40話 合理的虚偽
「そういえば言っておかないとな、俺の訓練についてこれないと俺は君をギルド連盟から除名する」
「そんな権限あるの?」
「俺にはある、だからがんばってついて来いよ」
そう言って私に向かって挑発してきた。
「ほら、腕がちぎれるまで俺に向かって殴ってこい」
「ならやりますよ!」
私はシュバルァーさんに向かってラッシュを食らわせた。
「なるほどな、これが君のラッシュか。やっぱり遅い」
「そうですよね……」
「だが、スピードを犠牲にパワーを上げるのはどうだ?」
「パワーを上げたら腕が本当に千切れるかも」
「そうだな、だが本気でやらないから腕が壊れるかもしれないだろ」
「それはそうかもしれないけど……」
「なら打ち込んで来い」
私はその言葉を皮切りに極限まで集中していった。
(視界が暗くなってきたけど……一点集中だ!)
すると魔法陣が一列に並び、その魔法陣目掛けて拳を振った。
「うおぉお!?」
その威力にシュバルァーさんは数メートル吹き飛んだ。
「なんだその魔法陣を束にして打ち出すのは……」
「今の技……見た事無い」
「見た事無いのか……今集中してたのか?」
「集中しすぎていてあたりが暗くなってました」
「……なるほど、集中がそれほどでないときは魔法陣はバラバラに生成され、集中しているときは一点に集中すると言う事か」
「さっきのは確か白の魔法陣だった……でも腕が壊れてない」
「恐らく威力が20%+20%……っていう風に続いたから耐えれたのだろう。そして出てきた魔法陣は5つだった、つまり元の威力を100%と考えると……およそ244.141%の力でぶん殴ってた計算だな」
「小数第三位まで計算できるのか……」
「ああ、合理的に計算しているからな、紙が必要になってくるのは小数第四位からだ」
「頭物凄くいいのね……」
「それで最後に調べたいことがある。その力を使って何をしたい?」
「……この戦争を終わらせたいです」
「そうか、なら認めよう。ようこそ俺らの世界へ」
そう言って私の肩を叩いてきた。
「痛いなぁ」
「そうか、だがこの痛さは頑張った重みだ」
そう言われるとどんどんと肩が痛くなっていった。
「……いてぇ~」
「スイ……あなた肩を使いすぎよ」
「でもシュバルァーさんは本当に除名の権限を持ってるんですか?」
「持ってない、だがこれは嘘をついた。合理的虚偽だ。本気を出させるために合理的虚偽を言ったんだ」
「そ……そうなのか……よかった」
私の肩が悲鳴を上げているがセラフィスが回復魔法をかけてくれたおかげで治りは早くなりそうだ。そして私は国に戻った、私と同時に国に入って行く物、それはサンドワームの犠牲者だった。
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