↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
失望者の異世界転生  作者: コバヤシ アキラ
第1章
16/137

ギルド

王都はまじでデカかった。中は門の外からは見れないが、聳え立つ王都の壁の高さと広さが大きさを物語っている。呆気に取られて順番待ちをしていると、


「次の者!身分証をだs・・・・ヒュ・・・ヒューグか?」


やっと順番がきて門番の兵士に呼ばれたのだが、門番は何故かヒューグさんを見て固まってしまう。


「おう、久しぶりだな!」


門番は顔が引きつっていて、ヒューグさんはにこやかだ。


「な、なんの用だ?冒険者は辞めたんじゃなかったのか?」


「いや?休業していただけだぞ。今後ともよろしくな!」


ヒューグさんはニヤッと笑って門番の胸をコツンとノックした。


門番は「お、おう」と相変わらず顔を引きつらせながら返事をすると、荷物検査などを行って、問題なしと言って通してくれた。


王都の中は・・・実際に見たことはないが、中世ヨーロッパといわれる異世界転生、転移ものの漫画等で見たような街並み。

石造りのしっかりした建物が立ち並び、屋台が並んでいると思われる方向からは食欲をそそる香ばしい匂いが漂ってくる。


王都の道は石造りでしっかりと舗装されており、そこを馬車が行き来している。ただ、馬車を引くのは馬だけではなく、デカい牛みたいなものや、竜というか、トカゲの二足歩行のデカい奴まで様々だ。


また、道行く人に目をやると、これまた前世では見たことのない容姿の人々がたくさんいる。やたらと背の低いオッサンだったり、耳の長い女性だったり・・・


まさに、これぞ、これこそ、ファンタジー・・・・

最初のリグム村には悪いが、やはりこういった場所に来てこそ異世界だと実感できるものだよな!

最初は不安でしかなかったけど、道中スライムやゴブリンも倒せたし、調子に乗らないよう注意しなきゃいけないけど、この世界に来てよかったと思える。



「おい、ジン・・・帰ってこい、とりあえず冒険者ギルド行って登録しちまおう。身分証になるからな。行くぞー」


俺が感動で放心状態でいると、ヒューグさんはそう言って歩き出した。


「あ、さーせん・・・今行きます!」


門からちょっと行ったところに冒険者ギルドはあった。

石造りだが、周りよりも頑丈そうで、3階建ての奥行のある建物だ。

なかなかにでかい。


ギィィィ―――


ギルドの扉をヒューグさんは押して入っていく。俺もそれに続いて中に入った。


ギルドの一階は集会所みたいになっていて、そこで酒等も飲めるようだ。

全員がこっちを向いて無言で固まっており、中にはコップを落とすものもいるが、ヒューグさんは構わずに左右についている階段を上っていく。


ここまで来るとさすがに俺でも気づく。ヒューグさん・・・何したんだよ・・・

怪我をしていたのに戻ってきたからか?それとも別の理由?


分からないけど、聞く暇もなく、受付の看板が垂れ下がっているカウンターの前まで行き、そこにいる女性にヒューグさんは声をかけた。


「よ!久しぶりだなエリー!俺の連れのジンが冒険者登録したいんだ。手続きお願いしていいか?」


周りの冒険者たちは聞き耳を立てていたのか、「なーんだぁ」「びっくりさせんなよ」等と安堵した表情でひそひそと話している。


「お久しぶりです!ヒューグ様!でも、残念です・・・教官として戻ってきてくれたわけではないのですね・・・。」


「そうだな。まぁ俺なんかよりも適任者がいるだろうさ。あ、ジンは俺が鍛えてやったからな、試験は必要ないと思うぞ。」


「ヒューグ様ほどの方はなかなか見つかりませんよ!それはさておきですね!ジンさん初めまして、冒険者ギルド受付係をしていますエリーといいます。私は基本的には新人冒険者担当となりますので、依頼や質問、相談は気兼ねなく言ってください。それでは手続きなのですが、本来なら訓練場にて戦闘スキルの確認等を行った後の手続きなのですが、Bランク以上の冒険者からの紹介ですと、その手続きが省略できます。ですので、こちらのカードに自身の髪の毛1本か血液を落としてください。それで手続きが完了となります。」


おお!、面倒くさい手続きが省略とかなかなかラッキーだな。

その後ギルドの諸々の説明を聞いた。


冒険者ギルドとは、下水の掃除から国直々の依頼など多岐にわたる多種多様な依頼をあっせんしてくれる案内所である。これは、王国と隣国である帝国、貿易都市、聖国、自由都市国家等ほとんどの国に設置されている施設だ。ギルドは、国同士の問題には不干渉、中立。ここで得られるギルドカードは、現代で言うところのパスポートのようなもので、世界共通の身分証となる。また、各ギルドでそれぞれの冒険者のデータは自動共有されているので、その国々のどこでランクを上げようとランクは共有されるのだ。


このシステムのすごいところは、この何の変哲もない黒いカードに名前とランクが浮かび上がっており、魔物を倒すと自動でカードに記録が残るというところだろう。


こんな画期的なものをほいほいとタダでくれるのだから、相当な組織なのかもしれない。

もちろんくれるのは最初の1回で、再発行には金貨1枚を要する。

無くしても記憶がギルドのマザーコンピューターみたいなところに保存されており、すぐに新品をもらえるようだ。


ギルドランクはFから始まり、E、D、C、B、A、S、SSとなっており、FランクがAランクの依頼を引き受けることもできるが、達成できなかった場合に違約金が発生するため、挑戦する者はおらず、自分の1ランク上までがだいたい適任なんだそうだ。


ギルドランクを上げるには、ギルドから認められることというのが条件だという。その方法等は明らかにはなっていない。


また、たまたまCランク等の者が討伐対象のAランクの魔物を依頼を受けずに討伐した場合、その依頼内容を正確にこなしていたのであれば、【依頼達成】となる。

しかし、それは冒険者ギルドにその依頼が残っていた場合に限られる。


すなわち、仮に違約金が嫌だからと、依頼を受けずに達成したとしても、他にその依頼を受けたものがいた場合は、達成とはならない。


と、まとめると大体こんなところで、細かい利用方法等もいろいろ聞き、説明は終わった。


その後ギルドを出て、ヒューグさんの奢りで宿屋に泊まることになり、ここまでの疲れがたまっていたためか、水浴びして飯食ったらそのまま泥のように眠った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。