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失望者の異世界転生  作者: コバヤシ アキラ
第1章
10/137

甘っちょろい考え

俺は音をたてないようにこっそりと近づき、木と木の間から覗き見ると、地球でいうところの猪くらいの大きさをした角の生えたウサギがそこにいた。


え?うそだろ・・・・こんなにでデカいの?


1匹しかいないが、なかなかにデカい。


この国の中で一番弱いとされている魔物がこのホーンラビットであるが、頭に生えた1本の鋭そうな角から、なかなかの恐怖を感じる。


聞いた話によれば脚力が強く、敵をめがけて一目散に突っ込んでくる魔物。

つまり角をこちらに向けさせなければ、当たらないし、倒せるとのことだが・・・


よし―――


俺は心を落ち着かせて短剣の柄を右手で握り、腰を低くしてタイミングを計ろうと試みた。


気を付けなければいけないのは突進だが、速さがどれ程か分からない。


よしとは思ったものの、俺はなかなか決心ができず、躊躇していると・・・


後ろにいたヒューグさんがピューっと口笛を吹いた。


ちょい!まてまてまてまて!!!

ピューっと吹くヒューグさん・・・じゃねえよ!!!!!


ホーンラビットはこちらに気付いて後ろ脚で地面を思いっきり蹴ってこちらに突進してくる。


速さはあっという間だが、ヒューグさんより断然遅い。


体が反応できる。


俺は突進をきちんと目で見て、軌道を予測しながら余裕をもってそれを躱す。

そして、すかさず短剣を抜き、ホーンラビットめがけて振り落とす。


それがすんなりと首に入り血しぶきをあげる。

そして、ドサッとホーンラビットが崩れ落ちた。


な、なんとかなった・・・・


フッと体が軽くなる感覚がするが、構わずに後ろを向いて文句を言う。


「ちょっと!ヒューグさん!!危ないじゃないですか!!!」


するとヒューグさんは笑いながら近づいて来た。


「ハッハッハ!何時までたっても仕掛けなかったくせに何言ってやがる。

まぁ合格だな。俺の速さに反応できたんだ。まっ、だから当然だな!」


そういって俺の肩をバシバシ叩く・・・痛いよ!


「それよりジン、今のホーンラビットは大物だ。レベル1なんだったら上がってるはずだぞ!確認してみろよ。」


「え?!わかりました!ステータス」


――――――――――――――――――――――――――――――――――

              1/2

種族:人族

職業:短剣術士Ⅰ

名前:ジン

年齢:15

レベル:3

 Potential:8333

Luck:128

 SP:20


【固有スキル】

 言語理解 言語伝達 限界突破


【ユニークスキル】

 ポリスⅩ トラックⅢ


【スキル】

 体術Ⅲ  刀術Ⅸ   大盾術Ⅰ 棒術Ⅷ 逮捕術Ⅷ

 短剣術Ⅰ 身体強化Ⅰ 気闘術Ⅰ 鑑定Ⅱ

【耐性】

斬撃耐性Ⅲ 刺突耐性Ⅰ 打撃耐性Ⅶ 

 威圧耐性Ⅶ 恐怖耐性Ⅲ 精神耐性Ⅹ 

                          獲得可能スキル


――――――――――――――――――――――――――――――――――


おー・・・レベルが2も上がってやがる・・・!

あの体が軽くなる感じがレベルが上がった感覚なのかな?


この感じでもっとレベルを上げて、スキルのレベルも上げていかないとな。


大きなギルドのある町まで行って、生命草でも1枚売って、依頼をこなしつつ強くなっていこう。


やればやるだけ結果がでる・・・これは・・・嬉しいなぁ・・・。


「おい坊主、もしかしてこんなので満足してないよな?

 このままだとお前・・・次の町に行くまでに死ぬぞ?」


「え?」


ヒューグさんは俺の考えを知ってか知らずかにこやかに言ってきた。

俺はそれに変な声で聴き返す。


「ホーンラビット倒したくらいで外を歩けると思うのか?

 この森は比較的安全で、この辺りにはホーンラビットと狼くらいしかいないが、奥に行けばスライムやゴブリンだっている。

 この冒険者がほとんど来ない森でさえな。」


俺はそんなヒューグさんの言葉に反応もできず、押し黙ってしまった。


「それに道中、ワイバーンがたまたま現れたらどうする?一方的に嬲り殺されて人生終了だ。 

 ま、そうならないように鍛えてやるから安心しろ。」


そういうことで、午前は狩り、午後は訓練とヒューグさんのもと、スパルタ指導が始まったのであった。


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