90話 甘い仮面
セラフィスが触手をあたりに張り巡らせた。
「これで逃げられないようになったな」
「そう?私は地中を潜って逃げれるけど?」
「そうか、なら地面にも張り巡らせるか」
すると私の背中を何かが掴んだ。
「えっ、なになになに!?!?」
すると黒い触手の上に立たされた。
「あいつはただ単についてきただけだ、あいつに攻撃したら私は容赦ないからな」
「へぇ、わざわざあんな目立つ場所にねぇ……」
緑の蔦が私めがけて飛んできたがセラフィスが撃ち落とした。
「狙わせないぞ」
セラフィスが奴に突撃して痛い一撃を食らわせようとし、奴は蔦をひとまとめにしてガードした。その衝撃は私にまで伝わってきた。
(すごい……力がこっちまで伝わってきた)
私はセラフィスに加勢をしようとしたがそれを止められた。
「スイ!動くんじゃあないぞ!」
「セラフィス一人で大丈夫なのか!?」
「ああ、大丈夫だ!」
奴は洗脳魔法をかけてくる、セラフィスにかかったらとてもじゃないけど私に食い止める術はない。
(いくら言ったってセラフィスは無茶するんだ、なら私が出来ること、それはセラフィスの邪魔をしないことだ)
セラフィスがどんどんと触手の本数を増やして攻撃している一方、奴の方は防戦ばかりしていた。
(セラフィスが押している……)
その時、セラフィスの触手が全部根元から取れた。
「時間切れ?」
「……そうみたいだな、だけど私にはまだ秘策はあるんだ、コツコツ積み重ねてきたものがな!」
するとセラフィスの触手が叩いていた場所が光りだした。
「まさか人間含めて爆発する気なのか!?」
「そうだよ、だけど私とスイは爆発しても再生能力があるから死なないがな!」
奴は逃げようとしていたがセラフィスが首根っこを掴んが。
「二人で華々しく散ろうよ」
そして光っている部分が爆発し始め、熱い感情と共に体が弾ける感覚が私を襲った。
(やべぇ!!!)
そして次に視界がクリアになった時、セラフィスと奴はぶっ倒れていた。
「セラフィス!?」
「魔力を使い……すぎた」
「どうしたら……」
周りの木が吹き飛んでスッキリした場所、私はどうやってセラフィスをここから退避させようかと悩んでいた時、ディアスシアが後ろからやってきた。
「あの爆発、お前たちだったのか……ってあのアルラウネもいるしで何をしていたんだ」
「ディアスシアか……すまん、魔力を分けてくれないか?」
「魔力不足で動けないのか。生きてたら魔力なんて有り余るのに、それだけ使うのだとしたらとてつもない強敵だったんだな」
「そうだ、私が認めるほど強敵だった」
「なら帰る前にこいつに聞いておきたいんだ」
ディアスシアがアルラウネに近づいた。
「お前、仲間にならないか?」
「……へ?」
アルラウネは予想外の質問に腰を抜かしていた。
「予想外だったろう、エルフを何人も殺してるのに仲間にならないかと」
「私が精気を搾った子たちだよね……」
「そうだ、だがよくよく考えてみると防衛網として活用できるなと、だからオファーしに来たんだ」
「……私でいいの?この素っ裸なのに」
「ああ、悪者だけを襲ってやってくれ」
そう言ってディアスシアはアルラウネに回復魔法をかけた。
「……ありがとう」
「こいつには魔力回復の魔法をかけないとな」
ディアスシアがセラフィスに魔力を分け与えるとむくりと立ち上がった。
「よし、これで大丈夫だな」
「うん……」
「じゃセラフィスの仲間が待っている村まで帰るぞ」
そうしてディアスシア先導の元、エルフの村に戻ることになったのだった。
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