第4話 学生生活
8:30 学校到着
王都中央学園。それが僕が通っている学校だ。
もともと貴族や王族のみが入学を許された学校で、今年から平民も入学することができるようになった。とは言っても貴族と平民では環境が違いすぎるからか、僕以外の平民は見たことがない。
貴族と平民の違いの一つに、『神の加護』の質の差がある。
例えば平民の一日に打てる魔術の回数は10回は撃てる程度だが、貴族は50回は撃てるのが普通らしい。また、「特権」といわれる簡単に言えば超能力のような『神の加護』を持つ割合も貴族の方が多いらしい。
そんなわけで、当然のことながら平民の一般人と比べても『神の加護』が貧弱な僕はいやがらせをたびたび受けていた。
とはいってもあからさまなものはほぼない。せいぜい無視をしたりグループワークに入れないなどだ。先生もそれは黙認している。
気分がいいものではないけれどそれは仕方のないことだと思う。
自分たちと違う立場の人間、それも自分たちより確実に劣っている人間と付き合うことにメリットなんてないし、メンツを考えたらむしろ付き合うデメリットの方がでかすぎる。
そういうわけで、僕の学校生活は輝かしい青春とはいかなかった。
8:45
担任の先生が来て本日の行事の説明を行う。
教師「本日は皆さんに使い魔を召喚していただきます。すでにご存じの通り、使い魔とは、本来複数人で特別な場を用意し異界を開くことで召喚するものです。」
教師「また、使い魔は基本的に召喚した本人より弱く、一人一体までしか契約できない上に、複数人で召喚すると召喚に参加した人の中で一番神の加護が弱い人に対応した使い魔が召喚されます。」
教師「しかし、本来複数人で執り行わなければならない儀式を本日は、簡単かつ個人で行うことのできるとあるダンジョンにて執り行います。」
ジャック(ダンジョンか。正直初めてだが、一応鍛えてはいるし最悪アクアを囮にしよう。)
アクア(怒りますよ?)
ジャック(やべ。)
教師「この学校では国が保有するそのダンジョンに潜り、自身の実力をある意味で担保する使い魔を召喚します。使い魔は召喚者より弱いため最低限の指標になるのです。」
ジャック(なるほど。使い魔を召喚することで、自身や相手の最低限の実力を客観視できるということか。)
ジャック(君のライバルだな。アクア。)
アクア(いやいや。私は使い魔じゃありませんから。そもそも私の方が強いでしょう。あなたの加護は貧弱なんですから。)
ジャック(確かに。呼べるかすら怪しいな。)
アクア(仮に呼べなかったら私の胸で泣いていいですよ!)
ジャック(誰が泣くかよ。先生の説明が途中だ。ちゃんと聞きなさい。)
アクア(へーい。)
教師「我々が向かうダンジョンは初級下位の難易度です。一般的な平民でも一人で攻略できる程度のものなので、この学校に入学できたあなたたちなら安心してよいでしょう。」
教師「しかし、一応油断はしないように。そのダンジョンは特権を有しています。そこで特定の種類の術式を使うと『何か』が呼び出されるという特権です。すでにどの術式で何が呼び出されるかは大体判明しているため、学生の皆さんはその特定の術式を使って使い魔を呼び出すことになります。」
教師「すでに配布している術式紙が本日使う術式になっています。くれぐれも同じ種類の違う術式を使わないでください。」
教師「とは言っても、これは非常に複雑な種類の術式なので皆さんが普段用いる魔術はダンジョン内で使っていただいて構いません。」
教師「また、ダンジョンには少ないですが魔物がいます。魔物と遭遇した場合は戦ってもよいですが、ダンジョンは狭いので派手すぎる魔術は使わないでください。以上です。何かご質問は?」
何人かが手を挙げる。
生徒A「武器の使用はありですか?」
教師「はいAさん。武器の使用は許可します。ダンジョンは狭いですから壁にぶつけないように気を付けてください。」
ジャック(しまった。武器を持ってきてねえや。)
生徒B「万が一問題が発生した場合は、どうしたらよいでしょうか。」
教師「はいBさん。問題が発生した場合はしおりにある通り生徒はその場で騎士団の到着を待ってください。」
教師「また、ダンジョン内で問題が発生した場合はとにかく私たち教師のところに逃げてください。可能なら、配布する短距離連絡用の魔道具で連絡をください。私たちと同行する騎士3名が向かいますから。」
ジャック「ふむ。しおりには問題が起きた時は教師の言うとおりにせよという指示か。また、基本的に現場にいる教師と同行する騎士のみで対応するのか。大きな問題はまあ起こらないだろうしこんなところか。」
教師「質問は以上ですか?では早速向かいましょう!」




