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街の暴れ者

様々な屋台が並ぶ広場を見て回る。見たことがない物ばかりで食べてみたいのに食べられないのは、とてもツラい。金が手に入ったら食べてみたい物も見繕ったし。日も暮れてきたし、そろそろミーオ達の拠点に戻ることにしよう。


「おいおいおいおいー!こりゃ、おかしいだろー!なあ、そうだよな!おいー!」

「ですね、アニキ!さっきの客の方が多かったっすよね。おい、店主!どういうことだ」

「お、お客さん。そんなことはないですよ」

「そんなことあるから、言ってんだよ!おいー!」


 広場から立ち去ろうとしたとき、不快なガミ声が耳に入ってきた。


「おい。イトバのやつ、またやってるぞ」

「この前は、頑固じじいの店がめちゃくちゃにされたってよ」

「最近は、あいつらのせいでこの時間帯になると女店主達は店を畳んじまうしな」

「あぁ、ミウちゃん」

「ん?お前、ミウちゃん知ってんのか?」

「当たり前だろ。おれの彼女になる女だからな」

「はあ?ミウちゃんは、おれの女だぞ!」


 どうやら、屋台で大声をあげているヒューマの大男はイトバと言うらしい。周りにいる小さき者達は、大声を出すイトバに対して嫌悪感を示している。たしかに、あの不快な声を何度も浴びせられると不快な気持ちにもなる。ただ、小さき者達はイトバの声を抑える素振りがないので、ヒュームの街ではこういった光景は日常なのだろう。このまま、不快な声を聞くのも耐え難いので広場から立ち去らせてもらおうと足を進めた。


「あ!アニキ、あれ!あいつ見てくださいよ」

「あ゛あ゛!?おれは今、忙しんだよ!」

「ほら!大森林にいたやつですよ!」

「ん?ほおー。やっぱりスプマンにいたのか。がはははは!こりゃ良い!ツキが回ってきたぞ。おい、店主!気分が良くなったから、このぐらいにしてやる。次はねえからな!」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 ミーオたちの拠点に戻るとポシュカにミーオ、そしてリリとララが夕食の支度をしていた。とは言っても、昼にミーオと買った屋台の食事がほとんどだ。


「おかえりなさい。アイルさん。」

「「おかえり〜」」

『えっと、はい。戻ってきました。』

「アイル、ここ」


 ミーオに促されて、空いている椅子に座る。夕食の支度が終わったのだろうか、各々が席に座り食事を取り始めた。


「あの、アイルさん。薬草の採集についてなのですが」

『ああ。ポシュカとミーオを運ぶ方法ですが土魔法で容器を作って、その容器に乗ってもらおうと思います』

「え、ええ。そ、そうですか」

『容器は頑丈に作りますし、手を離さなければ大丈夫ですよ』

「え。手で運ぶんですか?」

『そのつもりですよ』

「あの、よろしければ容器を作るとき同行させてくれますか?三人いたら、他にも良いアイディアが浮かぶかもしれませんし」

『はい!では明日、作りに街の外に行きましょうか』

「三人。ミーオも勝手に含まれてる」


 うん。この茶色と黄色の混ざった少しだけとろみのあるスープ。強烈な匂いが嗅覚を刺激する。口に含むとピリッとした辛さが舌をなでる。これは、やみつきになる。このスープもナバ王国から仕入れた香辛料を使っているらしい。ナバ王国、是非とも行ってみたい。


「アイルさん。明日は、冒険者ギルドに冒険者証を受け取りにも行かなければですね」

『では、冒険者ギルドに寄ってから街の外に行きましょうか』

「そうしましょう。あとは、アイルさんにはこの拠点の空いてる部屋を使っていただくのですが、使っていない部屋なのでマットなどが足りなくて。容器の制作が終わったら、街中で生活用品を揃えませんか?」

『是非!ありがとうございます。色々と疎いので、同行していただけたら助かります』

「ポシュカ。大森林には、いつ行く?」

「そうねぇ。明日、容器とか運送方法が決まって制作できたら、食事とか武器の手入れとかして。

明後日の朝に出発にしましょうか。アイルさん、いかがですか?」

『私は、いつでも大丈夫ですよ』

「ありがとうございます。では、明日制作完了できるように頑張りましょう。あ!アイルさんの部屋の支度をしてきますね」


 そういうとポシュカは食器を持って立ち上がり、部屋を出て行った。双子は相変わらず、私の翼やら尻尾やら気になるのかチラチラ・ジーっという視線を感じる。


『ミーオ。ミーオ達のリーダーは体調は大丈夫なのか?』

「ん。薬である程度は治まってるみたい。熱はまだ下がっていないらしい」

 『そうなのか』


 もしかしたら魔法で治るかもしれないが、魔法で治るなら既に試しているだろう。なんて魔法だっただろうか。昔、祭壇にあった魔法書の一冊に変わった魔法ばかりが載っていたな。アンチなんちゃらだった気がする。病や毒になったことがないので、使ったことはないんだが魔法書の中身を見たところ問題ない物だった覚えがある。


 【収納】を発動して、宙に現れた黒い空間に手を入れる。あったあった。確かこの本だ。厚めの茶色い表示に書かれた文字は、とうの昔に掠れてしまって読めない。


『ミーオ。この魔法書、あとでポシュカに渡してもらえるか?』

「いいけど、何の魔法書?」


 ミーオが魔法書を見つめて首を傾げた。


『確か、解熱とか一時痛覚無効とか色々な魔法が書きいてあったと思う』



夏風邪をこじらせてしまい、体調不良の為

次話の更新遅らせていただきます。

申し訳ありません。8/17

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