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失望者の異世界転生  作者: コバヤシ アキラ
第1章
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新たな武器

俺は宿屋に1週間滞在する旨を告げて、大銅貨35枚の支払いを終えると、まず武器を仕入れるところから始めた。

購入するのは短剣、刀という物がこの世界にあるなら刀も買う。


昨日ヒューグさんから聞いたおすすめの鍛冶屋までたどり着くと、そのドアを開いた。

中は少し埃の臭いがする、こじんまりとした店で、真正面に木の大きなカウンターがあった。カウンター手前には安そうな武器が乱雑に並んでおり、奥には1つ1つ丁寧に飾られたいろいろな武器が飾ってある。


店主と思われる髭がもじゃもじゃのガッシリしたおっさんは俺を見るなり「らっしゃい」と低く言うと、何も期待していないかのようにカウンターの下に目をやった。


あー、冷やかしに来たと思われてる?適当に見ていいってことだよな?


まずは手前にある乱雑に並べられた短剣コーナーに移動して一つ一つじっくり見た。


今まで使っていた折れた短剣はなかなか使い勝手が良かった。値段は安い方で、どこにでもある短剣だと貰った時に言っていたが、あれで十分戦えていた。まぁゴブリンまでの魔物なのだろうけど・・・でも刃こぼれひとつしなかったし、愛着がわいていたのは事実。


俺は出来るだけ同じような長さのものを探した。

この手前の物でも十分今まで使っていた物より鋭く、頑丈そうだ。


素材は鉄っぽいが、ここはゲームの中じゃないし、武器が強いからと効率がそこまで変わるわけではないし、気に入ったものが見つかるまでは何でもいい。F級だしね、最初からいいものだとなんか絡まれそうだし・・・。


と、いろいろ見ていると、一つ気になったものを発見した。


それは今までの短剣よりも少しだけ長く、そして細い、どことなく小太刀のような・・・それにしては太いのだが、でも、そんな雰囲気のものがあった。


それを鞘から抜く、黒色の片刃で薄っすらと緑がかっている。

その吸い込まれそうな剣を俺は気に入ってしまった。


「おっさん!これいくら?」


俺が剣を掲げながら座ってるおっさんに話しかけると、ふんっと言って答えた。


「大銀貨5枚だ。坊主、なんでそれを選んだんだ?」


え?たっかぁ・・・・・日本円で50万だぞ?

え、そんなもんなの武器って・・・


俺はあることを思いついて・・・買うことを決意する。


「たけぇーな!見た目がな、俺の親父が持ってた剣に少し似てたんだよ」


ここは故郷とは言わない。どこで手に入れたのかも知らないと言えば大丈夫だろう。


「ほう・・・まぁそれは失敗作だ。だが素材は魔鋼鉄とミスリルを少し使ってるんだ。その二つを組み合わせると固く、重くなる。だからなるべく細く作ろうと思ったんだが、なかなか難しい。高いのは素材が高価だからだな。」


「成功品はあるのか?なければ、うーん・・・この中から1つ2つ剣をおまけしてくれるなら考えるぞ!」


このおっちゃんなかなか話しやすい。最初からこうやって話してくれればいいのに・・・さぁ!どうだ?


「成功品はない。そもそも素材ももうない。その二つの素材はそれだけ貴重なんだよ。じゃあ1つつけてやる。それで大銀貨5枚だ。もってけ畜生!」


「おー!流石おっちゃん!じゃあーこの短剣だな!はいこれ!」


そう言って金貨1枚わたしてお釣りをもらう。


もしかしたら、このおっちゃんが俺の望む刀を作ってくれるのではないかと思い、簡単にだが、刀の形や特徴などを伝えてみた。


「ほう・・・斬るために特化した武器か。それはおもしろそうだ。まあ、今の俺にはそこまで細くする技術はないが、鉄でできるのであれば、試す価値があるな!」


おっちゃんは、ニカッと笑って俺の話を楽しそうに聞いてくれた。


暇なときにでも試行錯誤してみるよ、とおっちゃんが言ってくれたのもあり、俺は気長に待つことにしつつ、もし、鉄とかでできたら、安く売ってくれ、とお願いして外に出た。


高かったがしょうがない。何せ俺は鑑定を小太刀に使っていた。


結果は、【小太刀(仮)】


(仮)は気になるけど、多分名前のない剣なんだと思う。一応これは刀であると鑑定が保証してくれたわけで、刀術士になってもレベルを上げられるってことで一安心だな。

それに地球ではなかった鉱石を使っての貴重な物だ。

これは普段装備しないでしまっておくのがいいな。


魔物の情報と地図は冒険者ギルドで確認できる。


そしたら次は魔法の知識を得たいところ。

リグム村の村長に聞いた知識があるにはあるが、魔力は大小の差はあれど、万物が持っているものだが、魔法となると自分の持つ属性しか使えないらしい。

属性は、無・火・水・土・風・光・闇・聖で、魔術士は魔法を使うことによってランクを上げられるというものらしく、最初に覚える生活魔法といわれる戦闘には使えない魔法でも上げられる。村長は錬金術の為に、それを使い続けて上げたらしく、攻撃魔法はどうやって使うか分からないとのことで・・・詳しいことは分からんとのことだった。


冒険者っていうか・・・なんか情報の制限とかかかってんの?攻撃魔法をどうやって使うか分からないって・・・


まぁ、生活魔法レベルの魔法の使用方法は簡単だ。ただ魔法士になって「火よ」とか唱えればいいらしい。


村で唱えたけど当然俺は何もでなかった。


次に向かうは王立図書館か、魔法に詳しそうな人に聞くってことになるだろうが、秘匿にしているならば魔法関連の書籍は図書館にはないだろうな。


誰に聞くか・・・気軽にお店の人かな?

王都の錬金術師ならわかるかな?まぁ行ってみるか・・・


うん、村長と同じこと言われた。

これは、保留だな・・・ギルドで聞いてわかんなければ、今は強くなることだけ考えるか・・・・


ってことで昼に組んでた予定が終わっちまった。

俺はこれからとりあえずソロで活動する。何でかといえばpotentialに慣れる為だ。

自分で知らずに制限をかけているらしいから、まず自分の力をコントロールできるようにならなければいけない。


パーティー組むにしても足手まといにはなりたくないしな。

それにあの時みたいな火力をだして、王国に目をつけられるのも面倒臭い。明らかに魔法関連はわからないし、リグム村の件もあるからな。


死なないようにポーションを買って、飯も蓄えとかないとだな。

しかも俺にはトラックがある。時間停止に解体機能まで備わっているからな。便利なもんだ。


諸々の準備を終えて、ギルドの扉は開いたのだった。


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