ヒトノモノ その105 修復
百五
「カウンセリングのこと、教えてくれてありがとう」
「本田さん、いい人だったでしょ」
「すごく優しい人だった」
「よかった。少し元気になっていて」
「こないだはアカネちゃんに酷いこと言って、ごめんね。でも、イマイチ二人がどういう関係なのか分からないの。アカネちゃんのことを信じたいの。だから、教えて」
アカネは中学校での格付けリストの話、高校での仕返しの話を聞かせた。
「じゃあ、アカネちゃんを追いかけてきて、この大学にいるってこと。キモい。よかった、そんな人と付き合わなくて。すんごいアカネちゃんのこと、可愛いって言ってたんだよ。うわあ、気持ち悪い」
「だから、あの人を問い詰めに行ったのよ。『サエちゃんのことをあなたには任せられない』って、言ってやったのよ」
「かっこいい。アカネちゃん」
「それに、『私の前から消えなさい』とも言ってやったけどね」
「よかった。アカネちゃんがわたしの友達で。でも本当はアカネちゃんのこと、羨ましいって思ってたんだ。可愛いし」
「サエちゃんにはサエちゃんらしい可愛らしさがあると思うよ。別に私と同じ髪の色にしなくてたっていいし、ヒールを履かなくてもいいのよ、サエちゃん、いつも歩きづらそうだったよ」
「今はまだ自分らしい可愛いらしさが分からないけど、頑張ってみる」
「男に合わせてまで付き合う必要ないわ。男ってクズだから」
「そうかな。優しい人もいると思うよ」
「いることにはいると思うけどね」
サエはアカネと違って、男に幻想を抱いていた。そのため、サエはまたすぐに恋に落ちた。アカネは久しぶりにふるのに打ってつけの男を見つけてしまった。アカネはその男をふるのを想像しただけで楽しくなった。




