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第7章:レベル2 ― 人間の限界を超えて ~旧式エンジンの盲点を突くゾンビ攻略と、最悪の『対人戦(PvP)』~

『生ける屍のトンネル』の内部の空気は濃密で、何百年ものカビと淀んだ湿気、そして腐敗の甘ったるい悪臭が混じり合った息の詰まるような空間だった。エリアスの目の前には、鉄筋コンクリートで造られた果てしなく長い円筒形の回廊が伸びており、その無骨な建築構造は暗闇に飲み込まれる消失点へと消えていた。低い天井には錆びた配管が剥き出しの血管のように走り、故障したネオンの列が死体安置所のような白と視界を狂わせる血のような赤を交互に繰り返す、絶え間ない色彩のグリッチを起こして明滅していた。


エリアスはぬめる壁に背中を預けた。新しいエリアに入った時のサバイバルホラーの鉄則その1――インベントリを確認し、装備がいつでも使える状態にあるかチェックすることだ。

9mmベレッタを抜く。マガジンを外し、親指で銃弾を滑らせて数を確認してから、トンネルの静寂に不快に反響する金属音を立てて再装填した。11発。ショットガンを確認する――致死的なシェルが4発。3本の骨の矢は、タクティカルナイフと重いパイプレンチの隣、ベルトにしっかりと固定されていた。


「繋ぎのステージ(トランジション・レベル)に見えるな」直前の死闘のアドレナリンでかすれた、自分のものとは思えない声で彼は独り言を呟いた。「一本道のトンネルだ。それほど長くはないし、複雑な側面からの待ち伏せができるような構造でもない。音を頼りに判断するなら、前方にいる雑魚敵(モブ)の数も少ないはずだ」

前へと歩き出したが、わずか3歩進んだところでピタリと足を止めた。ゲームの1ピクセルたりとも信用しないよう訓練されたゲーマーの頭脳が、警報を鳴らしたのだ。

ゆっくりと振り返る。彼の背後――食人族の村からのローディングを終えて「スポーン(出現)」した正確な地点に、重厚な気密扉があった。


冷たい悪寒が背筋を滑り落ちた。(島のボートの時は、正規ルートから外れて探索した結果、包囲される羽目になった)銃のグリップを握りしめながら考えた。生存の論理は、あの扉など無視して真っ直ぐ進み、時間と体力を温存するために1秒でも早くこの場から離れろと叫んでいた。だが、彼の「コンプリート主義者(完全攻略派)」としての本能はあまりにも強すぎた。戦利品を取りこぼしたかもしれないという疑念を残したまま未探索のエリアを立ち去ることを物理的に許さない、脳髄に根を張ったゲームの強迫観念だった。どんな結果になろうと今の自分なら対処できるはずだと、彼は自分に言い聞かせた。探索への衝動に目をくらませ、彼は無自覚のうちに全く同じ過ちを繰り返そうとしていた。


来た道を引き返し、重厚な金属構造物へと歩み寄る。ホログラムパネルもカードリーダーもなかった。ホイール式のハンドルを掴んで力を込める。錆びた蝶番が悲鳴を上げたが、扉は開いて小さく暗い『メンテナンス室』が姿を現した。


室内は埃で飽和しており、メイントンネルから差し込む断続的な光だけで照らされていた。壊れた棚、微かな火花を散らす配線が垂れ下がった配電盤、そして太い排気パイプがある。エリアスは銃を抜き、わずかな動きにも即座に発砲できるよう構えた。何もない。部屋は無人のようだった。

グリスで汚れた表面の上に手袋をはめた手を滑らせ、執拗なまでの綿密さで室内を漁り始める。

太い空調の接続パイプの後ろで、指先が何か異常なものに触れた。ザラザラした感触。ガムテープだ。

それを引き剥がし、ネオンの光の下へと持ってくる。汗まみれの顔に信じられないというような笑みが浮かんだ。分厚い布ガムテープでひとまとめに束ねられた、4発の9mm弾だった。


「隠しアイテムの王道配置だな」銃弾をポケットに収めながら、彼は囁いた。

【ベレッタ残弾:15発】

自信を深めた彼は、さらに奥まで探し始めた。部屋の隅、外れかけた格子の後ろに一部隠れるようにして、錆びついた巨大な六角形の南京錠で閉ざされた、ずっと小さな2つ目のハッチがあるのに気づいた。

エリアスは迷わなかった。ベルトのループから重いパイプレンチを抜き、重量バランスを確かめると、正確な一撃を南京錠に叩き込んだ。古い金属は最初の一撃で砕け散った。


小さなハッチを開ける。内部の擦り切れた布の上には、自ら光を放つ何かが置かれていた。宇宙ステーションで見つけたのと全く同じ機械仕掛けの虫――小さな『黄金のスカラベ』だ。

ためらうことなく、エリアスはパイプレンチの柄でそれを叩き潰した。虫は黄金の粒子の雲となって砕け散り、彼の肉体へと吸収された。

神々しい通知音がネオンの唸り声を破り、右上のHUDが青い輝きと共に更新された。


【シークレット発見。ボーナスタイム追加:+30分】

【大脳皮質崩壊まで:03:15:16】


「いいぞ、話がわかってきたじゃないか」不安の一部が洗い流されるような安堵の波を感じながら、エリアスは声を上げた。だが、その小さな隠しスペースのサプライズはそれだけでは終わらなかった。虫のデジタルな残骸の隣に、彼の心拍数を跳ね上がらせる2つのアイテムが置かれていたのだ。

1つ目は、片方の端にネジ山が切られた黒い金属の筒――ベレッタ用の『サプレッサー(減音器)』だ。2つ目は、15発の銃弾が入った無傷の厚紙の箱だった。

素早く、熱に浮かされたような動きで、エリアスは銃口にサプレッサーをねじ込んだ。銃はより重く、より長くなったが、マップ全体の敵視(アグロ)を集めずに敵を処理できる戦術的アドバンテージは計り知れない贅沢だった。マガジンをリロードし、残りをポケットに収める。

【ベレッタ残弾:30発】


(このステージはようやく報われ始めたな)強化された銃の重みを確かめながら、エリアスは考えた。(このゲームの――ゲームと呼ぶならの話だが――素晴らしいところは、どれほど理不尽な難易度であっても、何時間も探し回るような馬鹿げた論理パズルやトランプのマークの鍵なんかが存在しないことだ。純粋な環境サバイバルだ。探索をこなせば、確実にアドバンテージが得られる)

ベテランプレイヤーとしての傲慢さが再び主導権を握り、恐怖を麻痺させ始めていた。メンテナンス室の探索を続ける。頭上、天井の最も奥まった隅で、他の照明とは完全に不協和音を奏でる微かな青い光を放つ工業用電球に気づいた。

「場違いな照明は常に疑え、だ」彼は自分に言い聞かせた。床からコンクリートの破片を拾い上げ、電球に向かって正確に投げつけた。ガラスが火花の雨となって砕け散る。

破壊されたライトの後ろの壁は、視覚的イリュージョン――『偽の壁(フェイク・ウォール)』だった。コンクリートのテクスチャが溶け去り、小さな隠し窪みが姿を現す。内部の金属棚の上には、2個の『閃光弾(フラッシュバン)』が置かれていた。

それらを回収し、ジャケットのタクティカルループに引っ掛ける。


エリアスは深く息を吸い込んだ。再び自分がコントローラーの神、ゲームメカニクスの絶対的な支配者になったような気分だった。消音された30発の銃弾、群衆制御用の非致死性投擲武器、スタン用のパイプレンチ、そしてたっぷり3時間以上の残り時間がある。

「このトンネルはさっさと終わらせよう」くるりと向きを変えながら、彼は決断した。「出口はそう遠くないはずだ。外へ出て、掃除して、レベル3へ行くぞ」

メンテナンス室を出てメイントンネルへと足を踏み入れ、敵の影を待ち構えて銃を構えたまま、前だけを見つめて早足で真っ直ぐ歩き始めた。

安全だと感じていた。

自分は無敵だと感じていた。


その直後、世界が足元から崩れ落ちた。文字通りに。

前触れの音も、視覚的なヒントも一切なかった。メンテナンス室の扉からわずか1メートル先、トンネルの床の金属格子の一画が、エリアスのブーツが乗った瞬間に消滅したのだ。『時間差式の落とし穴トラップ』だった。

「うわあっ!」重力が彼をトンネルから引き剥がす中、エリアスは絶叫した。


落下は短かったが、恐ろしいものだった。息が詰まるほどの壊滅的な衝撃と共に、完全な暗闇の中へと激突した。食人族の島ですでに負傷していた右脇腹から、鉛の配管と滑りやすい瓦礫の山の上へと叩きつけられる。

骨が折れる鈍くおぞましい音が暗闇に反響し、直後に数秒間視界が完全にブラックアウトするほど純粋で真っ白な、刺すような激痛が走った。

暗闇の中からHUDが暴力的に浮かび上がり、断続的で致死的な赤い光で脈打つ。

赤いピクセルの奔流となって、2つのハートが砕け散った。


【体力:2/6】

【ステータス:重傷(クリティカル)。複数の骨折を検知】


エリアスは胎児のように体を丸めて地面に横たわり、顔の下を流れる汚水の中へと唾液と血を吐き出した。悪臭は凄まじく、メタンガスと排泄物、そして錆が濃縮された匂いに涙が滲んだ。トンネルの真下にある「下水道」に落ちたのだ。

痛みは脇腹と右脚を焼き尽くす業火だった。呼吸をするたびに、焼けた針が肺に突き刺さる。肋骨が折れ、おそらく脛骨(すねの骨)にもひびが入っていることがわかった。

ほんの一瞬前まで明晰で勝利に酔っていた彼の精神は、混沌と自己嫌悪に飲み込まれた。


「俺は馬鹿だ……」震える両腕で身を起こそうとしながら、怒りに涙を滲ませて彼は喘いだ。「うぬぼれたクソ馬鹿野郎だ」

今や、すべてに説明がついた。『プロトコル0』のAIは、彼を助けるためにあの物資だらけの部屋を用意したわけではなかった。「心理的な撒き餌」だったのだ。システムは彼のコンプリート主義者としての本能を完璧に理解していた。インベントリを満たしてやれば彼の傲慢さが引き出され、歩調を速めて足元の床への警戒を怠るだろうと計算していたのだ。

「またしても奴を過小評価しちまった」苔でぬめる壁にようやく背中を預けて座り込みながら、彼は唸った。残されたハートはたったの2つ。恒久的な死の一歩手前だ。どんな感染生物であれ、あと1発か2発攻撃を食らえば、彼の大脳皮質崩壊は確定する。

「今度こそマジでヤバいぞ。あと一歩でも踏み外せば、俺は塵になる」


純粋な意志の力で肉体的な苦悶をねじ伏せ、彼は無理やり立ち上がった。右脚が震えて今にも崩れ落ちそうになり、重く足を引きずることを余儀なくされる。懐中電灯は持っていなかったが、頭上の換気ダクトの格子から緑がかった微かな非常灯の光が差し込んでおり、圧迫感のある暗闇を辛うじて切り裂いていた。

薄明かりが、新しい牢獄の輪郭を照らし出した。そこは太い鉄格子で閉ざされた水門室の内部で、メインの下水網からは完全に隔離されていた。泥水の深さは足首まで達している。

鉄格子の扉を押してみたが、動かなかった。ロック部分に、錆びついた巨大な工業用南京錠が掛けられていたのだ。


エリアスは痛みで歪んだ笑みを浮かべた。「いつも同じパターンだな」重いパイプレンチを抜く。歯を食いしばり、必要な力を計算した。

工具を振り上げ、叩き込む。ガァン! 右腕全体に激痛を伴う振動が突き抜けた。南京錠がへこむ。

もう一度叩き込む。ガァン! 金属に亀裂が入った。

最後の力を振り絞り、3発目の一撃を振り下ろした。南京錠が粉々に吹き飛び、鉄格子を押して外へ出られるようになった。

「消費弾数ゼロ、と」冷や汗を拭いながら喘いだ。「上出来だ」


だが、不安は消えなかった。独房を出ると、そこは広い下水の本管(コレクター)だった。中央には黒い水が勢いよく流れる水路があり、その両脇にコンクリートの歩道が並んでいる。歩道の両側面に、エリアスはいくつかの窪み(アルコーブ)があるのに気づいた。右側に鉄格子で閉ざされた独房が2つ。左側にも閉ざされた独房が2つ。

水路の突き当たり、彼の真正面には、照らし出されたハッチへと続く鉄製の階段があった。上層のトンネルへと戻る出口だ。

(単純すぎるな)歩道に沿ってゆっくりと足を引きずりながら、彼は推論した。水面に反射する下水道の微かな光を利用し、右側の独房の中を覗き込む。内部にはボロボロの服の切れ端、錆びた鎖、そして人骨がうっすらと見えた。視線を左側へと移す――同じように不気味な光景だった。


(ただの背景オブジェクトだ)彼は推測した。(マップに雰囲気を出すための背景アセットで、干渉できるアイテムはない。外へ出るしかなさそうだ)

鉄の階段へと歩み寄る。冷たい手すりを掴み、疲労で息を切らしながら金属の段を登り始めた。階段の真ん中あたりまで登り、ハッチのハンドルに向かって手を伸ばした、その時。


ガンッ!!


耳をつんざく轟音が構造全体を震わせた。さっきまで半開きだった金属製のハッチが上から完全に密閉され、手の届かない油圧機構によってロックされたのだ。

エリアスは目を見開いた。同時に下の方から、古い蝶番が軋むおぞましく長い音が聞こえてきた。

ゆっくりと振り返る。1秒前まで彼が「背景の飾り」として分類していた4つの独房の扉が、一斉に大きく開いたところだった。


4つの部屋の暗闇から、連中が現れた。2体や3体ではない。「8体」のゾンビだ。一歩ごとに灰色に腐りきった肉が骨から剥がれ落ち、白濁した目が暗闇の中で光っている。詰まったようなうめき声を漏らしながら2本の歩道の上を這いずり、階段の途中で閉じ込められた唯一の生きた獲物――エリアスに向かって進んでくる。

生存本能が命じた最初の反応は、ベレッタを抜いて上から射撃の的(シューティング・ギャラリー)にすることだった。高所の優位性(ハイグラウンド)は、あらゆる戦略的シューティングの基本だ。階段は完璧な戦術的漏斗(チョークポイント)として機能するはずだった。


だが直後、レベル1での記憶が背筋を凍らせながら蘇った。

配管のアリーナ。安全な梯子の上からナイフで鈍重なゾンビの群れを処理した時のことだ。『システム』はそのエクスプロイト(仕様の悪用)を記録し、彼に手が届く2体の巨大な変異体を即座に出現させることで彼を罰した。

(もしこの階段の上から撃ち下ろしたら)血が凍るような恐怖と共に、エリアスは理解した。(このクソゲーは俺のポジションを『基本の群れでは攻撃不能(安地)』と判定する。バランスを取るためにこの階段の真上に強化変異体をスポーンさせるか、階段そのものを崩落させてくるはずだ)

システムはリスクを冒すことを強制していた。接近戦(乱戦)を要求していたのだ。


AIに対する怒りの悪態をつきながら、エリアスは歩道の上で隅に追い詰められるのを避けるため、階段を急いで駆け下り、中央の水路の中へと文字通り飛び込んだ。汚水が膝の高さまで達し、動きは鈍くなったが、怪物たちと同じ高さの平面に立った。

最初の3体のゾンビがコンクリートの縁から身を乗り出し、腐りかけの両腕を伸ばしてくる。

エリアスはベレッタを抜いた。たった今装着したばかりのサプレッサーのおかげで銃の重心が前方へと寄り、反動(リコイル)が劇的に軽減されていた。呼吸を整え、肋骨の目もくらむような激痛を無視して照準を合わせる。

パスッ。パスッ。パスッ。

くぐもった発射音は、彼の耳には心地よい音楽のように響いた。3発の銃弾が頭蓋骨を真っ直ぐに撃ち抜く。怪物の頭部がピクセルの雨となって爆発し、3つの死体が黒い水しぶきを上げながら水路へと重く落下した。

残りの4体が彼を包囲し、水路へと降りてこようとする。

パスッ。パスッ。パスッ。パスッ。

さらなる致死的な連射。何千時間もの競技シューティング(FPS)で研ぎ澄まされたエリアスの精度は、体力が限界に達した状態でも彼を裏切らなかった。さらに4体の死体が力なく崩れ落ちる。


残るはあと1体だけ。より大柄で、作業服のボロボロの残骸を着ており、背後の水の中をよろめきながら前進してきていた。

エリアスは頭の中で素早く残弾を確認した。すでに7発消費している。(たった1体のために、もう1発たりとも無駄にしたくない)滑らかで必死な動きで銃をホルスターに戻し、右手でパイプレンチを、左手でタクティカルナイフを抜いた。

ゾンビが飢えたうめき声を上げて顎を開き、すぐ目の前に迫る。

エリアスは泥の底に両足を踏ん張り、右腕を振りかぶって重いパイプレンチをゾンビの脇腹へと叩き込んだ。致命傷にはならなかったが、重要なメカニクス――『スタッガー(体勢崩し)』を発動させた。怪物がピタリと動きを止め、気絶して両腕をだらりと垂らす。


その正確なフレームで、エリアスは前方へと踏み込んだ。運ではなくゲームエンジンの固定メカニクスを信頼し、食人族の村で発見したのと全く同じ近接コンボを実行したのだ。気絶したアンデッドの頭蓋骨に向かって、素早く残忍なナイフの4連撃を叩き込む。

1、2、3、4。

4回目の斬撃で、怪物の不可視のHPゲージがゼロになった。死体は一度だけ痙攣し、黒い水の中へと重く崩れ落ちた。


戦闘は終わった。

エリアスはコンクリートの壁に寄りかかり、荒い息を吐いた。8体の感染者の死体が黒いピクセルとなって溶けていくのを見つめながら、何かドロップ品がないか周囲を見回す。救急キットでも、銃弾1発でも、何でもよかった。

水は再び澄んで流れ始めた。惨めなドロップ品1つすら残されていなかった。

「最後までケチなクソコードめ」エリアスは呟いた。

だが、最後のピクセルが消滅した瞬間、空気圧のシューという音が空気に木霊した。階段の頂上で重いハッチが自動的に開き、上層のトンネルの冷たい光で下水を照らし出したのだ。待ち伏せを生き延びたのだ。


痛みに足を引きずりながら鉄の階段を這い上がり、敷居を跨いでついに下水道から脱出した。

出迎えた光景に、彼はピタリと足を止めた。開けっ放しにされたマンホールから顔を出した先は、トンネル内で横転して道を塞いでいる巨大なトレーラー(大型トラック)のちょうど腹の下だったのだ。周囲は排気ガスと埃で飽和していた。

車両のすぐ外側では、腐りかけの2体のゾンビの両脚があてもなく動き続けていた。低い唸り声を上げながらトラックの周りをうろついており、事実上彼の脱出ルートを塞いでいる。もし這い出して立ち上がろうとすれば、その隙に攻撃され、残りハート2個の今の状態では確実な死を迎えることになる。


巨大なエンジンブロックの下に身を隠したまま、エリアスはその光景を観察した。怪物たちの硬直した膝を見る。突然、乾いたヒステリックな苦笑が唇から漏れた。

「信じられねえな」タクティカルナイフを抜きながら、彼は囁いた。「このグラフィックエンジン……旧式だぞ。このモブども、標準のリグ(骨格データ)しか入ってない。しゃがむことができないんだ」

2000年代初頭のビデオゲームにおける基本的な仕様だった――専用のアニメーションスクリプトが組まれていない限り、通常の雑魚敵は動的にY軸(高さ)の姿勢を変えることができないのだ。プレイヤーが障害物の下で伏せ(プローン)状態になると、AIはどうやって攻撃していいかわからなくなる。


エリアスはトラックの縁まで這い進んだ。ゾンビの1体がすぐに彼を見つけ、金属の車体に体を押し付けながらエリアスの頭上で両手を振り回したが、身をかがめて彼を掴むことができなかった。

なんの苦労もなく、エリアスは攻撃を開始した。怪物の腐りかけた足首にナイフを突き立てる。1回、2回、3回。怪物は部位別のダメージリアクションすら起こさず、ただ見えない障害物に向かって歩き続けている。エリアスはそのまま斬り続けた。脚への10回目の連続斬撃で怪物の不可視の体力ゲージがゼロになり、死体が地面へと崩れ落ちた。

2体目も同じ運命を辿った。ふくらはぎへ正確なナイフ攻撃をさらに10回叩き込み、道が完全に開けた。

「馬鹿げてやがる」埃とグリスにまみれてトラックの下から這い出しながら、エリアスは評した。「このゲームは天才的でサディスティックな時もあれば、石ころみたいに間抜けな時もある。あるいは、俺が賢く立ち回れていると錯覚させるために、わざとこういう抜け道を用意しているのかもな」


視線を上げ、常に右上に固定されている時間インターフェースを確認した。

【大脳皮質崩壊まで:02:57:19】

不安の塊が喉を締め付けた。残り3時間を切っていた。時間が蒸発し、それと共に彼の命も消えつつある。「動かないと。それも大急ぎでだ」

トラックを越えるとトンネルは広がったが、そこは「車両の墓場」と化していた。放棄された何十台もの乗用車、バン、そしてバスの残骸が、乱雑な金属の橋のようなものを作り出している。だが、本当の問題は障害物コースではなかった。

彼の右手側、車両群とトンネルの壁の間の広い通路にひしめき合うようにして、途方もない大群(ホード)が待ち構えていたのだ。少なくとも30体のゾンビが互いに折り重なり、死肉の海のように波打っていた。

エリアスが最初の車のボンネットの上に一歩足を乗せた瞬間、群れ全体が一斉に彼の方へと振り返った。喉の奥からの咆哮の轟音がトンネル内に立ち昇る。


「くそっ」状況を天秤にかけながら、エリアスは吐き捨てた。見つかった。もし正面から戦うことを選べば、ベレッタの全弾、ショットガンのシェル4発、閃光弾を使い切り、残りをナイフで処理する羽目になるだろう。さっきの仕様悪用(エクスプロイト)は面白かったとはいえ、30体を近接攻撃で殺すには現実の時間で30分はかかる。長すぎる。死刑宣告に等しい。

うめき声が漏れるほどの痛みを伴う跳躍で、エリアスは車のボンネットから一列に並んだバンのルーフ(屋根)の上へと飛び乗った。30体のゾンビが車両の側面に押し寄せ、上に向かって両手を伸ばしながら彼に届こうと群がる。

だが、物理エンジンの制限が再び彼を救った。予想通り、基本のアンデッドには「よじ登る」アニメーションが実装されていなかったのだ。うめき声の混沌の中で金属の車体にぶつかりながら、地上から彼を追いかけることしかできなかった。


エリアスは放棄された車列のルーフの上を走る非現実的なランニングを開始した。ジャンプするたびに、ひび割れた肋骨に拷問のような激痛が走る。下から唸り声を上げる群れにエスコートされながら、彼の体重の下で金属がきしんでへこんだ。

だが不幸なことに、車両の列は無限には続いていなかった。金属の橋の終点に到達する。最後の車両は大型の装甲SUVだった。そこから先のトンネルの床は、怪物たちで埋め尽くされていた。

包囲されたまま、エリアスはルーフの上で足を止めた。トンネル自体は分厚いコンクリートの壁で行き止まりになっているように見えたが、彼は決定的なディテールに気づいた。ちょうど彼の真上で、天井から外れた太いアルミ製の換気ダクトが下向きに折れ曲がり、SUVのルーフの上にスロープ(坂)のように寄りかかっていたのだ。

ダクトは左側の壁に開いた穴へと繋がっており、微かな赤い光に照らされた脇部屋へと続いていた。一方、メイントンネルの出口である重厚な緑色の鋼鉄扉は、群れの向こう側、彼の真正面約20メートルの場所にあった。


(どっちへ行くべきだ?)ストレスで頭を脈打たせながら自問した。(閃光弾を投げるにしても、30体のゾンビのど真ん中に飛び降りて出口まで走るのは自殺行為だ。だがダクトを登れば脇部屋へ行ける。そしてビデオゲームにおいて、到達困難な脇部屋には常にステージボス用の装備――最高の戦利品(ルート)が隠されているものだ)

エリアスは歯を食いしばった。さっき手痛い罰を受けたばかりだというのに、染みついた習性は簡単には消えなかった。「あの部屋を調べる必要がある。ここがステージの終盤なら、重火器や強力な物資が必要になるはずだ」


ためらうことなく、エリアスは傾いた換気ダクトの金属板をよじ登った。胸の激痛で意識を失いそうになるほどのタイタン級の努力で狭い通路を這い進み、左側の脇部屋へと出た。

そこは放棄された古い変電所で、錆びた変圧器と破壊されたコントロールパネルで埋め尽くされていた。

エリアスは即座に作業に取り掛かった。熱に浮かされたように室内を漁り始める。木箱をひっくり返し、ガラスパネルを割り、ロックされた金属の引き出しを探った。アサルトライフルやグレネードランチャー、強力な医療キットを探していた。埃と暗闇に挑みながら、部屋の隅々まで確認する。

時間が過ぎていく。右上のカウンターが減っていくのを絶えず目にしながらも、頑固さが彼の目をくらませていた。

果てしない4分間の狂乱的な探索の末、エリアスは敗北感に打ちひしがれて壁に崩れ落ちた。

何もない。文字通り、何ひとつなかった。部屋は空っぽだった。完全かつ絶望的に空っぽだった。

「またしてもクソッタレなレベルデザインの罠かよ」手のひらで自分の額を叩きながら、彼は吐き捨てた。「探索マニアをハメるために設計された罠だ。システムにまたしても俺の寿命を4分間もタダ働きで燃やされたぞ」


苛立ちに満ちて壁の穴から身を乗り出し、下を覗き込んだ。30体のゾンビはまだそこにいて、彼が降りてきて喰われるのを待ちながらダクトの下に密集していた。出口の扉はまだ奥に見えているが、道は腐肉の壁によって完全に塞がれている。

その時、戦術的なひらめきが彼の瞳に光を灯した。

「この無意味な部屋にアイテムがないのなら……『空間』があるじゃないか」

穴から身を乗り出し、エリアスは強く口笛を吹くと、ダクトの金属の上でベレッタの銃身をガンガンと叩き始めた。金属音がトンネル内に反響する。群れ全体が激しく反応し、音源に辿り着こうと狂ったように互いを押し合い始めた。

エリアスは彼らを誘導しながら、ゆっくりと部屋の奥へと後ずさりした。ジャンプする必要がないため、先頭のゾンビたちが傾いたアルミのダクトのスロープに沿って苦労しながら這い上がり始めた。

部屋の中へと群れをおびき寄せていたのだ。


群れの約4分の3が小さな変電所の中へと入り込み、室内を完全に埋め尽くしたところで、エリアスは2個ある閃光弾のうちの1個を抜いた。安全ピンを抜き、密集した集団のど真ん中へと投げ込む。

「伏せろ!」自分に叫び、目を閉じて壁の方へと鋭く背を向けた。

爆発音は耳をつんざくほどだった。マグネシウムのように純粋な白い光の閃光が空間を飽和させ、アンデッドたちの感覚を完全にゼロにする音響衝撃波が伴った。怪物たちは目をくらまされて気絶し、唸り声を上げながらその場で硬直した。

エリアスは1秒も無駄にしなかった。あらゆる肉体的な痛みを黙らせるアドレナリンの爆発と共に脇部屋から飛び出し、ダクトから装甲SUVのルーフの上へと再びジャンプした。

そのまま前転してトンネルの床に重く着地し、走り出した。閃光弾の余波でまだ方向感覚を失っている、外に残っていたごくわずかなゾンビたちの横を必死の形相で全力疾走してすり抜ける。

無傷のまま危険ラインを突破した。重厚な緑色の鋼鉄扉の前に到達する。ためらうことなく重いハンドルを下ろして敷居を跨ぎ、背後で扉を閉めてロックした。


気絶から立ち直った怪物たちの鈍く猛烈な打撃音が反対側から金属を叩き始めたが、エリアスは気にしなかった。やり遂げたのだ。感染エリアから脱出した。


彼が出た空間は、トンネルとは鮮明な対比を描いていた。完璧なハロゲンライトの列に照らされた、清潔で巨大な地下の円形アリーナだった。壁は強化金属でできており、エリアの中央には一段高くなった広いコンクリートのリングがある。絶対的な静寂が支配し、彼の荒い呼吸音だけがそれを破っていた。

「円形のアリーナ。中央に障害物なし。遮蔽物もなし」サプレッサー付きのベレッタを即座に抜きながら、エリアスは分析した。「来たな。ボス戦だ」

心臓が狂ったように早鐘を打つ。今にも床が揺れて変異した巨像が飛び出してくるか、あるいは秘術の力を持つ別の巨大な呪術師が現れるのではないかと身構えた。残りハート2個の状態でこの部屋を生き延びるため、全武器庫を空にする覚悟で歯を食いしばる。


アリーナの照明がグリッチを起こし、激しく明滅し始めた。ノイズ音が空気を満たす。

コンクリートのリングの中央で、白と黒のピクセルの渦の中から何かが実体化しつつあった。

エリアスは息を止め、銃口を向けた。だが、形を成した人影は変形した肉の怪物ではなかった。触手もなければ、タイタンのような鉤爪もない。

ひとりの「少年」だった。

人間の。

エリアスと同じくらいの年齢か、あるいは数歳下だろう。擦り切れたジーンズと、血で汚れた破れたウインドブレーカーを着ていた。その顔は純粋な恐怖の仮面と化しており、目の下のクマとストレスで頬がこけ、玉のような汗を浮かべている。エリアスのベレッタと全く同じ拳銃を握る彼の手は、激しく震えていた。

だが、最も衝撃的だったのは彼が人間の姿をしていたことではなかった。彼の頭上数十センチの空間に、冷たく無菌的に浮かび上がっていたホログラムの文字だった。

シンプルな2つの赤い単語。


【PLAYER 2(プレイヤー2)】


エリアスは血管の中の血が凍りつくのを感じ、わずかに銃口を下げた。「なんだよ、これ……」彼は囁いた。

まさにその瞬間、隠されたスピーカーから流れる感情の一切ない合成された女性の声によって、部屋の静寂が引き裂かれた。

エリアスは本能的に自分の視界の右上――自分のタイマーが脈打っている場所へと視線を上げた。

システムの声が、澄み切った完璧な響きで空気中に時間を告げた。『エリアス。大脳皮質崩壊まで:2時間49分37秒』

続けて、システムは標的を変えた。部屋の中央で怯える少年の死刑宣告を読み上げたのだ。

『プレイヤー2。大脳皮質崩壊まで:0時間41分12秒』


その啓示は、大槌で胸のど真ん中を殴られたかのような威力で彼を打ち据えた。倒すべき怪物などいなかった。この部屋で打ち破るべきドラゴンも、悪魔も、AIも存在しなかった。

『プロトコル0』はたった今、その最もサディスティックで腐りきった本性を露わにしたのだ。真のエンターテインメントの形を。これは協力プレイ(Co-op)のゲームではなかった。助け合うためにここにいるのではない。システムは彼らを互いに対峙させ、死闘を繰り広げる動物のようにひとつの檻の中に閉じ込めたのだ。そして殺し合いを促進するために、唯一価値のある通貨――『時間』をテーブルの上に乗せた。


エリアスは少年を見た。反対側にいる彼もまた、その放送を聞いていた。彼もまた、理解した。

残り41分。プレイヤー2は、事実上「歩く死体」だった。これほどわずかな残り寿命でこの部屋に辿り着くまでに、あの少年がどんな地獄をくぐり抜けてこなければならなかったのか、エリアスには想像することしかできなかった。商人との妥協。犠牲にした物資。そして今、プレイヤー2にとっての唯一の救済は、エリアスが持っている「約3時間の寿命」を奪い取ることだけだった。

生きるか、死ぬか。ゼロサムの数学的計算だ。


二人の視線が交差した。どちらも一言も発さなかった。言うべき言葉など何もない。その視線の凍りつくような虚無の中に、エリアスは粉々に砕け散った自分自身の魂が映っているのを見た。

憐れみはコンマ数秒しか続かず、直後に動物的な自己保存の本能が主導権を握った。

少年が絶望と狂気の詰まった叫び声を上げ、素早く銃を持ち上げて照準を合わせた。

だが、まだ同胞を殺したことがない素人(ノービス)特有のためらいが、彼にとって致命傷となった。エリアスは素人ではなかった。良心が止めるよりも先に、彼の肉体が動いた。何年ものデジタルな銃撃戦で鍛え上げられた筋肉記憶(マッスルメモリー)が、彼の存在のすべてを完全に掌握したのだ。


サプレッサー付きのベレッタを持ち上げ、胴体の中央(センター・オブ・マス)に照準を合わせた。

パスッ。

単発の、乾いた、無慈悲な一撃だった。

プレイヤー2の指が引き金を引き切るわずか1ミリ秒前に、エリアスの銃弾が空気を切り裂いた。処刑人の外科的な正確さで、少年の胸のど真ん中に着弾する。

プレイヤー2の手から銃が滑り落ちた。少年はショックで目を見開き、まず黒い血で染まった自分の胸を見下ろし、それからエリアスを見た。その瞳に怒りはなく、ただ深く壊滅的な「悲しみ」だけが宿っていた。膝から力が抜け、アリーナの金属床の上に鈍い音を立てて前のめりに倒れ込んだ。


エリアスは腕を伸ばしたまま石のように固まり、サプレッサーの先端から細い煙が立ち昇った。

呼吸が止まっていた。力の抜けた手から銃が滑り落ち、地面に転がる。

勝利の安堵感などなかった。ステージをクリアした満足感もない。あるのは胃袋を喰らい尽くす、黒く凍てついた埋めようのない深い虚無だけだった。

「殺した……」ひび割れた声で、彼は囁いた。「本物の人間を、殺しちまった」


ゾンビや怪物たちとは異なり、プレイヤー2の肉体はグリッチやピクセルとなって消滅しなかった。そのままそこに残っていた。リアルで、悲劇的なほどに生々しく。真紅の血の染みが床の上にゆっくりと広がり始め、磨かれた金属を汚していく。

エリアスの脳内に今まさに開いた道徳的な深淵など意にも介さず、システムの合成音声が再び割り込み、血の儀式の完了を告げた。


【敵対的リソースの獲得完了】


命を失った少年の肉体から黄金の光の束が剥がれ落ち、エリアスに向かって素早く流れ込んだ。エリアスのHUDが暴力的に更新され、犠牲者の残存寿命が彼の寿命へと加算される。


【プレイヤー2から獲得した時間:+00:41:09】

【レベル2クリア報酬タイム追加:+60分】


動かなくなったプレイヤー2の死体から、少年が個人的な地獄の中で必死に集めてきた装備品が浮かび上がり、略奪される準備が整った。

エリアスは自分がハゲタカになったような気分を味わいながら、ゆっくりと死体に歩み寄った。流すことを拒んだ涙で視界を滲ませ、震える両手で死者の遺産を拾い上げる。

血に濡れた『ケブラー製防弾チョッキ』。

稼働する『電池式懐中電灯』。

そして、貴重な9mm弾が「21発」入ったへこんだ箱。


エリアスは装備を整えた。汚れたジャケットの上から重い防弾チョッキを着込み、その重みが物理的な防御だけでなく、狂っていく外の世界に対する防壁にもなってくれることを願った。断ち切られた命から奪い取った銃弾を、ベレッタへと装填する。

レベル3のローディングと商人への不可避な帰還に向けて部屋の照明が再び溶け合いグリッチを起こし始める中、エリアスは最後にもう一度インベントリを呼び出した。自らの人間性と引き換えに手に入れた、インターフェースの冷たく無表情な数字を見つめる。


--- 最終装備確認(レベル2クリア時点) ---

【銃火器】

・サプレッサー付き9mmベレッタ:残り43発(ベース22発+P2から奪った21発)

・ショットガン(12ゲージ):残り4発

【遠距離/近接武器】

・骨の弓:残り3本

・タクティカルナイフ:1本

・大型パイプレンチ:1本

【投擲武器/戦術ツール】

・閃光弾(フラッシュバン):残り1個(群れに1個使用)

・電池式懐中電灯:1個

【防具】

・ケブラー製防弾チョッキ:装備中

・宇宙服:コマンドでいつでも装備可能

【体力・ステータス】

・ハート:2/6

・精神状態:壊滅的。罪悪感に苛まれ、道徳的に深く傷ついた状態

・所持通貨(残り寿命):04:30:46(残り02:49:37+P2の00:41:09+クリアボーナス60分)


商人の『聖域』へと彼を連れ戻すローディングの暗闇に飲み込まれる直前、エリアスの最後の思考は、足元の死体に向けて誓った無言で獰猛な約束だった。

(このゲームを支配しているのが何であれ……必ず見つけ出してやる。そして、粉々に破壊してやる)


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