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失望者の異世界転生  作者: コバヤシ アキラ
第1章
33/137

蛇剣!!

俺らは探索を再開したのだが・・・


うん、どうやらこの階層の魔物は全て倒してしまったらしい。

ルーシーがジト目で見てくるけど気にしない。


魔石を回収して回っていると、2階へ降りる階段を見つけた。

ちょっとだけ休憩して降りたのだが、そこは森だった。


流石は一つの世界を造ると言われるだけある。

太陽もあるし、川の音も聞こえる。


一つの巨大なクレーターの中に木々が茂っているような、そんな感じだ。


「「ほーーーーー」」


と、ついつい互いにそんな声が漏れた。

初めてなのだから、話を聞いていたとしても、そんなことがあり得るのかと思ってしまうし、実際に見ればやはり驚いてしまう。


「これでさっきのバカみたいな魔法は使わずに済みそうだな!!」


ルーシーはにこやかに俺にそんなことを言う。


「あれ結構コスパいいんだけどね、他に冒険者がいるかもしれない時には使えないから、もう使わないよ・・・。」


俺が経験値を独り占めしたようなものだからな・・・反省しますよ。

そのおかげでレベルが2もあがったなんて言えないしな。


俺らは森を進む。その先に見えたのはゴブリン?


「なんか、デカくないか?あれゴブリンなのか?」


ルーシーはびっくりしているが、それは俺も同じだ。身長は俺よりちょっと低いくらいだが、筋肉質でガタイが良く、ボロボロの剣をその手に持っていた。

ゴブリンの上位種だろう。俺はすかさず鑑定を使う。


【鑑定】


ホブゴブリン lv??


Potential ????


「ルーシー、こいつホブゴブリンだぞ。図鑑だと大したことないはずだが、警戒は怠らずに行こう・・・。」


俺は鑑定のレベルが最近上がったのだが、やはり、魔物への鑑定、人の鑑定には全く効果がない。基本的には物を鑑定するためのものって感じなんだろう。


「むむ!ならジン!あいつは私がやる!!!ジンだと思って叩き潰してくれる!!!」


なんで俺だと思って叩き潰すんだよ・・・・

やれやれ、と俺は首を振り、了承した。そして周囲の警戒にはいる。

索敵範囲には何も引っ掛からない。


ルーシーは抜刀すると勢いよくホブに向かって走り出した。

ホブも気が付いたのか剣を構える。


ルーシーVSホブゴブリンの戦いが始まった。


ルーシーは上段に剣を構えるとジリジリと近づいていく・・・その顔は真剣そのもので、俺との打ち合いのように真剣だ。


そしてホブが雄たけびを上げながら斬りかかった。

それは横からの一閃、ルーシー2歩後ろに下がると剣をギリギリで躱し、上段から頭部へ狙いをつけて振り下ろした。


そのまま勝負がつくかと思ったが、ホブは左手を犠牲にして剣の速度を下げてから躱す。互いにサッと間合いを空けた。


今のはルーシーが相手の間合いをしっかりと見極めていた。

ホブは余裕がなさそうだな。

左手に深い傷を負ってしまっている。ルーシーが完全に有利だが、これは負ければ死。向こうも必死になるのだから、気が抜けない。

勝ったと思っているなら―――――いや、大丈夫そうだな。


ルーシーの顔は相変わらず変わらない。真剣そのものだ。

前世の後輩にいろいろ教えていたよりもずっと吸収力が高いからな・・・・俺の技やヒューグさんから盗んだ技をどんどん吸い込んで己の力にしていく。

俺なんかより抜群にセンスがいいと思う・・・羨ましい限りである。


と、そんなことを考えていたら相手が打ち込んできた剣を剣で絡めとって、そのまま首を刎ねてしまった。


「どーーーーーっだ!!!」


と、めちゃめちゃどや顔を決めるルーシー

絡めとる瞬間に「蛇剣!!」とか叫んでたのは聞かなかったことにした。


「それも俺の技やんけ・・・」


「ふふふ、これはもう私の技として昇華されたのだ!!」


そんなやり取りをしつつも、警戒と休息は怠らずに進んでいく。

食糧や水には困らない。互いの信頼も揺るぎ無いものへとなっていた。

1階から9階は馬車で運んでくれた人の言う通り、ゴブリンしか出てこなかった。

それも最大でホブゴブリン。ルーシーは嬉々として狩っていった。


そうして10階に辿り着く。


「でかい扉だな・・・・。」


「うむ・・・ボスがいるのだろう?確かジェネラルゴブリンとかいうやつだったか・・・。」


その扉は真っ赤で、禍々しいオーラを放っている感じがする。


「どうする?」


俺がルーシーに尋ねる。


「足手まといになるつもりはないぞ!それにジンなら余裕そうだし、行ってみたい!」


この扉は入ると閉まり、どちらかが死ぬまで開くことはない。

この10階層はCランク級だとされているが、挑戦することにした。

ルーシーの剣技は最早俺と同じくらいであり、俺はそれに加えて魔法と弓が使える。

ホブゴブリンをいとも簡単に倒してしまうのだから、その上に位置するジェネラルも余裕だろう。


そうして俺たちはゆっくりと扉を開けるのだった。


お読みいただき、ありがとうございました。

見てくださる方がいらっしゃるというのは、とても嬉しいです。

今後とも暇つぶしにでもどうぞ見てってください。

本日は、9時、19時、23時に更新となります。

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