代表挨拶って事前に知らせるよね?
お久しぶりです!
一年ぶりに再開しようと思います!
皆さん楽しんでいってくださいね!
俺は緊張した面持ちといつも通りのつもりで壇上へと上った。
「カムルや、相当お主緊張しておるな。私のサプライズは気に入ってくれたかな?」
このロリババァ余計なことをしてくれる。これは後で俺もサプライズとやらを返した方がいいよな?
「サプライズでもなんでもねーよ、とんだ悪趣味だよまったく」
「はよしろ、皆が待ってるからな。期待しておるぞ首席様(笑)」
「覚えておけよロリババァ」
壇上の教卓へと重い足を進め、魔術具である拡声器の前に着く。
一旦深呼吸をしてから俺は話し出した。
「えー、テステス。ゲホン!皆さんはじめまして一年首席のカムルです。私が首席ということは先程のご指名で初めて気づきました。
私という者は辺境の一般的な家庭で一生畑作業して死んでいくんだと思っていました。しかし、精霊と契約したことで私の人生は変わりました。畑とは縁遠いこの地にやってきたのはまた運命でしょう。私は誰よりも力を持っていると自信はあります。しかし、この力をどう使い何の役に立てるかまだ知りません。だから、この学園で学びたいと思います。そして、私はここで一流の精霊使いになると約束します。先生方先輩方若年の私たちにご指導よろしくお願いいたします。これで私の話を終わります。一年首席代表カムル」
最後に礼をして一拍の間が空き講堂を拍手が木霊する。若き精霊使いをまるで祝福するかのように。
「いい挨拶だったなカムル席に戻れ」
「はーい、でもこのサプライズはしっかりと返した方がいいですよね?学園長先生」
と言い俺はロリババァもとい学園長の方を振り返らずに自分の席へと戻っていく。
『カムル様いい挨拶でしたね!素晴らしかったです!』
『カムルもたまにはやるねー、さすが私が選んだことあるよ!』
『何を言いますか?私がカムル様を選んだんですよ?』
また始まった、もう怒る気力もないから好きにさせておく。
はあー疲れた、死んじゃいそう。
自分の席に戻るとこちらを口をあんぐりと開けたユミルが出迎えてくれた。
「まずはその口閉じなよユミルさんや、アホヅラだぞ?」
ハッと気づき口を閉じ恥ずかしいのか顔をほんのりと赤らめる。
「カムルにしてはいい挨拶だったじゃない」
「それは褒められてるよね?」
「当たり前でしょ!殴られたいの?」
「いやー勘弁です。本当にごめんなさい自分が悪かったです。」
前の席ではルートがニヤニヤとこちらを見てるのがわかった。部屋に帰ったらあいつは処刑だ。
恙無く式は進み入学式は波乱を呼び込み幕を下ろした。
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???
「あの男、まさか首席だったとわね。あの強さも納得ですわね、このままやられっぱなしは私の面子に関わるは早急に手を打たないとね」
一人の少女は復讐に心を燃やしていた。
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クラスに戻り明日からの予定を聞き今日は昼頃に解散となった。
「あー腹減ったーどうしようかなー」
俺は餌を求める胃袋が先ほどから咆哮を上げていてそれを抑えるのに必死で抑えランチとしゃれこもーぜと言わんばかりにエミルを見つめる。
「あー私パスねこれから女子会だから!」
エミルはもう複数人の女の子達とどこの店に行くか話し合っていた。
「くそ!ルートお前どうせ暇だろ〜?頼むよーランチ行こうぜ!な?な?」
近くにいたルートに頼み込む
「カムル、ごめんよ、僕も予定が、、、」
「裏切り者〜!末代まで呪ってやる!」
うー、みんな予定があるし、俺もしかしてぼっち?ぼっちなの?
「よしわかった、もう、一人で猫の手屋行ってやる!」
そして俺はカバンを持ち気持ち少しだけ身体強化をかけて猫の手屋がある街へと走っていった。
『カムル様がお一人とはではわたしが相手をしましょう!それがいい!』
そういう時いつももう一人は決して黙ってはいない。
『私もカムルとご飯食べる〜!!』
『お前らが出てもしクラスのやつに見られたらなんて言い訳すればいいんだよ!今回はダメ!また今度な!今度は一緒にご飯食べよ?な?』
『『絶対だよ(ですよ)?』』
こうしてぼっちで猫の手屋に向かう悲しき男負けるなカムル
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猫の手屋に着くと丁度ごはん時でもありかなりの賑わいを見せていた。
「いらっしゃいませ!何名様ですかー?」
俺は悲しく人差し指を上げる。そうぼっちの印を掲げたのであった。
「あ、一名様ですね!カウンター席にご案内します!」
そうして俺はカウンター席に案内されてメニュー表を見る。
どれも美味しそうだが、今日は入学式だ!せっかくだから肉が食いたいなー!
おっ!ランチAはタウロスのステーキこれに決まりだろ!
すぐさま店員さんを呼んで料理をオーダーする
「はーい!ランチAですね!少々お待ちくださーい!」
しばらく待つといい匂いが放たれている元凶が俺の目の前に運ばれてくる。
「どうぞー!ランチAタウロスステーキです!」
どーん!と形容しがたい肉の塊が鉄板の上で油を出しながらまるで優美に踊っているかのようだ。
ごくり。
冷めないうちにフォークをステーキに刺す。硬いわけがなくするりとフォークが刺さりナイフもすんなりと刃が入る。切れた断面から洪水のように肉汁が溢れ出す。そして切った肉を口に運ぶ。
「うますぎる」
ただ淡々とステーキを頬張っていく。そして箸休めにサラダを食べ、またステーキを食べそしてパンを食う。
瞬く間にランチAはカムルの胃袋に収まった。
少し食休みをしてから
「満足だ、よし行くか」
会計はなんと銅貨が6枚である。この価格で猫の手屋は大丈夫か?色々とまあこれだけの価格設定でこれまでやってこれたのだからここの店主の腕は確かなんだろ〜なと思いながら街を歩いて行くとふと気になる看板が現れた。
「冒険者ギルドか、、、そういえば特待生は学費いらないって言ってたけどまぁ自分の好きなものとかあったら買いたいし、俺は12歳超えてるし冒険者登録することもできるっしょ」
そして、俺は冒険者ギルドの敷居を跨いだ。
中は閑散としていて中の酒場らしきところでは昼間っから酒を飲んでいる奴もいれば受付ボードとにらめっこしている人たちもちらほら見える。
俺はカウンターで暇そうにしていたお姉さんところに向かった。
決してちょっと好みだなーと思うお姉さんに話しかけたわけでは断じてありません!
「冒険者登録したいんですけどー」
「あっ!冒険者登録の方ですね!銀貨5枚だけどもってます?」
俺は財布から銀貨5枚を出してお姉さんに渡した
「ありがとね!ちょっとまっててね書類もってくるから!」
そういうとお姉さんは裏に消えてすぐ書類を持って現れた
「まずはじめに名前と歳と性別書いてね、終わったらお姉さんに教えてね」
言われた通りに名前、歳、性別を書いていく。
「終わりましたよ!」
「じゃあ最後にこの宝珠の上に手を置いてね!それで終わりだからー」
俺は言われた通りに宝珠に手を置いた。すると宝珠は光り輝き
バリーーン!!!
砕け散ってしまった。
「あ、やべ壊しちゃった」
「えーーーーーーーーー!」
お姉さんの叫び声と素っ頓狂な俺の声が閑散としたギルドに鳴り響いたのだった。