89話 表と裏
指定された場所に向かっている途中、獣人族の村でギルドマスターをしている人の声が聞こえてきた。
「あーテステス、大丈夫かい?」
「大丈夫だ、うんざりするほどにね」
「おっけー」
セラフィスは若干キレ気味でそう言った。
「そういえばあなたの名前なんなの?」
「言うの忘れてた?忘れてたのならごめんだけど私はジェルヴェーズだ」
「ジェルヴェーズ……あっ」
私にかけられている祝福の中でジェルヴェーズという名前を聞いた気がした。
「あのなぁジェルヴェーズ、スイに祝福かけたでしょ、今現在6つの祝福あるんだけど」
「あらまぁ、人間の形は保ってるの?」
「保っている、しかしかけるならかけるって言えよな~」
(人間の形を保ってる……?)
私はセラフィスに祝福を重ねかけの事を聞いた。
「ねぇセラフィス、人間の形を保ってるって何?」
「そうだなぁ~神の力が人の力を上回ってしまって人間の形を保てなくなるんだけどスイは人間の姿を保ってるなぁって」
「何それこわぁ」
「でも使える力は小さいだけなのかも、試してみたら?」
私はその場でいろいろとできることをしていった。
「傷回復はセラフィス、エレメンタルはチェラブさんの祝福、後の4つは何だろ」
私はとりあえず出来そうなものにチャレンジしていった。
「催眠!」
私はセラフィスに催眠攻撃をした、これはパディーリャの祝福でできそうなことだ。
「……何も起きないけど」
「あれれ?」
私はその場を歩いていた動物に催眠をかけた。
「催眠はかけれるのね……でもどうしてセラフィスには効かなかった?」
次に私は空中に剣を作り出すことをした、これはヴァルチャーの祝福だ。
「すごい赤々しいなぁ」
「だね、これがマルセラの村を襲った剣か」
ジェルヴェーズの祝福はどうやらアイテムの価値やら人のステータスが見れるらしい。
「ふむふむ、セラフィスのコンプレックスは胸の小ささなんだね」
「なっ……」
こんなことを見れるからとても楽しいのだ。そして最後の祝福、ディアスシアの祝福はというと……
「うーん、地味」
植物を生やす能力だった。
「食べ物には困らなさそうだね、地味だけど」
そして私たちは深い樹海の中に入っていくと甘い匂いが漂ってきた。
「なんだか甘い匂いしない?」
「確かに言われてみればするね、蜜のようだ」
甘い匂いに誘われ道なりに進んで行くと行き止まりにたどり着いた。
「何だろこの甘い匂い」
その匂いはまるで蜂蜜のような甘い匂いで私たちを魅了していた。
「……危ない!」
セラフィスは私の体を触手でつかみ、後ろに投げ飛ばした。
「セラフィス!?」
セラフィスは蔦のような何かを触手で押さえていた。
「やっぱり、マレがかけてくれた魔法があなたの催眠魔法を打ち破ったな」
「あと少しで二人ともイけたのに、残念だなぁ」
そういう声が聞こえてくると植物から女の人が出てきた。
「すっぽんぽんだぁ……」
「スイ……とりあえず奴に力の差をわからせるぞ」
私たちはそのまま戦闘に入ったがなんだかやりにくいなぁ。
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