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そして勇者は世界を知る/やがて魔王は対峙する  作者: るい
現代日本に勇者は必要ですか?/羊と兎と濡れ烏
23/24

23話目: 勇/ 根幹の部分にダイレクトアタック

勇者パートです、なんとか投稿できました。

 女性と二人で出かけるというこはどのような状況であれデートである、以前誰かに聞いたことがある。

 珍しくこれは京都の言葉ではない、知り合いの言葉である。

 もちろん友達じゃないけどね!俺の友達は少ないのだ。


 だってあれでしょ。友達作ると人間強度下がるんでしょ?カイイがうんちゃらするラノベで何ラギ君が言ってたし。

 べっ、別に友達少ないからって、くっ悔しくなんてないんだからねっ!


 まあ話をもどすとする。

 いや、本題出る前からそれるってどうなのって話か・・・。


 ぶっちゃけますと俺は、この国でもっとも栄えているであろうジャンクフード店にいる。

 英語で言うと「マックダーノ」多分この国の言葉で言っちゃうと、割とまずいところから苦情と損害賠償が俺宛てではないものの、俺の存在にかかわる根幹の部分にダイレクトアタックで以下略。

 まあ通称「マック」という店である。


 時々無性に食べたくなるランキング(個人的)のトップに君臨するマックだが、今回は手早く食べれる店を探していただけだ。

 今日は俺の休みを使って、リリィの魔王探索に付き合うことになっている。

 だからもちろん向かいの席にはリリィが座っているし、デート云々はこのための伏線である。


 普段なら伏線を使いこなす俺氏マジイケメソ!なんて妄想したりもするが、残念ながらそんな妄想をしている余裕はなかった。

 なぜかというと今日のメンツは二人じゃないからだ、いやさっきまでは二人だったんだが、なんか一人増えたといいますか。

 まあぶっちゃけますと、俺の隣にはオルガが座ってます。


 「「・・・・・・・・」」


 そしてこの二人、さっきからずっと無言なんですよねぇ・・・・。


 おかしい、これは絶対におかしい。

 冒頭での言葉は間違いじゃなかったフヒヒ、なんて浮かれてたのもつかの間偶然通りがかったオルガが合流した途端このざまですよ。

 さっきからこいつら怖くて俺何も言えないんだけど、食欲ないけど無理してハンバーグ詰め込むぐらいしかやることが無いんですけど。


 あっ次はチキ〇フリスク食べよう、ところでこれチ〇ンフリスプなの?それともチキン〇リスクなの?まあわかんないからチキンフリス〇ってことで。


 いやいや!冗談言ってる場合じゃねーって!!

 頼んでもいないもののこと考えたって意味ないだろ、実際のとこはハンバーガーひとつでも割と足りるからね俺。

 見た目の割に小食なのよ俺、本当なのよ?


 そんなことを考えている間も、この二人は険悪なままだ。

 ここは俺が入るべきなんですかね?そうしないとどうしようもないですよね?

 だってそろそろ周りのお客さんも俺たちの席に注目し始めてるし、俺が突破口になるしかないですよね?

 いや、突破できる気はしませんけれども・・・。


 「そ、そそそれでは自己紹介でもしてみようか?」


 何とか声を絞りだす、二人の圧力のせいで声がかすれるものの、かろうじてすべてを言い切ることに成功する。

 そして二人の視線がこちらへ向いた。


 一昨日の服屋の一件、絶対零度の視線を持つ客。

 それすらも生ぬるく感じるほどの視線が、二つ。


 はい無理。

 既に胃がキリキリしてるし、これ以上なんかしゃべった多分捻じれる。

 でもおかしいな、二人の視線が向いてると体が動きませんよ?

 あれですか、ゴーゴン・シェルってやつですか?

 ということは三姉妹?あと一人こんなのいんの?

 もぅマヂ無理。リスカしよ・・・。


 「はぁ・・・、わかりました。自己紹介ですね」


 凍てついた空気の中、先陣を切ったのはオルガだった。

 リリィを睨むかのような目で見つめていたオルガは、一度息を吐いてその空気を四散させた。

 オルガと一緒にリリィも謎のオーラを引っ込めたようで、さっきまでの空気がうそのようになくなり、いつものマックな光景が戻ってきた。


 「ワタシは先輩に従います。ただお互い初めてですし、先輩がワタシたちの紹介をするということでお願いしますね」


 自分の気を操れるとかこいつらワザマエかよ、などと思っているとオルガから二人の紹介を任される。

 そんな俺の意思なんてなかったかのように、いいですね?なんてリリィに確認をとっているオルガだが、俺としてはただ黙ってみているしかない。

 だって断ったらさっきの空気に戻るじゃん、なら喜んで従うしかないじゃん。


 これが職場ならいつの間にか追い抜いた後輩に指示を出された上、それに従うしかない情けない元上司のような構図だろうか。

 考えると少し切ない気分になるが、生憎ここは職場じゃない。

 つまり俺が年下の少女に逆らえなかったとしても、全くこれっぽっちの問題もないのだよ。

 え、プライド?ねぇよ、んなもん。


 「おほん。それじゃあまずは正面に座ってるリリィの紹介からはじめる」


 そんなわけで俺はオルガの指示をサクッとこなすべく、咳払いをひとつして語り始める。


 「名前はリリィ・オート、見てわかるように外国人だ」


 「リリィ・オートだ。よろしく」


 わぉ、素っ気ない。

 つーかオルガに合ってからのリリィの変わりようが尋常ではない、マック入るまでむしろかなり機嫌よかったんだけどな・・・。


 「外国人って、どこの国の人ですか・・・。イギリスですか?」


 オルガもリリィと話すつもりはないらしく、質問はあきらかに俺に向けてのものだ。

 正直、自己紹介の必要性を全く感じないのは気のせいだろうか。


 「あー・・・異界の国?」


 とりあえずは適当にごまかす、正確には異世界だけどそんなことは言えない。

 病院を紹介されて終わりだ。


 「ふぅん。さっき仲睦ましげに歩いていた割には、リリィさんのことなにも知らないんですね」


 「いやだって一昨日が初対面だし」


 「あれ、そうなんですか?なーんだ、じゃあワタシと先輩の方がお付き合いは長いんですねっ」


 俺とリリィが出会って日が浅いと知るや否や、オルガは急に笑顔になった。

 その急変さに戸惑いながらもオルガに頷くと、隣に座るオルガはなぜか俺に身を寄せてきた。


 「てっきりデートかと思って、ワタシお邪魔虫かと思っちゃいました」


 そういいながらさらに身を寄せ、笑顔で俺を見上げてくる。

 お互いの身体が近いからかオルガから今どきの女の子の香りがしてなんかエロイ、っていうかリリィさん笑顔だけどすごい黒いオーラ出てる怖い怖い怖いっ!!


 「じゃ、じゃあ次はオルガの紹介をしよう」


 あわててオルガを引きはがし、俺はリリィに向き直る。

 相変わらず二人のオーラは変化自在のようで、今見た黒いオーラもすぐに引っ込みはしたのだが、リリィは少しむすっとしているようだった。


 「こちらはオルガ。苗字は・・・」


 「カルプヒナです。オルガ・カルプヒナです、先輩ちゃんと覚えてくださいよう」


 「何か覚えにくいんだよな。まあこいつがオルガ・カルプヒナ、職場での後輩だ」


 「先ほど付き合いが長いと言っていたようだが、ヨシフミとオルガはどれぐらいの付き合いなんだ?」


 「大体一年ぐらいだろうか」


 「そうですね。一年の間に先輩のいろんなところ、知ることができました」


 オルガは機嫌がいいからか、オルガはいつの間にかリリィの言葉に返事を返すようになっていた。

 ただオルガの言葉の中に、どこか優越感のようなものを感じるのは気のせいだろうか。


 「いろんなところ、とはどんな事だ?」


 「それはもう・・・、オートさんもご自分の目で確かめた方がいいですよ」


 かくいうリリィもなにか譲れないものでもあるのだろうか、いつの間にやらオルガにも話を聞くようになっている。

 話すようになったのはいいのだが得意げな表情のオルガに対し、リリィの顔はどこか悔しさを含んでおり、なぜか逆転の糸口を探している主人公のように見えた。

 まあ勇者だし、主人公と言えば主人公ではあるのだが。


 そしてついには逆転の糸口を見つけたらしい、リリィは閃きに目を見開く。

 はたしてどんな発言が飛び出してくるのか気になった俺は、リリィの一挙一動に注意を払う。


 「そうだな、是非そうさせてもらおう。何せ私はヨシフミと同じ部屋で寝食を共にしているのだし、遅れた分はすぐに取り返すさ」


 そう、彼女はキメ顔でこういった。

 ただし内容はただの暴露話である、これには流石のオルガも口をぽっかりと開けるしかないようだった。


 それにしてもさっきから俺の話題しか出ていない気がする、まあ俺の知り合いってことでの自己紹介なんだから当然共通の話題と言えば俺の事しかないわな。

 外人美女が二人そろって話す内容がデブなオタクの話題というのも、我が事ながらなにかしら残念さが漂う光景だと思う。


 まったく、これだから人気者は辛いぜっ!

 ・・・うん、ごめん。今のなかったことにしてもらえる?


 会話に混ざれず二人の会話を聞いているとふとそんなセリフが頭に浮かんだが、すぐに冷静になったため口に出すのは寸でのところで防がれた。

 わりかし危なかったかもしれない、これは俺の心の中の黒歴史ノートに大切にしまっておこう。

 二度とあかないように封印しないと、我ながらいい年して悶え死にかねない。


 いつの間にやらヒートアップしている会話は、相変わらず話題の内容は同じであるものの、もう俺がここで聞く限り俺には理解できない話が殆どのようだった。

 俺の話題なのに俺がわからないってどういうことよ、と思わなくもないが今更突っ込むタイミングなんて見つからないわけで。

 話題の中心にいながらも話題に参加できないという貴重な経験しつつ、一風変わったガールズトークを眺める。

 「時間かかるんだろうなぁ」なんて思いながら、俺は頼んだファンタグレ〇プを啜るのだった。

仕事がどんなに忙しくても書くことはやめない、


これが俺の、社畜の一撃"Workaholic"だ!


昨日投稿休んだ人間の言葉とは思えませんね。

はい、できるだけ毎日投稿します。

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