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アメリアの恋人探し  作者: 未羊


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第25話 豪華な部屋に通されて

「まぁ、ものすごく豪華なお部屋。いいのですか、このような部屋で過ごしてよいのでしょうか」


 部屋に通されたアメリアはものすごく感動しているようだ。さすがはお城の中。それも王族の部屋と近い位置にある部屋である。

 このような部屋に通されたということは、信用されているということなのだ。VIP待遇なのである。


「はい、こちらの部屋をお使いください。陛下の許可もいただいております」


 部屋に連れてきたメイドはそのように答えている。それと同時に国王にも視線を向けている。


「呪具を一発でここまできれいに浄化したのだ。相当の実力の持ち主であるのは間違いない。このくらいの待遇は当然であろう」


 メイドから視線を向けられた国王はアメリアに対して説明を加えている。つまり、この部屋は国王の指示で用意されたものなのだ。


「それはなんとおそれ多いことなのでしょうか。私、きちんと役目を果たして応えたいと存じます」


 国王からの期待を向けられて、アメリアは精一杯に頭を下げて返事をしている。

 なにせ前世でも経験したことのないような待遇なのだ。ここまでされては、アメリアも気合いが入るというものである。

 その様子を見ていた国王は、兵士に命じて部屋の一角に用意したテーブルの上に、浄化された呪具を置かせる。


「それでは、それのことをひと月ほど頼むぞ」


 国王はアメリアに伝えると部屋を出ていこうとする。

 が、ぴたりと足を止めてアメリアの方へと振り返る。


「そうだ。何か伝えたいことがあれば、そこのメイドを通じて伝えてくれ。あと、こちらからの呼び出しがあるやもしれぬゆえに、そのつもりでいてくれ。では」


「はい、承知致しました」


 用件を終えた国王は、グイードに声をかけて自分と一緒に部屋から出ていった。

 残ったのはアメリアとメイドのみである。

 それにしても、ほとんど何も説明がない状態なので、アメリアはどうしていいのか固まっている。


「初めまして。私はアメリア様の身辺のお世話を仰せつかりましたモネと申します。分からないことがございましたら、私に何でもお申し付けください」


「モネさんですね。分かりました。これからひと月の間、よろしくお願い致します」


 軽くアメリアに頭を下げて挨拶をしているモネ。アメリアも挨拶をされたので、きちんと返している。

 モネは顔にそばかすがあり、少し赤みの強い髪の毛をポニーテールにしている。おさげだったら、どこかの有名な少女っぽく見える。

 お城のこんな奥で働いていることもあってか、年齢は最低でも20歳くらいの印象を受ける。


「それでは、モネさん。早速、お話をお伺いしてもよろしいでしょうか」


「はい、何なりと」


 アメリアはちょっと困った表情を浮かべながら、モネに声をかけている。モネはメイドなので、声をかけられればきちんと反応している。


「この部屋の取り扱いの注意点がございましたら、お伺いをしておこうと思います。なにぶん、田舎の出身なものですので、こういう場所の過ごし方がよく分からないのです。何か粗相をしてはいけないかと思いますので、ひと通り、説明をしていただきたいのです」


 アメリアが正直に話すと、モネは呆気にとられた顔をしている。

 そう、アメリアは田舎の育ちすぎて、このような場所で過ごしたことがないのだ。ルールもマナーも前世の知識頼りなのである。

 そこで、せっかくあてがわれたメイドなので、その人に話を聞いてみようというわけなのである。


「……承知致しました。そうですね。お過ごしいただくためには、部屋の中の説明をしておいた方がいいでしょうからね。それでは、説明いたしますね」


「申し訳ございません」


 どことなく面倒くさそうな顔をしているものの、モネはアメリアに対して部屋の中の説明を始めていく。

 その時、アメリアはモネからの視線に、何か嫌悪感のようなものを感じていた。ただ、この時はそれがどのような感情から来るものかはよく分からなかった。田舎の出身だということを話したので、それに対する感情だと、ひとまず理解をすることにした。


「それでは、私は隣の部屋におりますので、なにかありましたら、そちらのベルでお知らせください」


「はい、ありがとうございます」


 説明を終えると、モネはさっさと部屋を出ていってしまった。

 そうなると、アメリアはようやく部屋の中に一人となる。

 そうなれば、ベッドに横になる、椅子に座ってだらけるなどの行動に出るところだ。しかし、アメリアはそれよりも先に、部屋の片隅に置かれた呪具だったもののところへと向かう。

 無造作にテーブルの上に置かれており、国王たちがあんまりかかわりたがっていないことがよく分かる扱いである。

 アメリアがじっと覗き込むと、その呪具だったものは、見れば見るほどスマートフォンのようにしか見えない。薄くて長方形をしているので、それしか思い浮かばないのだ。


(触ってみたいところですね。もし動いたとするならば、どのようなことができるのでしょうか)


 アメリアは触りたくてうずうずしている。


(ちょっとだけなら大丈夫ですよね。ええ、ちょっとだけです)


 結局、興味の方が勝り、アメリアは思わずスマートフォンのようなものに、手を伸ばしてしまったのだった。

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