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失望者の異世界転生  作者: コバヤシ アキラ
第2章
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B級冒険者の妹

ブクマをしてくださった方々、ありがとうございます。嬉しくて今日も頑張って更新いたしました。



銀髪とのやり取りの後日から、よくしゃべる奴が俺にではなく、ルーシーに付きまとうようになった。


確かに、仲良くしてくれとは言ったが、普通に接してくれればいいっていう意味だったのだけども、それを律義に守ってか、今まで寂しかったのかは分からないが、ご機嫌麗しゅうから入って、ずっとルーシーにべったり・・・ルーシーは苦笑を浮かべながら俺を見てくるが、助けてもらわなかったのもあり、俺が何か言うことはない。


良くも悪くも、影響を与えられるだろうな・・・。いいお返しになったと思う。


まぁ、お察しの通り、銀髪のことなのだが、俺に対しても多少は態度が良くなった。

ただ最初に、泣いたのは黙っていてくださいとか、そういったことのお願いを「分かりました。」と快くうなずいたことがきっかけになったのかもしれないが。


その後はルーシーと話しているのを聞きながら、たまに目が合うと、「あ、あんたなんかに話してないから!」とか、文句をいわれるが、邪険な目で見られたりとかはしないから、まぁ、いいだろう。


「上手くやったみたいじゃないか。どうやったんだい?」


そう軽々しく話してくるのは1人しかいない。


「おいダン。分かってたんだろ?」


「え?何のことだい?」


そう言って肩を竦めた。


「いや、知ってなかったら上手くやったなんて言わないだろ?こっちは分かってるんだからな?」


「ええ、ひどいじゃないか。完全な言いがかりだよ。それに知ってたら恩を売ろうと教えていたはずさ!そうだろ?」


「お前は・・・まぁ、そういうことにしとくけど、次は助けてくれよな?」


「う、うん。面白くてね。次はちゃんと教えてあげるよ。」


そう言ってテヘペロする。やっぱ知ってたんじゃないかと思いつつも、黙っておいた。

まぁ、結果的にルーシーの味方みたいなのが1人できたし、良かった?ってことにしとこう。


授業が終わり、そんな会話をしながら歩いていると、遠くから騒ぎが聞こえてきた。


その騒ぎを取り囲むように、他のクラスの連中が囲んでおり、「ちょっとあれやばくない?」とか、「教師誰も呼んでこないのかな?」とかヒソヒソ話している。


「ん?なんだ?」


「ちょっと見てくるよ。」


俺が疑問を口にするのと同時に、ダンがススっとそう言っていなくなった。

と、思ったらすぐに帰ってくる。


「ジン、ちょっとまずい。ルーシー様とリーゼ様なら止められると思うんだけど、同じクラスのクレアがちょっと危ない。」


すると奥から大声が聞こえてきた。


「平民如きが何で俺らよりも上のクラスにいやがる!体を売ったんだろう!本当のことを言え!」


「ですから!私はそんなことしていません!」


胸糞悪いな・・・差別というかなんていうか、嫉妬だろうな・・・。

そう思った時にはルーシーが前に進んでいた。


俺も慌てて追従する。前の人たちが割れるように道が開かれて行き、そこを進んでいく。


「やめっ」


「やめろ!」


誰かが言うのに被せて、ルーシーは大声で怒鳴った。


言いかけた奴の方を見ると、そこにいた奴を見て目を見開かざるを得なかった。

そこに立っていたのは・・・


「デブス・・・?」


見間違えるはずがない。赤の公爵家、赤髪に赤色の瞳、横の長さは俺の倍、豪華で派手な赤色の服装に身 を包んでいるそいつを見間違えるはず等なかった。


デブス・レッドフォードだった。

ルーシーは気付かないのか、そのままクレアを囲んでいた3人に怒鳴り上げる。


「貴様ら貴族だろ!恥ずかしくないのか!」


そう言い放った。

ルーシーがガチギレしてる・・・


「こ、これはルーシー様・・・いや、これは平民への教育でして・・・」


「貴族が嘘をつくか!貴族とはなんだ!言ってみろ!」


ルーシーはすごい剣幕で怒っている。クレアを取り囲んでいた3人の男がたじろいでいる。


「き、貴族とは・・・」


そう言って言い淀む。


「貴族とは民の為に働くものだ!つまり我らは民たちから信頼を勝ち取り、常に先頭に立ち、道を示していくものだ!お前たちは何だ!そうやって遊ぶ暇があれば、己の研鑽を怠らず努力をしろ!そういう義務が我らにはあるのだ!」


「「「は、はい!すみませんでしたぁ!!」」」


3人は90度に腰を折って礼をすると同時に一目散にその場を後にする。

すげーおっかねぇ・・・こんな切れてるルーシー見るのは初めてだぞ・・・


デブスは遠くからそれを見届けると、何事もなかったかのようにその場から立ち去ろうとした。

俺はちょっと興味が湧いて、デブスのもとに追いつくと声を掛けた。


「デブス・レッドフォード様、貴方様が先にお声掛けしたようですが・・・その、お嬢様が失礼しました。」


「そ、そんなわけあるか!この俺が平民なんぞに!それにお前も気安く声を掛けるな!」


そういってそそくさといなくなってしまった。

助けようとしてたんだろうな・・・多分だけど・・・もしかしたら、上下関係にはすごく厳しいけど、それだけなのかもしれない・・・不器用な奴・・・なのかな?


「あ、あの!ルーシー様!助けていただきありがとうございました!」


クレアはルーシーに向かってそう言うと、ルーシーは「うむ!当然だ!」とドヤ顔で言い放ち、


「ルーシーで構わんぞ!同じクラスだしな!」


と言うが、ここで遮ったのは銀髪。


「いけませんルーシー様、公爵家とは貴族で最上位。護衛のジンはともかく、平民にそういったことを許すものではありません。」


ルーシーは苦笑を浮かべ、ダンも肩を竦めている。

俺はそんな会話をシカトして、クレアに話しかけた。


「貴方も大変ですね。優秀ゆえに推薦されたのだとか・・・ご自身の意志はあったのですか?」


なんとなく、気になったから聞いてみた。情報によれば、農民だったが、魔法の才があったから推薦されたときいていたのだった。


「いえ・・・私なんて兄に比べれば優秀ではありません。本来であれば兄が入学する予定だったんです。」


「兄・・・?」


「あっ、すいません・・・その・・・関係のない話を・・・兄は、B級冒険者、疾風のタイラーっていうけっこう有名な冒険者だったみたいですけど・・・その、死んでしまったんですよ。それで代わりに私が・・」


B級冒険者疾風のタイラー


俺はそいつを知っている。いや、会ったことはないが、エリーさんから聞いたんだっけかな?ともあれ


「暗殺の被害者か・・・」


「!・・・どうして、それを知っているんですか!?」


俺がぼそりと言ったことが聞こえていたらしく、クレアは大声で俺に言ってきた。


「詳細は聞かされてないのか?」


「は、はい!暗殺されたとしか聞いてなくて・・・誰にやられたとか、そういったものは一切・・・私は、それが知りたいのもあって・・・ここに来たんです・・・。」


「うむ。なら、私の部屋に来ると言い!」


ルーシーは聞いていたのか、クレアを自室へと誘った。暗殺どうのこうのと、こんな場所で話すことはなかったな。

そんな話になるというのに、リーゼはついてくるらしく、ダンもまた、許可をとってすらいないのにくっついてきた。


「あの・・・お嬢様・・・このお二人は宜しいので?」


だからそう聞いたのだが、ルーシーは特に気にした様子もなく「かまわん!」とだけ言うと、そそくさと全員を引き連れて、部屋に向かった。

お読みいただきありがとうございました。


ブクマと評価をしていただけると、モチベが上がりますので、少し手間ですが、何卒よろしくお願いします。

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