27話 同じ波長
「こらやめなさい」
「あっ……ワーダニル・グラスティア・イラスティア・オラクル」
「長い長い、わざと私のフルネームを言おうとしたでしょ」
セラフィスが私と女の人の間に入った。
「どうして間に入るんだ?敵でしょ?」
「私のトモダチっていうんだけど……ドゥユーアンダースタンド?あなたが教えてくれたでしょ?」
「ぐぬぬ……」
女の人は背中に生えている羽を消し、この状況についてセラフィスに聞いた。
「スイ、出会ったとき信仰してくれる人いるって言ってたでしょ?」
「青い羽ですよね」
「そうだ、この人がその唯一の信仰者だ」
「まっ、敵じゃあなければ私はナイフを投げないよ」
そう言って女の人はセラフィスに普通のナイフを刺した。
「だったらさっさと伝えろバカ」
「いて」
どうやら女の人とセラフィスとの仲は良さそうだ。
「そうだった、紹介するよ。この人はスイ、本名は安達翠憐」
「安達翠憐か……日本名だな」
「日本名っていう言葉が出てくるってことはあなたは?」
「アレキサンドライト・ルンダ、一応転生者だけど元の名前は忘れちゃった」
「またしても長い名前……ルンダって呼んでもいい?」
「いいよ、ルンダってのはみんなから呼ばれているから慣れたものよ」
「あの~そろそろ頭に刺さってるナイフを抜いてくれないかな~再生できないんだよ」
「おっと、そうだっけ」
そして私はセラフィスにパンをあげた。
「これ、さっき街で買ってきたんだ」
「ありがと~」
「私の貢物で足りるでしょ」
「いやねぇ……偶にこんな街で売っているような食べ物も食べたいんだよね……うまい」
「まったく、わがままなのだから」
セラフィスは口いっぱいにパンを詰め込み、気合で飲み込んだ。
「それでどうしてルンダはここに来たんだ?」
「一人で大丈夫かなと思ってたんだ、他の信仰者に殺されないかって」
「大丈夫大丈夫、私のカリスマ性で何とか命をつないでるよ」
私はボソッとこう言った。
「カリチュマ……フフ」
「今カリチュマって言ったな!?」
「そうだけど……どうしたのよ」
「うおー私怒った!おりゃー!」
私の腰がセラフィスの触手に巻かれ、そしてそのまま空中に高い高いした。
「うへぇ~」
「こりたか!ふんふす!」
「懲りたよ~も~」
私はゆっくりとセラフィスの触手に巻かれながら地面に降り立った。
「しかしスイとセラフィスの仲が良さそうに見えるが」
「だってトモダチだもん!」
「そうだね、一生ズッ友っていうところだね」
「いいじゃんそれ、なら私が居なくても別にいいかな」
「そうだね、でも依り代は守り抜いてよね」
「分かってる、依り代が破壊されたらセラフィスが消えちゃうのよね」
「そうだ、だからがんばってね~」
そう言ってルンダさんは船に入り、そして船はどこかに向かって出航した。
「しかしあの大きさの船……相当徳を積んだんだね」
「私も一度乗ってみたいけど……それはかなわないよね」
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