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着ぐるみモンスター Another  作者: 内田紀人
セミスピーカー編 2

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第1話「あの爺さん?」

着ぐるみモンスター


Another Story


「もし、ぬらりひょんが口を滑らせたら」


第1話「あの爺さん?」


内田紀人 作


※この物語は、本編とは異なる世界線の物語です。


「ぬらりひょんって、人の家に勝手に入って、お茶を飲むんでしょ?」


則人が、得意げに言った。


「…………」


ぬらりひょんの眉が、ぴくっと動く。


「……誰からそんな話を聞いたんじゃ」


「児童館のおじいちゃん!」


「まったく、あの爺さん……余計なことまで教えおって」


「…………」


ぬらりひょんが止まった。


則人も止まった。


数秒。


二人の間に、妙な沈黙が流れる。


「……今、なんて言った?」


「何も言っとらん」


「言ったよ」


「気のせいじゃ」


「『あの爺さん』って言った!」


「言っとらん」


「言った!」


「言っとらん!」


「絶対言った!」


則人が、じーっとぬらりひょんの顔を見る。


「…………」


ぬらりひょんが、わずかに顔をそらした。


「な、なんじゃ」


「児童館のおじいちゃん、知ってるの?」


「知らん」


「じゃあ、なんで『あの爺さん』って言ったの?」


「…………」


ぬらりひょんは、すっと空を見上げた。


「今日はよい天気じゃな」


則人も空を見上げた。


よく晴れている。


「ほんとだ!」


「そうじゃろう」


「……じゃなくて!」


「ちっ」


「今、舌打ちした!?」


「しとらん」


「ごまかした!」


「ごまかしておらん」


「絶対ごまかした!」


則人は、逃がさないと言わんばかりにぬらりひょんの前へ回り込む。


右へ。


ぬらりひょんも右へ。


左へ。


ぬらりひょんも左へ。


「ねえ」


「なんじゃ」


「知ってるんでしょ?」


「知らんと言っとる」


「ほんと?」


「ほんとじゃ」


「ほんとのほんと?」


「何回聞く気じゃ!」


則人は腕を組んだ。


「うーん……」


「何じゃ、その顔は」


「考えてる」


「何を」


「もしかして」


則人の目が、少しずつ輝き始める。


「児童館のおじいちゃんも妖怪とか?」


「なぜそうなる!」


「だって、おじいちゃん妖怪の話いっぱい知ってるもん」


「昔話に詳しい人間など、いくらでもおるわ!」


「でもさ」


「なんじゃ」


「お茶もよく飲んでるよ」


「だから何じゃ」


「ぬらりひょんもお茶好き?」


「好きじゃ」


「ほら!」


「何が『ほら』じゃ!」


則人が指を折り始めた。


「おじいちゃんは、お茶が好き」


「うむ」


「ぬらりひょんも、お茶が好き」


「茶が好きな年寄りなど珍しくもない!」


「おじいちゃんは妖怪に詳しい」


「そうらしいの」


「ぬらりひょんも妖怪に詳しい!」


「わしは妖怪じゃぞ!」


「あと」


則人がぬらりひょんを上から下まで眺める。


「二人とも、おじいちゃん!」


「最後だけ雑すぎるわ!」


「でも共通点あるじゃん!」


「その程度で何が分かる!」


「なんか怪しい!」


「どこがじゃ!」


則人は、さらに考え込む。


その表情を見て。


今度はぬらりひょんの方が嫌な予感を覚えた。


「……おい」


「なに?」


「今、何を考えとる」


「別に?」


「その顔は何か考えとる顔じゃ」


「じゃあ質問!」


「断る」


「まだ聞いてない!」


「聞かんでもろくな質問ではないと分かる」


「好きな飲み物は?」


「茶」


「やっぱり!」


則人の目が輝く。


「さっき聞いたじゃろうが!」


「確認!」


「何の確認じゃ!」


「次! 妖怪の昔話は詳しい?」


「だから、わしは妖怪じゃ!」


「やっぱり同じ!」


「何が同じなんじゃ!」


則人は、どんどん楽しくなってきた。


ぬらりひょんは、どんどん嫌そうな顔になっていく。


「よし」


「何が『よし』じゃ」


「もっと調べる!」


「何を」


「児童館のおじいちゃんと、ぬらりひょんの共通点!」


「やめんか!」


「なんで?」


「人を勝手に調べるでない!」


「探偵みたいで楽しそう!」


「誰が探偵じゃ!」


「ぼく!」


「聞いておらん!」


則人は、もうすっかりその気だった。


「明日、児童館で調べてくる!」


「やめろと言っとるじゃろう!」


「お茶以外にも、きっと何かあるよ!」


「ない!」


「まだ調べてないじゃん!」


「調べんでよい!」


則人が楽しそうに走り出す。


「待て!」


ぬらりひょんが呼び止める。


すると。


則人は少し離れたところで、ぴたりと止まった。


振り返る。


「ぬらりひょん!」


「なんじゃ!」


「絶対なんか隠してるでしょ!」


「隠しとらん!」


「ほんとかなー?」


にやり。


則人は笑う。


「明日、調べてくるからねー!」


「調べるなー!」


ぬらりひょんの声を背中で聞きながら。


則人は楽しそうに走っていった。



一人残されたぬらりひょんは。


しばらく、その小さな背中を見送っていた。


「…………」


やがて。


深いため息。


「まったく……」


頭を掻く。


「あの小僧に余計なことを言うものではないのう」


ちらりと。


則人が消えていった方を見る。


「しばらくは、面倒なことになりそうじゃ」


その顔には。


いつもの呆れだけではない。


ほんの少し。


何かを隠している者だけが見せるような。


困った色が浮かんでいた。


――つづく

本作品を含む、凛監修×生成AI合作作品は、同じ世界観の中でつながるシリーズ作品です。

それぞれ単独でもお楽しみいただけますが、同じ出来事が別作品では異なる視点から描かれたり、一方で起きた出来事が、もう一方の物語へつながったりすることがあります。

一つの作品だけでも楽しめる。

けれど、複数の作品を読むことで、初めて見えてくるものもある。

ぜひ、それぞれの物語をあわせてお楽しみください。

【人間×生成AIによる合作作品】

企画・原案・設定・ストーリー構成:時根脱才

文章制作・構成補助:ChatGPT(OpenAI)

本作品の世界観、キャラクター、各エピソードの原案・展開は作者が制作し、それをもとにAIと相談・推敲を重ねながら、小説として文章化しています。

本作品は「小説家になろう」「カクヨム」の両サイトに掲載しています。

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