24話目: 勇/ 中心にいるはずの俺は孤独感に浸る
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あ・・・ありのまま今起こったことを話すぜ!
俺は険悪な二人の前でジュースを飲んでいたらいつの間にか楽しげなガールズトークが始まっていた。
な・・・何を言っているのかわからねーと思うが、俺も何が起きたかわからなかった・・・。
頭がどうにかなりそうだった・・・。
伏線だとか急展開だとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ・・・。
いや本当どういうわけかいつのまにか仲良くなってんの、今なんて二人でシェイク飲んでるし。
なんでだ、どうしてこうなった?いや、仲良くしてくれたほうがありがたいんですけどね?
「それじゃあ先輩、そろそろ出ましょうか」
状況についていけずに一人でキョドっていると、オルガに声をかけられる。
気がつけばリリィとオルガはすでに席を立っている、二人の急変振りについていけない俺だけがいまだ席に座っていた。
「お、おう悪い」
慌てて立ち上がり二人の後を追う、俺が追いつくと二人は左右に広がり隙間を空けてくれる。
その隙間に入り込むと余った隙間を埋めるように二人が俺に近づいた、そして今気づいたが俺は真ん中だった。
なにこの両手に花状態、でも嬉しさよりも戸惑いのほうが正直でかい。
正直聞くのが怖いがそれでも好奇心には勝てず、俺は二人に聞くことにした。
「なあ、お前らいつの間に仲良くなったんだ?」
「うん?ああ、話してみると意外と趣味が合ったんだ」
俺の問いかけに答えながら、リリィは満面の笑みを見せる。
いやそこでいい笑顔で返されましても・・・、まったくピンとこないんですが?
「そうなんですよ。なかなか話がわかる人がいなくて~」
俺が怪訝な顔をしていると反対側から声がする、みるとオルガも機嫌がいいようだった。
「つーても最初はすっげー険悪に見えたんだが、気のせいか?」
険悪に見えるというか、凶悪なものが見えたというか。
だってなんか湧き上がってたし、どす黒いなにかが。
思わず異世界転生するかと思った、死因はもちろん二人からでる黒いアレ。
たぶんアレに触れたら命吸われちゃうね、何とか姫の何とかぼっちさん見たいに。
あ、これ友達いないって意味のぼっちさんじゃないから、勘違いしないように。
「確かに最初は何事かと思いましたけどね。でも話してみるとリリィちゃんすごく真っ直ぐなんで、すぐに好きになっちゃいました」
「ありがとうオルガ。私もオルガの一途なところはすきだし、年上として尊敬もしている」
このように二人は完全に意気投合していた、今も二人で笑いあっている。
うん、さっきも言ったけど、仲良くするのはいいことだと思うよ?
ただ俺を挟むのやめて、すっごく俺が場違いだから。
女の子二人に挟まれて歩く豚一匹って絵面がわるすぎる、これが少女二人ならさぞかし絵になったんでしょうね。
どのくらい絵になるかって言うと、カテゴリに新しく「百合」って単語を追加するぐらい絵になる。
そんなゆりゆりしい二人は俺なんていないかのように笑いあっている、さながら人としての存在がないかのようだ。
今の俺、多分ペットの豚みたいなもんだぜ。
あ、大きさ的に家畜か。
多少無理をすれば家畜を散歩に連れてきたといえなくもない、なら俺は家畜に徹しますかね。
あ^^~働きたくないブヒ~。
「・・・おいっヨシフミ、聞いてるのか?」
「ブヒ?」
いかんいかん、豚になる妄想のせいでナチュラルにブヒって言ってしまった。
ただでさえ体系でマイナスなのに、中身でもイタくなったらもはやどうしようもねーな。
え、いつもどおり?
「ちょっと先輩。なんですか今のかわいらしい鳴き声」
そして予想に反してオルガには好評な模様、完全に素だったし声が高くなったかもしれない。
だが断言しよう、キモかった。
だって自分で声だして冷静になったし、うわキモって思ったし。
まあ思春期の女の子特有のちょっとアレなデザインのものを可愛いとか思っちゃうアレでアレな奴だろう、そういうのをなんと言うかは知らん。
「お、おう。サンキューな」
当然何が可愛いのかは理解してないがおそらくは褒められたのだろう、ならばと思いとりあえず礼を言っておく。
「ところでさっきの話だけど、二人の趣味って何なんだ?」
文化の違う異世界人と趣味が合うって割とすごいと思うんだが、これはオルガが特殊なのかそれともリリィが特殊なのか判断に困るところだ。
それが気になって聞いてみたものの、答えはつれないものだった。
「それは内緒だ。まだ、な。」
「そうですよ、まだその時じゃありません。でもいつか告白しますんで、それまで待っていてくださいね」
リリィはおろかオルガまでもはぐらかす、告白という単語を使っているあたり、それなりに重要なことなんだろうな。
またもや顔を見合わせて「ね~っ」などとうなずき合う二人を眺め、中心にいるはずの俺は孤独感に浸る。
これはいよいよカテゴリの追加が急がれるやもしれん。
まあ俺にそのケはないし、心がぴょんぴょんすることもないのだが。
「そういえばさっき、オルガに向かって年上って言ったよな?リリィって今いくつだ?」
「私は今16歳だ。言ってなかったか?」
「いや初耳なんだが・・・」
つーことはアレか、リリィってばJKってやつなの?
俺ってば今JKとJDに挟まれてるわけ?
しかもJKにいたっては同じ部屋で生活してるわけ?
考えてみるとスゲーな、状況だけ見ると限りなくリア充じゃん!
某掲示板とかに書き込んだら「通報しますた!」とか言われるのかな?いや、「妄想乙」が関の山か・・・。
ところでJK・JD・DTっていうと少しかっこよくない?中身は最低に近いけどな!
それにしてもリリィの年齢が16というのが以外だ、背も高くスレンダーではあるもののそれなりに出るところ出てるし、てっきり俺とタメかひとつ下ぐらいだと思ってた。
見た目の割りにアレだと思っていたが、実際は中身の割りに大人びて見えるというのが正解だったらしい。
それにくらべてJDであるオルガは18歳だが意外と背が短いからか、どちらかというとこちらのほうがJKといわれれば納得できる。
18と言えばじゅうぶんJKでつうじるのだが、オルガは近日19の誕生日を控えている。
さすがに19歳で高校生を名乗れる体系なのは、いささか問題がある気がしないでもない。
せめてリリィが年上だったらと、ふと思ったが後の祭りだった。
俺なんかにできることはなく、されど、オルガ自身にすらできることは多くない。
それが不憫で、哀れで。
切なさをこらえつつも、心の中でエールを送るしかできないのだ。
がんばれ、オルガ・・・。
「先輩いま失礼なこと考えたでしょっ!?」
「チッ、バレたか」
連日続くピアノレッスン、思うように上達してくれない生徒。
やはり完全な素人の人に一から教えるのは難しいものですね・・・。
その反面その分確実に上達しているというのがわかりますし、とてもやりがいを感じます。
生徒さんもやる気があって大変よろしいのですが、流石に深夜まで続く辛たんです(泣)。




