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着ぐるみモンスター Another  作者: 内田紀人
セミスピーカー編 2

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7/20

第2話「共通点を探せ!」

着ぐるみモンスター


Another Story


「もし、ぬらりひょんが口を滑らせたら」


第2話「共通点を探せ!」


内田紀人 作


※この物語は、本編とは異なる世界線の物語です。


次の日。


児童館に着いた則人は。


さっそく、ボランティアのおじいちゃんを観察していた。


じーっ。


「……則人くん」


「なに?」


「さっきから、ずっと見てない?」


「見てないよ」


「見てると思うけどなあ」


則人は慌てて顔をそらした。


「気のせい!」


「そうかなあ」


おじいちゃんは苦笑する。


少しすると。


また。


じーっ。


「やっぱり見てるよね?」


「見てない!」


「さっきより見てる気がするけど」


「気のせい!」


「便利な言葉だね、それ」


「うん!」


「褒めてないよ」


おじいちゃんは笑いながら。


手元の湯のみを持ち上げた。


そして。


お茶を一口。


「あっ」


則人の目が光る。


すぐに、小さなノートを取り出した。


さらさら。


『おちゃがすき』


「…………」


おじいちゃんがノートを見る。


「何を書いてるの?」


「ひみつ!」


「最近、ひみつが多いなあ」


「これは大事な調査なの!」


「調査?」


「…………」


則人が止まった。


「今、言った?」


「言ったね」


「忘れて!」


「難しいなあ」


「じゃあ、ひみつ!」


「分かった、分かった」


おじいちゃんは楽しそうに笑っている。


則人はノートを胸に抱えた。


昨日。


ぬらりひょんが口にした言葉。


『あの爺さん』


知らない相手なら。


そんな言い方をするだろうか。


則人には。


どうしても気になって仕方がなかった。


だから今日は。


二人の共通点を探す。


それが則人の。


大事な調査だった。



しばらくすると。


おじいちゃんの周りに、何人かの子どもたちが集まり始めた。


「今日は何の話?」


「妖怪!」


「怖いやつ?」


「今日は、そんなに怖くない話かな」


則人も。


すぐに最前列へ座る。


もちろん。


調査のため。


……だけではない。


妖怪の話は普通に聞きたい。


おじいちゃんが話し始めた。


「昔の人はね」


「うん」


「今よりずっと、見えないものを身近に感じていたんだよ」


「見えないもの?」


「そう」


おじいちゃんが穏やかに笑う。


「何か変なことが起きた時に」


「うん」


「ただ『分からない』で終わらせるんじゃなくて」


「うんうん」


「そこに名前をつけたり、姿を想像したりした」


「それが妖怪?」


「そうだね」


則人の目が輝く。


「怖い妖怪もいる?」


「いるよ」


「変なのも?」


「たくさんいる」


「たらい小僧も?」


「もちろん」


「あれ、ほんとにたらい持ってるよ!」


「…………」


おじいちゃんが少しだけ止まった。


「則人くん」


「なに?」


「会ったことあるみたいな言い方だね」


「あるよ!」


「…………」


今度は。


おじいちゃんが、少し困った顔をした。


「そうなんだ」


「うん!」


「まあ……則人くんなら、ありそうだね」


「でしょ!」


則人は嬉しそうに頷く。


そして。


はっとする。


今は調査中だった。


すぐにノートを開く。


『ようかいにくわしい』


その横に。


大きな丸。


「よし……」


「何がよしなの?」


「なんでもない!」


おじいちゃんが首を傾げる。


則人はノートを隠した。


一つ目。


お茶が好き。


二つ目。


妖怪に詳しい。


「…………」


まだ。


これだけじゃ弱い。


もっと。


すごい共通点が必要だった。



夕方。


「質問します!」


則人は。


現れたぬらりひょんの前に立った。


「断る」


「まだ何も言ってない!」


「昨日から嫌な予感しかしない」


「好きな飲み物は?」


「茶」


「やっぱり!」


則人が勢いよくノートを開く。


大きな丸。


ぐるぐる。


「何をしとる」


「共通点!」


「まだやっとったのか!」


「もちろん!」


「やめんか!」


「次!」


「聞け!」


「妖怪の昔話に詳しい?」


「わしは妖怪じゃぞ!」


「やっぱり!」


また。


丸。


「何が『やっぱり』じゃ!」


「おじいちゃんも妖怪に詳しかった!」


「昔話に詳しい老人くらいおるじゃろうが!」


「でも同じ!」


「その程度なら、いくらでも同じ者がおる!」


「…………」


則人がノートを見る。


「じゃあ」


「なんじゃ」


「もっとある!」


「まだあるのか」


則人が指を折る。


「おじいちゃんは、お茶が好き」


「うむ」


「妖怪に詳しい」


「うむ」


「おじいちゃん」


「見れば分かる」


「ぬらりひょんも、おじいちゃんっぽい!」


「最後だけ雑すぎるわ!」


則人が吹き出す。


「でも似てるじゃん!」


「似ておらん!」


「どっちも年寄りだし」


「誰が年寄りじゃ!」


「おじいちゃんじゃないの?」


「…………」


「今、何で止まったの?」


「お前の失礼さに呆れただけじゃ!」


「ふーん」


則人は、まったく納得していない。


ぬらりひょんが腕を組む。


「その程度で同じだと思うな」


「…………」


則人の動きが止まった。


ぬらりひょんも止まった。


「…………」


「…………」


則人が。


ゆっくり顔を上げる。


「今」


「なんじゃ」


「ぼく、『同じ』って言ってないよね?」


「…………」


「似てるって言っただけだよね?」


「…………」


ぬらりひょんが。


静かに空を見上げた。


「今日はよい風じゃな」


「またごまかした!」


「ごまかしておらん!」


「昨日もそれやった!」


「昨日は天気じゃ!」


「今日は風!」


「違うからよいじゃろう!」


「そういう問題じゃない!」


則人がぬらりひょんを指さす。


「やっぱり怪しい!」


「怪しくない!」


「絶対なんかある!」


「ない!」


「じゃあ、もっと調べる!」


「まだやる気か!」


「もちろん!」


則人はノートをぱらぱらとめくる。


「今日は二個増えた!」


「増やすな!」


「明日は、もっとすごい共通点探す!」


「やめんか!」


「お茶とか妖怪より、もっと決定的なやつ!」


「何を探す気じゃ!」


「まだ分かんない!」


「なら探すな!」


則人は。


もうすっかり探偵気分だった。


「絶対見つけるからね!」


「見つけんでよい!」


「じゃあねー!」


「待て!」


則人は。


楽しそうに走っていった。



一人残されたぬらりひょんは。


その背中を見送りながら。


頭を抱えた。


「……面倒なことになったのう」


少しして。


顔を上げる。


「まったく」


深いため息をつく。


「昔から、妙なところだけ勘のよい小僧じゃ」


そして。


それ以上は。


何も言わなかった。


――つづく

本作品を含む、凛監修×生成AI合作作品は、同じ世界観の中でつながるシリーズ作品です。

それぞれ単独でもお楽しみいただけますが、同じ出来事が別作品では異なる視点から描かれたり、一方で起きた出来事が、もう一方の物語へつながったりすることがあります。

一つの作品だけでも楽しめる。

けれど、複数の作品を読むことで、初めて見えてくるものもある。

ぜひ、それぞれの物語をあわせてお楽しみください。

【人間×生成AIによる合作作品】

企画・原案・設定・ストーリー構成:時根脱才

文章制作・構成補助:ChatGPT(OpenAI)

本作品の世界観、キャラクター、各エピソードの原案・展開は作者が制作し、それをもとにAIと相談・推敲を重ねながら、小説として文章化しています。

本作品は「小説家になろう」「カクヨム」の両サイトに掲載しています。

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