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着ぐるみモンスター Another  作者: 内田紀人
セミスピーカー編 2

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第4話「決定的な証拠?」

着ぐるみモンスター


Another Story


「もし、ぬらりひょんが口を滑らせたら」


第4話「決定的な証拠?」


内田紀人 作


※この物語は、本編とは異なる世界線の物語です。


数日後。


児童館では。


ボランティアのおじいちゃんが、子どもたちに妖怪の昔話をしていた。


もちろん。


則人は最前列。


膝の上には。


あの小さなノートが置かれている。


「昔の人はね」


おじいちゃんが、ゆっくりと話し始める。


「妖怪を、ただ怖いものとして考えていたわけじゃないんだよ」


「怖くないの?」


一人の子が聞いた。


「怖い妖怪もいるよ。でもね」


おじいちゃんは笑う。


「人のすぐそばにいる、不思議な存在として考えられていた妖怪もたくさんいるんだ」


「すぐそば?」


「そう」


おじいちゃんが頷く。


「見えないからって、いないとは限らないからね」


「…………」


則人の耳が。


ぴくっと動いた。


「見えないからって……」


小さく繰り返す。


「いないとは限らない……」


すぐにノートを開いた。


さらさら。


『みえないからって、いないとはかぎらない』


書き終える。


そして。


その横に。


ぐるぐるぐる。


大きな丸をつけた。


「よし!」


「何がよしなの?」


おじいちゃんが聞く。


「なんでもない!」


「また調査?」


「…………」


則人が止まる。


「今のなし!」


「やっぱり調査なんだね」


「ひみつ!」


おじいちゃんは楽しそうに笑った。


「そうか、そうか」


「絶対言わないでね!」


「誰に?」


「…………」


則人がまた止まる。


「それもひみつ!」


「秘密だらけだねえ」


おじいちゃんは。


それ以上は聞かなかった。


則人はノートを見る。


お茶が好き。


濃いお茶が好き。


妖怪に詳しい。


言うことも似ている。


そして。


『見えないからって、いないとは限らない』


「…………」


則人の目が。


だんだん輝いていく。


これは。


かなり大きな証拠かもしれない。



夕方。


ぬらりひょんが現れるなり。


則人は駆け寄った。


「質問!」


「またか」


ぬらりひょんが、露骨に嫌そうな顔をする。


「今日は大事な質問だから!」


「毎回そう言っとらんか?」


「今日はもっと大事!」


「嫌な予感しかしないのう」


則人はノートを後ろに隠した。


そして。


できるだけ何でもないことのように聞く。


「ねえ、ぬらりひょん」


「なんじゃ」


「妖怪ってさ」


「うむ」


「見えないからって、いないとは限らないよね?」


「当然じゃ」


「やっぱり!」


則人が勢いよくノートを開く。


「…………」


ぬらりひょんの顔が引きつった。


「何がじゃ」


「おじいちゃんも今日、まったく同じこと言った!」


「…………」


「今、止まった!」


「止まっておらん!」


「止まったよ!」


「お前は人の顔を観察しすぎじゃ!」


則人は気にせず。


ノートを開いて指を折り始める。


「お茶が好き」


「そんな老人は多い」


「濃いお茶が好き」


「好みが同じだけじゃ」


「妖怪に詳しい」


「わしは妖怪じゃ」


「言うことも似てる」


「偶然じゃ」


「それに」


則人が顔を上げる。


「最初に『あの爺さん』って言った」


「…………」


ぬらりひょんが黙る。


「ほら!」


「何がじゃ!」


「また止まった!」


「考え事くらいするわ!」


「何考えてたの?」


「…………」


ぬらりひょんが顔をそらす。


「もう忘れろ」


「それ!」


「なんじゃ!」


「それ、一番怪しい言い方だよ!」


「面倒くさい小僧じゃのう!」


則人は。


さらに一歩近づいた。


「ねえ」


「なんじゃ」


「ほんとは」


少しだけ声を落とす。


「おじいちゃんのこと、知ってるんでしょ?」


「知らん」


「ほんとに?」


「ほんとじゃ」


「一回も会ったことない?」


「…………」


ぬらりひょんが。


一瞬。


黙った。


「…………」


則人も黙る。


そして。


目を見開いた。


「今のは長かった!」


「何がじゃ!」


「いつもより長かった!」


「時間を計るでない!」


「絶対なんか考えた!」


「考えとらん!」


「じゃあ、すぐ答えられたじゃん!」


「どうやったらお前が諦めるかを考えておったんじゃ!」


「じゃあ、やっぱり何かある!」


「なぜそうなる!」


則人は。


興奮した様子でノートを開く。


さらさらさら。


「何を書いとる!」


「今の!」


「今の何じゃ!」


「答えるまでに時間がかかった!」


「それを証拠にするな!」


「大事な証拠だよ!」


「どこがじゃ!」


則人はノートを閉じた。


そして。


何かを決意したように頷く。


「よし」


「今度は何じゃ」


「決めた!」


「嫌な予感しかせん」


「明日」


則人が。


びしっと指を立てる。


「確かめる!」


「何を」


「おじいちゃんと、ぬらりひょんに」


一拍。


「本当に関係があるのか!」


「やめんか!」


即答だった。


則人の目が、さらに輝く。


「ほら!」


「何がじゃ!」


「今、すぐ止めた!」


「止めるに決まっとるじゃろう!」


「なんで?」


「人を勝手に調べるなと何度言えば分かる!」


「ここまで調べたんだから、最後までやる!」


「人の話を最後まで聞けとは教わらなかったのか!」


「聞いてるよ!」


「なら『やめろ』も聞け!」


「それは別!」


「別ではない!」


則人はノートを抱えて。


走り出した。


「じゃあ明日!」


「待て!」


「決定的な証拠、見つけるからねー!」


「見つけんでよい!」


「絶対見つける!」


「やめんかー!」


則人の姿が。


遠ざかっていく。



一人残されたぬらりひょんは。


しばらく黙っていた。


「…………」


やがて。


深い。


深いため息。


「まったく……」


則人が走っていった方を見る。


「どこまで調べる気じゃ、あの小僧は」


そう呟いて。


ぬらりひょんは。


ほんの少しだけ。


困ったように目を細めた。


――つづく

本作品を含む、凛監修×生成AI合作作品は、同じ世界観の中でつながるシリーズ作品です。

それぞれ単独でもお楽しみいただけますが、同じ出来事が別作品では異なる視点から描かれたり、一方で起きた出来事が、もう一方の物語へつながったりすることがあります。

一つの作品だけでも楽しめる。

けれど、複数の作品を読むことで、初めて見えてくるものもある。

ぜひ、それぞれの物語をあわせてお楽しみください。

【人間×生成AIによる合作作品】

企画・原案・設定・ストーリー構成:時根脱才

文章制作・構成補助:ChatGPT(OpenAI)

本作品の世界観、キャラクター、各エピソードの原案・展開は作者が制作し、それをもとにAIと相談・推敲を重ねながら、小説として文章化しています。

本作品は「小説家になろう」「カクヨム」の両サイトに掲載しています。

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