」

と、返してくる。


物凄く心配になるが・・・

だが、そのペースも落ちることはなかった。


そうして瞬く間に9階層までたどり着いたその時に、それは起こった。


俺ら一人一人の足元に魔法陣が出現した。


避けることも、声を発することもかなわず、全員がその場から・・・姿を消した。

お読みいただきありがとうございました。

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