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フォレストタイガーの討伐

「アイル様は森人など古い言い回しを使うのですね。」


 私は今、森の中で数名の森人を連れて歩いている。

問い掛けて来たのはメイサーだ。彼女は意外にも村では片手に収まるくらいの実力者だそうだ。

やはり似た者姉弟だと思う。


『森人と呼ばれていたと記憶していたのですが、違いましたか?』


 むかし読んだ書物で、メイサー達のような耳の先が尖った森に住む者のことをそう記してあった。


「いえいえ!確かにわたしが生まれる前は森人と呼ばれていた時もあったそうですが、エルフ、ダークエルフ、ピクシー、ドライアドなど森に住まう種族を纏めて森人と呼んでいたそうで。ピクシーやドライアドは存在が精霊に近いと言い、人種に属するのを毛嫌いするので今は森人という言葉を使う人は少ないのですよ。このカエルム大森林には、ドライアドもピクシーもおりますからね。会った時は気をつけた方がよろしいかと。」

『そうなのですか。悪戯好きがピクシーでしたっけ?』

「ピクシーは恥ずかしがり屋で気質が高いです。人と一緒にされると、その報復に悪戯をするのです。悪戯はタチの悪いものもあるそうですよ。」

『ますます気をつけなければいけないですね。』


 今まで気にしていなかったが、今後この姿で小さき物達と関わるのならば種族の名前や特徴を覚えておく必要がありそうだ。

 フォレストタイガーの群れに向かう道中、メイサーとアイサーにこの大陸に住む種族について教えてもらった。余談だが昨日の宴で出てきたドワーフは種族名だったらしい。


『そろそろかな?』

「そのようですね。」


 答えてくれたのは索敵や諜報を得意とするエルフだ。彼の索敵にも確認出来たようだ。


『それでは皆さんは、木の上で待機していてください。もし討ち漏らしがこちらに向かってきた場合は弓や魔法での足止めをお願いします。』

「アイル殿、どうかお気をつけて。」


 エルフ達は戦士長のアイサーを先頭に、その場から少し離れそれぞれ巨木の枝に飛び移り配置についた。


『さてと、さっさと虎っ子達を狩って酒をもらうか。』


 アイルは翼を広げて、魔法を発動し空へと飛び上がった。


『森を焼くわけにもいかないし。皮のなめしとやらも、もう一度見たいから出来るだけ皮は傷つけたくないな。』


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「アイサー、アイル殿は大丈夫でしょうか。弓や魔法で加勢した方が。」

「姉上、昨日のフォレストタイガーと戦いでは、アイル殿が何をしたのか全くわかりませんでした。それはフォレストタイガーもでしょう。アイル殿の実力ですと、逆に我々の方が足手纏いやもしれません。」


 アイル殿の昨日の技は、あえてフォレストタイガーには当てないようにしていたが、今回は討伐する気でいるのだ。私も含め範囲攻撃の邪魔になったり、アイル殿の動きを阻害しかねない。


 エルフ達の視線の先ではアイルが翼を広げ、宙に浮き始めた。アイルが徐々に上へと移動すると突如として姿が見えなくなった。


「アイサー様!アイル殿が!」


 部下から声がかかったが、私も何が起きたのかわからない。


「私にも分からなかった。」


 部下にはそう返すしかなかった。

そう告げた時、上空から膨大な魔力が発生した。風の精霊と水の精霊が、その魔力に戯れるように群がっていく。

 この森にこんな数の精霊がいたのか。莫大な数の精霊が上空を飛び回り、魔力の中心部を見ることができない。精霊が戯れているのだ、おそらく邪悪なものではない。アイル殿であるのならば良いが、エルフの精霊視が煩わしいと始めて思った。


「アイサー、あれは、、、、」

「おそらくアイル殿でしょう。そうであれば良いというか希望ですが。」


 精霊視は巫女である姉のほうが敏感であり、彼女の目は自分以上に凄まじい光を感じ取っているのだろう。


 次の瞬間、魔力の中心部から地面に向け一線の青い光が走り、地面から天へ登るような氷の柱が立ち上がった。氷の柱は一瞬で崩れ空気中に霧散する。遅れて辺りの森に冷たい風が吹き、風に乗るように風の精霊や水の精霊が通り抜けていった。



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