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各地の神

「アイル様は神々の事をご存知ではないのですか。ドラゴニュートの方々は天空の神を絶対的に崇め、目指していると思ったのですが。」

『すみません。世俗に疎くて。』


 疎いも何も、何百年も交信を絶っていたのだから。

 それにしても絶対的に崇めているなんて、天空の神はドラゴニュートに相当な加護でも与えているのだろうか。


「この世界には4柱の神が現存しています。この神々は加護を与える神とは別の存在だと言われております。」

『別の存在ですか?』

「ええ。わたしも森の神より聞いた話なので実際には確認できておりませんし、他の種族の方がどのように捉えているのかまではわかりませんが。この4柱の神々は、天空の神・森の神・大地の神・極海の神と呼ばれているそうです。」


 いやいや。少しどころではなく嫌な予感しかしない。これが頭が痛くなるということか、あのワンコロめ。


「わたしたちエルフは森の神である神獣フェンリル様を崇めております。そして、恵の元となる神体山の周辺に住まう種族は山頂に住まうと言われている天空の神、神龍ドラゴン様も崇めております。大地の神はどこかの砂漠やら氷の大地やら、極海の神も極寒の海やら海の深い場所におられるなど森の神も正確な場所は把握できていないみたいですが。」

『あ、ああ、そうなのですね。ちなみに森の神はどのくらいの数がいるのですか?』

「森の神と名乗れるのはフェンリル様の中でも最古の1柱のみです。眷属の方々は数頭おりますが、正確な数となると森の神に伺った方がよろしいかと。今回も数頭の眷属様を引き連れて、この村へ訪れてくださいます。」

『そ、そうですか。この村にフェンリルが数頭。』


 あいつめ、なにを勝手に4つの民を神などとしているんだ。しかも近々この村に来るなんて。文句は言いたいが、出会いたくはない。ましてや天空の神だとバレて森人達に恐れられるなど、昔の二の舞だ。


 ああ、気が重い。楽しい宴が急にどん底だ。

フェンリルに会いたくはないが、すぐに村から離れて森人達がフォレストタイガーに襲われるのもな。せっかく助けたというのに。それにこの美味い酒はまた味わいたい。


「アイル様、どうかされましたか?」

『い、いえ!フォレストタイガーの群れについて考えていまして。その、森人の皆さんでは対処が難しいのでしょうか。』

「今、この村にいる最も強い戦士はアイサーなのですが、アイサーも群れのリーダーを相手するので精一杯との事でして恐らく大きな被害が。村を出て冒険者をしている者もおりますが、その者達を呼ぶとなると時間がかかってしまい。」

『そうですか。』

「もちろん我々も戦いに参加しますが、アイル様にご助力いただければ。」


 あの時アイサーも虎っ子に苦戦していたようだし、そうなると私が群れを討伐して早々に村から離れるのが一番のようだ。


『わかりました。フォレストタイガーの群れの討伐、請け負いましょう。危険は無い方が良いので、明日の朝一にでも取り掛かります!』

「アイル様!ありがとうございます!」

『ただし!被害は出したくないので森人の皆さんは、極力戦闘は行わず索敵や万が一の討ち漏らしに控えていてください。』

「アイル様。それはいくらなんでも危険では。」

『サークラ様、これは討伐する条件です。』


「かしこまりました。よろしくお願いします。」


 しばらくの沈黙の後、承諾の返事が来た。


 なんとかなった。索敵など森人にお願いしなくとも魔法で見つけられるが、なるべく森人にも役割を担ってもらった方が良いだろう。

 あとは報酬にたくさんの酒と珍しい果物をもらって異空間に入れることにしよう。ふふふ、明日が楽しみでしょうがない。

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