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ギルドの役目

「元は冒険者だったんだがな。引退したあとギルドに誘われて、働いてたら気づいたらギルド長になってた」


 ハッハッハッハッ!と耳を動かしながら豪快に笑う。笑うたびにパタパタ動く耳が気になる。


『えーと。アイル、です』

「ふむ。ドラゴニュートのハーフか何かか?ちなみにさっきから耳が気になってるようだが、おれは象人族だ!この耳が特徴的でな!見るのは初めてか?」


 冒険者ギルドのギルド長ガンガの種族は、象人族と言うらしい。顔の横にパタパタと動く大きな耳の他にもツンとした鼻や牙がある。


「ギルド長、そんな事よりも相談したい事がありまして」

「まあまあ、お前らの状況はわかってる。そんな事、なんて言うなよ。話ならローラから聞いたぞ。そこの新人をカエルム大森林の調査に、連れていきたいってな」


 ポシュカの話は、既にガンガに伝わっているようだ。


「いま、薬草も商業ギルドや薬師ギルド含めて手配中だ。お前らが、ノエルを心配しているのはわかるが、急ぐだけが良いってもんじゃない。容態は急を要するわけじゃないし、毒の種類も必要な薬草もわかってるんだ」

「それは、そうですが」


 ガンガは先程までの雰囲気から一変し、真面目な顔でポシュカとミーオを見て答えた。


「今回の一件は、イレギュラーだ。森の西側は、何か異変があると言っていい。だからこそ、深い場所への立ち入りは、お前たちのような高ランクのパーティーにお願いして調査している。お前達の受け持っているエリアも、他のパーティーにお願いすれば良い。例えそこの新人が有能だと言っても、今日登録したばかりの情報の少ない新人を連れて行かせるわけにはいかない」

「それは、実力を示せれば良いのですか?」

「ポシュカ。いつも冷静なお前らしくないな。実力は当然だが、信頼度も重要だと言っているんだ。たとえ手合わせなどで実力がわかったとしても、それで信頼度があがるわけじゃない」


 ガンガにそう言われ、ポシュカは頭を下げた。私も知り合ったばかりのポシュカとミーオが、こんな親切にしてくれるのが不思議でしょうがない。ガンガとしても、急に現れた者を信じろと言われても無理だろう。

 ミーオも視線を下げ、静寂が辺りを包む。どうして良いのかわからず、目をキョロキョロ動かしている私は、なんか場違いというか、ここにいて良いのか?


 

「まあ、なんだ。ミーオもポシュカも依頼については問題無いから気にするな。薬草についても手配中だ。それとアイル、お前さんを悪く言ってるつもりはないんだ。ただな、ルールはルールだ。ランクの低い者を特例として、冒険者ギルドの出した高ランク冒険者用の依頼に同行させるわけにはいなかくてな。お前さんは良くても特例を作って他の新人を危険に晒すわけにはいかない。冒険者を守るのも冒険者ギルドの役目だ。そんじゃ、話は終わりだ」


 そう言うとガンガは、立ち上がり部屋を出ていった。


「すみません。アイルさん。実力を示せれば、私たちとの同行なら許可されると思っていたのですが」

『いえいえ!こちらこそ色々としてもらっているのに、力になれなくてすみません。それよりも何の薬草をさがしているんですか?』

「ん。ノエルが魔物の毒にやられた」

『魔物の毒?』

「ええ。先程の話でも出てきました大森林西側の調査依頼をしていたのですが、調査対象の魔物の毒にやられてしまいまして」


 ポシュカ達から詳しい話を聞くと、カエルム大森林の西側に普通は生息していないインヴィジブルウルフという魔物がいたらしい。しかも、その魔物は毒を持たないはずだが牙や爪に毒を持っていて、討伐はしたが戦闘の際にリーダーのノエルが負傷してしまったということだ。


「持ち帰ったインヴィジブルウルフの牙と爪からフィブスコーピオンの毒と同じ物だとわかったのですが、その毒に効く薬草はここら辺だと神体山の渓谷に行かなければ取れなくて」


 毒を持たない魔物が毒を持っていたというのは気になるが、それは一旦置いておこう。渓谷に狙いの薬草が生えているなら、取りに行けば良いだろう。


「渓谷までの護衛は私達でできますが、崖に生えている薬草の採取をアイルさんにお願いできればと思っていたのです」

『それなら、すぐ取りに行きましょうか』

「いや、でも冒険者ギルドからは許可が貰えないので」

『冒険者ギルドの一員としてではなく、個人として森に入るのはダメですか?』

「え?」

『私も先ほどまで森にいたわけですし、森に勝手に入るのに許可は必要なのかなーと思いまして。ガンガさんは高ランクの依頼に同行はダメだといっていました。それにミーオには色々と助けられていますから』

「ミーオさすが」


 ミーオは、既に気を取り直したらしく。自分で自分を褒め、耳をピクピクしながら胸を張っていた。


「えっと。アイルさんは、良いのですか?」

『ええ。拠点の部屋を貸してもらえると言う話でしたし。それに、渓谷までですよね。飛べばすぐですよ。ただ、どれが薬草なのかはわからないので採取するときは、誰かに判断してしてもらわなければならないのですが』

「神体山の渓谷までですよ?飛べばすぐ、ですか?」

『ええ。ゆっくり行って二日か三日で帰って来れると思いますよ』


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