【番外編】とある女騎士の回想
『なっ!オーウェン様は一国の副騎士団長、並びにリガルド国元首の嫡子であるお方だ!従者も付けず、剣も携行できないなど・・・・・・』
あの人は、あの時とても怒っていた。主を心から尊敬し、だからこそ憤った表情をしていた。
――思えば、彼との初対面はあまり良いものではなかった気がする。
ルネは手元の小さな小瓶を見つめながら物思いにふけっていた。中身は残りわずかとなった白い軟膏だった。
リリアンヌがリガルド国大使として国を発つことが決まり、ルネも怪我をおして準備に走り回った。仕事を終えて自室に戻ると、引いた波が恐ろしいスピードで迫り来るように疲労がどっと押し寄せてくる。それでも、大切な主が新たな道へ進む手伝いになっていると思えば気持ちも軽い。
「あの方も、忙しくしているのだろうな・・・・・・」
主の想い人であるオーウェン・リガルド卿。その副官を務めるアベル・フィッシャーは、オーウェンの元で毎日忙しそうにしている姿を目にしている。
彼との会話は、いつも彼を戸惑わせていた。
オーウェンに剣を置いて行けと告げてアベルに怒られ、リリアンヌを助けて欲しいと目の前で泣き出し。そして、火事の中救出に来てくれたアベルに、ルネはリリアンヌを守れなかった悔しい胸の内を晒してしまった。アベルはルネを感情的な女騎士だと思っているかも知れない。ルネを長年知る者からすれば、別人だと疑われるほどに。
ルネ・バシェレリーは、イシュトシュタインの外れの街で生まれた。道場を開いていた父の影響で剣を学び、周囲の反対を押し切って王城の士官試験を受け合格した。15歳で王城に出仕し、鍛練を重ねていった。女であることを理由に何度も出世を妨害されたが、剣の腕や警備策の考案にとても秀でていたルネは地道に地位を確固たるものとした。しかし、女である事実も、女を受け入れがたい社会に身を置いている事実も変わりない。ルネはポーカーフェイスを身につけ、母に褒めてもらった長く美しい銀の髪をばっさりと切り落とした。化粧はせず、男並みの訓練で汗を流す毎日。剣だこはつぶれてもなお柄を握ったせいで色も変わり、女性らしい手とはかけ離れていた。もともと色白で華奢な体つきであるルネは、中性的である顔を利用し、短いマントを羽織ることで胸を隠して少年風を装った。言葉も男らしさを意識したものに変え、精一杯仕事に打ち込んだ。
そんなある日、ルネはイシュトシュタイン第一王女・リリアンヌの16歳の生誕パーティーでの会場警護に抜擢された。女性の身でありながら第一王女としての責務を果たしている王女はルネの憧れであり、何度か公務の警護にも同行したことがあり面識もあった。この抜擢は身に余る光栄に思えた。パーティー会場の一角を任されたルネは、中庭へ続く窓際に身を置き警備に当たることとなった。
――あの事件が起きた時、リリアンヌの叫び声を聞きすぐさま駆けだした。
向かった先には、フロックコートを着た男の群れ。彼らの手は、嫌がるリリアンヌへ不躾に伸ばされていた。
「痴れ者!王女殿下から離れろ!」
ルネはリリアンヌを庇うようにして彼らの前に立ち、剣の柄や手刀で男達を昏倒させた。呆然とする衛兵達に彼らを拘束するよう指示すると、ルネはすぐさまリリアンヌの元へ駆け寄った。
「お怪我はありませんか、王女殿下!」
「いやっ、こわい・・・・・・!」
全身を恐怖に震わせ、蒼白な顔をしたリリアンヌ。ルネも男だと思っているのか、焦点の合わない瞳で後ずさる。
「王女殿下、私は女です。貴女を無理に傷つけたりしませんよ」
うずくまるリリアンヌを落ち着かせるようにしっかりと抱きしめると、リリアンヌは次第に身体の力を抜きルネにしがみついた。
「たす、けて・・・・・・」
震える唇でそう告げると、リリアンヌは程なくして意識を失った。
――しかしリリアンヌはそのような事件の後も、第一王女としての仕事を放棄しなかった。男性と会うことが恐怖となり部屋に閉じこもっても、勉学や公務だけはおろそかにしなかった。そんな彼女が王妃により北の離宮へ追いやられることが決まった時、リリアンヌはルネを呼び寄せた。
『――私の騎士になってくれないかしら。ルネ・バシェレリーさん』
今までの働きと忠誠心を評価しており、、以前から考えていたことだという。しかし今回の事があり、女性であり優秀なルネを早急に騎士にし警備を整えたいとのことだった。
『喜んで。この命に代えても、貴女をお守りします』
『命なんて賭けないで、ルネ。私は、傍に居て、一緒に戦って欲しいわ』
そう微笑んだ孤高の美しい主。ルネはその時感じた高揚感を今でも覚えている。
ずっと、王家とリリアンヌのために生きてきた。それなのに。
――気になるんでしょう、アベル・フィッシャー様のこと。
休憩中、いかにも楽しそうな顔をしてセリーヌから言われた言葉が頭から離れない。騎士たるべく、女らしさを捨て騎士道を邁進しリリアンヌ第一主義だったルネにとって、こんなことは初めてだ。
ふと気付けば、アベル・フィッシャーのことばかり考えているだなんて。
こんな感情は知らない。未知なる感情を持て余し、ルネは頭を振った。
「何度も彼に助けられたから、混乱しているんだ。火事の時も、姫様の救出の時だって・・・・・・」
リリアンヌがボイル侯爵の手に落ちた後、ルネは体中の傷の手当てもせずすぐさまリリアンヌの行方を追った。しかし外に居た伏兵に返り討ちに遭い、結局リリアンヌの所在を突き止めることは出来なかった。リリアンヌが監禁されているかも知れない場所を片手の指に収められるほどに絞れたのは、無情にもリリアンヌの誕生日を明日に控えた夜だった。動かせる人材も少なく、夜を徹してリリアンヌを探す他はなかった。――そんな時、城門で大きな騒ぎが起こったのだった。
何事かと慌てて向かうと、そこには衛兵達を振り切り城内へ一直線に馬を駆る3つの人影があった。
「リガルド卿!?アベル・フィッシャー殿!?何故ここに!」
呆然として叫ぶが、目の前では衛兵がどんどん数を増し彼らの行く道を塞ごうとした。ルネは慌てて近くの衛兵から馬を奪い彼らの元に向かった。
「こちらへ!」
荷物を載せて人に見せかけた馬を放ち衛兵を上手く別方向へ惹き付けた後、あまり知られていない隠し通路へ彼らを誘導する。扉を閉めると、ルネは状況を把握しようと詰め寄った。
「何故遠征に行っていたあなた方が・・・・・・それにそこの女性は」
「この者は私の義妹で、ドロシーという。味方だから安心してくれ。カルイースクの暴動は誤報だった。ボイル侯爵と、わが国の幹部に騙されていたらしい」
「なっ・・・・・・」
その言葉はにわかに信じられなかったが、オーウェン達はこの城に辿り着いた時点でひと戦を終えてきたような出で立ちだった。命を狙われたのだろう、生傷が痛々しい。
「王女様はどうされましたの?」
ドロシーという名の女性が鋭い目つきで聞いてくる。リリアンヌが攫われ監禁されており、今は監禁場所を絞って捜索していると伝えると彼女は納得したように頷いた。
「読みは当たりですわね、お義兄様」
「オーウェン様、密偵の報告と被っているのは一カ所です、そちらへ向かいましょう」
「ああ」
短く答えたオーウェンは、近づきがたいほどの怒気と殺気を身に纏っていた。彼の周囲の空気が重く、ちりりとした緊迫感を肌で感じた。切れ長の琥珀の瞳は厳しい色を宿している。走り出したオーウェンに続き、ルネも共に走り出す。しかし通路を抜けた所で、侵入者を捕らえようと集まっていた衛兵が襲いかかってきた。
「オーウェン様、先へ!」
「しかし」
「お義兄さま、とっとと行って下さいな!」
アベルは剣を構え、ドロシーは赤い大弓を引く。オーウェンが迷ったのは一瞬で、ルネを案内役として共に一カ所に絞られた監禁場所を目指した。
しかしやっと辿り着いた部屋の前で、10人以上の王妃の騎士達が並んでいた。
「・・・・・・リガルド卿。私が敵を引きつけます。その隙に奥の扉へ」
「だめだ。君だけではこの人数は・・・・・・」
しかし次の瞬間、部屋の中からリ王妃の叫び声とリリアンヌの助けを呼ぶ声が耳に届いた。
「リガルド卿!頼みましたよ!」
ルネはレイピアを抜き、その身軽さを利用して騎士達を二分する。その隙にオーウェンは2、3人を切り伏せて奥の扉を蹴破った。
それを見届けてから、ルネはほっと息をついて騎士達に向き直る。扉を背にし、レイピアを構えた。
「お前達は、死んでもここを通さない!騎士としての恥を知れ!」
鬼気迫るルネの咆哮に一瞬騎士達はたじろいたが、すぐさま攻撃へと転じた。ルネは身体の傷を庇いながらも必死で戦った。呼吸が上がり、失血のために目の前がクラクラする。それでも、ルネは諦めず立ち向かった。しかしあと3人となったところで、手の力が抜けてきていたことを見透かされレイピアを弾き飛ばされた。しかし扉は守らなければならない。振り下ろされる剣。ルネは扉を守るように立ちはだかり、素手で剣を取り上げようと身を沈めた瞬間だった。
キン、と振り下ろされていた剣が音を立てて宙を舞う。
驚きのままに、はっと詰めていた息を吐き出した。
――誰?
ぼやけ始めていた目を見開き、見据えた先には。
「傷だらけの、ましてや剣も持ってない相手を斬るなんて……おまえら、騎士の風上にもおけないな」
息が上がって体中傷だらけの彼は、憎まれ口を叩いて騎士達を挑発する。激昂した騎士達は揃って彼に斬りかかった。
「遅い!」
怪我人とは思えぬ動きで剣を受けた彼は、続けざまに残っていた3人の騎士を切り伏せる。
動けぬ状態になったのを確認した後、彼――アベルはルネの所まで駆けてきた。
「大丈夫か、バシェレリー殿!」
「アベル・フィッシャー殿・・・・・・何故」
「遅れて旅隊が到着したんだ。ドロシー様が指揮を執っている。だから俺はこっちに・・・・・・って話は後だ。酷い傷だ」
アベルは慣れたように服の裾を引き裂き止血していく。ルネは力が抜け、壁に背を預けたまま動けなかった。
「私はいい、リガルド卿と姫様が中に・・・・・・」
「止血だけでもしないとお前が死んでしまうだろう!」
一喝されルネは目を丸くする。
「オーウェン様なら大丈夫だ。それよりもきっと、君を見捨てる方が叱られるさ」
自分も傷だらけのくせに、くしゃりと笑ったアベルは手早くルネの止血をしていく。
「よく頑張ったな。有り難う」
最後に、アベルはルネの頭をぽんぽん、と優しく撫でた。
「・・・・・・」
頭に感じる優しい温もり。ルネは夢見心地に微笑むと、そっと目を閉じ意識を失った。
それから目が覚めると、自分はいつの間にか医務室の寝台に寝かされていた。体中の包帯とガーゼに、ツンと香る消毒液や軟膏の臭い。怪我人の手当に追われたのだろう、くたびれた様子の医師に話を聞くと、ルネはリガルド国の騎士らしき人に運ばれてきたという。『酷く心配していたから知り合いかい?アベル、と名乗ったよ。彼がもう少し連れてくるのが遅かったら、君は失血死していたんだからよく礼を言っておきなさい』
それからこれ、と手渡されたのは白いペーストが入った小瓶だった。医師によると、とても効能の良い珍しい軟膏だという。ルネを運んできた騎士が、ルネに使って欲しいと渡されたそうだ。よく効くから、と伝言を残して。
男性から物を貰うなど初めてで、どうしたら良いのか分からなかった。大切に大切に使っているが、中身が減るにつれアベルとも距離が出来るようで寂しくなる。
「・・・・・・・っもうだめだ!寝る!」
鏡を見なくても顔が真っ赤になっているのが分かるくらい、火照りを感じる。寝る前に喉の渇きを潤そうと水差しに手を伸ばしたが、残念なことにそれは既に空だった。
「仕方ない・・・・・・厨房にもらいに行こう」
眠れなさそうだから、ホットミルクでも貰おうか。マントもタイも外し首元を緩めたラフな姿ではあったが、誰も見とがめはしないだろうとカーディガンのみを羽織り部屋を出る。
――しかしそんな時に、一番会いたくない人物と会ってしまうのが常というもので。
「・・・・・・あれ、バシェレリー殿?」
「えっ――」
ホットミルクを貰い、ほっこりとした気持ちで厨房を後にして、もうすぐ部屋に着くという頃だった。少し夜風に当たろうと、回廊まで遠回りしたのがいけなかったのだ。
「あっ、えっ・・・・・・アベル・フィッシャー殿!?」
背中から声を掛けられ振り向くと、そこには封書を手にしたアベルが居た。少し驚いたように目を丸くして近づいてくる。
「フルネームは呼びにくくないか?これから一緒に仕事をしていくんだし、アベルでいいよ」
「でも」
「・・・・・・だから俺も、君の事はルネ殿と呼んで良いか?バシェレリーって舌噛みそうなんだよ」
ほらまた噛みそうになった、と舌を出して渋い顔をするアベルを見て、思わず吹き出した。
「ははっ、確かに言いづらい!では、・・・・・・アベル殿、でよろしいか」
「ああ。よろししく、ルネ殿。・・・・・・ところで、こんな時間にそんな薄着でどうしたんだ?」
「あ・・・・・・これは、眠れなくてホットミルクをだな」
自分のあまりにラフな格好を見られたのが急激に恥ずかしくなり、言葉が尻つぼみになる。するとアベルは不思議そうに首を傾げた。
「ホットミルク・・・・・・」
その仕草にはっとする。男勝りな自分が、ホットミルクのような女らしい飲み物は似合わないと思われたのだろうか。
「にっ、似合わないのは分かっている!ただ、眠れないから・・・・・・!」
「え?いや、似合わないなんて思ってないけど」
心底不思議そうに返答したアベルに今度はルネが目を見開いた。
「俺、姉が一人と年の離れた妹が一人いるんだ。どっちも寝る前はホットミルク飲んでてさ。女性は寝る前にホットミルクを飲むことが多いよな、と思っただけだ。ドロシー様も、眠れない時何故かオーウェン様の執務室に突撃されるから・・・・・・紅茶じゃなくてホットミルクを出せばすんなり帰って頂けるんだろうか」
「はあ・・・・・・」
ドロシー・リガルド。豊かな燃えるような赤い髪を持ち、凛とした強く美しい女性だった。彼の口から彼女の名が出ると胸がちくりとする。
「・・・・・・紅茶を寝る前に飲むのはあまり勧めない。ホットミルクに蜂蜜を混ぜると女性は好む」
「そうなのか!ありがとう」
屈託なく笑う彼につられてルネも小さく微笑む。するとアベルは一瞬動きを止めた。
「・・・・・・アベル殿、どうかしたか?」
「えっ、いや!何でも無い!・・・・・・あ、俺はこれをオーウェン様の所に持って行くから。ルネ殿は?」
「私はすぐそこの宿舎に帰る」
指を差した扉は目と鼻の先だった。
「そうか。こんな時間に女性の一人歩きは危険だから、気をつけて」
「っ・・・・・・そういうことは、かよわい女性に言うべきだ」
「?君も女性じゃないか」
「そうだが!私は・・・・・・」
男っぽくて、同じ戦う者でもドロシーのような美しさも女らしさもない。まして、かよわくもない。
「君は強いけれど、無理をしすぎるから危なっかしくて心配になる」
「え」
「軟膏、無くなったら言ってくれ。新しいのがあるから」
じゃ、と手を振ったアベルはそのまま踵を返す。足早に去っていく彼の後ろ姿を呆然と見送った。
「・・・・・・っ」
顔どころではなく、全身が沸騰するように熱い。
「もっと眠れなくなったじゃないか・・・・・・」
手元には、もうほとんど冷めてしまったミルク。乳白色のそれを見つめながら、眠れない夜が続きそうな予感がした。
――どたどたどたどたっ
「?」
「まぁ、騒々しいですわね」
オーウェンが仕事に勤しむイシュトシュタイン城貴賓館の一室。義妹ドロシーとともに本国での仕事について話をしていたところに、突如扉の向こうからすさまじい音が聞こえてきた。ドロシーが呆れたように肩をすくめた次の瞬間、大きな音を立てて扉が開かれた。
「もももっ戻りましたぁ!」
「……どうしたんだ、アベル」
「お義兄様の副官なんですから、もう少し落ち着きというものをを身につけてくださいな」
血相を変えて騒々しく戻ってきた副官にオーウェンは首をかしげる。その隣ではドロシーが冷たい目で一瞥してきた。
「なななっ何でもないんです!変なことなんて考えてませんから!これ、資料です!」
顔を真っ赤にさせて封書を差し出してくるアベル。奇妙な様子を不思議に思いながら、ふと思い出したことを口にする。
「そういえば、ルネ・バシェレリー殿とは……」
「え!?なんですか!?ルネ殿とは何もありませんよ!?」
「何もないはないだろう。リガルドへの行程で不備がないよう彼女と警備の打ち合わせをする話があっただろう」
「……そう、でした」
どこかほっとしたような表情をするアベル。その様子にドロシーは何かピンと来たのか、にんまりと口角を上げ瞳が怪しく光り弧を描いた。
「なんですの、アベル。ルネさまのこと、お名前で呼ぶ仲になったんですの?」
「えっ!?いや、それはこの先仕事をしていく上でバシェレリーは読みにくいからですね」
「ふふ、そういうことにしておいて差し上げますわ」
――この人には何もかも見透かされている気がする。
ああ面白い、と目で語るドロシーにアベルは辟易とした思いでため息をついた。
「では、まだ他の資料の収集が残っておりますので失礼します」
「ああ、頼む」
「この件はまた追々ゆっくりと」
いつも通り送り出すオーウェンの隣にニヒルな笑みを浮かべた魔女が見えるのはきっと自分だけではない。
逃げるようにオーウェンの執務室を後にし扉を閉めると、アベルはその場に座り込んだ。
「・・・・・・だって、反側だろ。あれは」
凛として剣を握る女騎士。どんなに辛くても崩すことのなかった氷の表情を、一瞬で。自分に向けられた満面の笑み。
それは冬の寒さを堪え忍んだ花が、恥じらいながらも花開くような初々しさも伴っていて。
「だーっ!今日は寝れん!」
頭を掻きむしるアベルが自分の気持ちを自覚するのは、もう少し先のお話。
お待たせしました。番外編②ルネとアベルの小話でした。二人はゆっくりゆっくり、恋を知って欲しいなと思う著者でした(^^)