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第2章:レベル1 ― 直線状の迷宮 ~ゲーマーの探索術で隠し部屋を暴き、ショットガンを手に入れる~

エリアスは研究員の死体を背後に残し、回廊をゆっくりと前進した。肩と首の痛みはまだそこにあり、これがシミュレーションなどではないことを絶えず生々しく脈打って知らせていた。空気は重く、香港の地下にあるこの極秘研究所全体に染みついた化学消毒剤と錆びた鉄の悪臭で飽和している。呼吸は喘ぎ声のようだったが、彼の頭脳はこの新しく恐ろしい現実へと順応し始めていた。


汚物でぬめる金属格子をブーツで踏みしめながら、エリアスは「ゲーマーの臨床的な目」で周囲の環境を分析し始めた。この世界のルールを理解する必要があった。ここはあらゆる隅に秘密や複数ルートが隠されたオープンワールド型のサバイバルホラーなのか、それとも迷宮を装った一本道(リニア)の回廊なのか? 重い9mmベレッタのマガジンに残されたわずかな弾数を考えれば、この見極めは生死を分ける問題だった。もし道がひとつしかないのなら、無駄な戦闘を避けて可能な限り弾薬を温存しなければならない。


回廊の右側の壁には、重い金属製の扉がいくつも並んでいた。エリアスは最初の扉に歩み寄り、錆びたドアノブを掴んだ。びくともしない。鍵がかかっているのではない。そもそも「開くようにプログラムされていない」のだ。2つ目の扉へ移動し、怪我をしていない方の肩で押してみた。枠に溶接されているかのようだった。苛立ちながら3つ目、4つ目の扉も試す。銃把(グリップ)で叩き、隙間を探し、蹴り破ろうとしたが、無駄だった。周囲の鉄筋コンクリートの壁と同じくらい頑丈だった。これらは「ダミーの扉」だ――広大だという錯覚を与えるために建築物に貼り付けられた単なる視覚的イリュージョン(背景テクスチャ)。ゲームは彼を漏斗(ろうと)の中へと誘導していた。進むべき道はひとつしかない。


開かない4つの扉を通り過ぎると、回廊の構造があり得ない角度で折れ曲がり、他の扉よりわずかに奥まった場所にある「5つ目の扉」が現れた。エリアスがノブを下ろすと、今度は鈍い音を立ててロック機構が外れた。


そこは小さな部屋で、かつては仕分け用のオフィスだった場所のようだった。照明は薄暗かったが、部屋の中央にあるスチール製のテーブルを照らすには十分だった。その上には、微かな蛍光灯の光に照らされて1本のガラス製アンプルが置かれていた。内部では濃密な緑色の発光液が輝いており、周囲の腐敗の中でそれだけが独自の命を持って脈打っているかのようだった。


エリアスはアンプルを見つめた。脳内で、湾仔の散らかったアパートでの古い生活と、このデジタルの地獄との境界線が曖昧になり続けていた。「もしこれが本当にビデオゲームなら」乾いた喉で彼は独り言を呟いた。「こいつは回復アイテムのはずだ」


迷うことなく栓を抜き、ガラスの口を唇に当てて緑色の液体を飲み干した。合成ミントと純粋なオゾンを混ぜ合わせたような化学的な味――ここに到着した時に肺を満たしたあの匂いと同じ味がした。冷たい戦慄が背骨を駆け抜ける。突然、この世界を司る不可視のHUD(ヘッドアップディスプレイ)が更新された。視界の左上に輝くシンボルが現れる――5つの真紅の『ハート』だ。すべて完全に満たされている。首の刺すような激痛が消え去り、麻酔のような心地よい痺れへと取って代わられた。


視線を右上へと移す。彼の存在の上にぶら下がる無慈悲なタイマーは、容赦なくカウントダウンを続けていた。


【大脳皮質崩壊まで:05:47:29】


活力を取り戻したエリアスは、テーブルの残りの部分を調べた。アンプルの台座の隣、埃の層の下に色褪せた小さな厚紙の箱を見つけた。震える手で開ける。ベレッタの銃弾だった。素早くマガジンに装填する。これで手持ちの弾は合計「8発」になった。まだ絶望的なほど少ないが、ゼロよりはマシだ。


エリアスはサバイバルホラーというジャンルを熟知していた。暗い自室で何十本ものタイトルを解剖し、開発者が常に「徹底的な探索」に報酬を与えることを学んでいた。たった8発の弾丸では、何ひとつ見落とす余裕はない。彼は部屋の隅々まで調べ上げ、あらゆるオブジェクトの当たり判定(コリジョン)をテストすることに決めた。


黄ばんだ書類をどかし、歪んだ金属製キャビネットの引き出しを開け、隠しスイッチがないか壁を手探りで調べる。その時、東側の壁に斜めに掛けられた額縁に気づいた。時代遅れの医療図解が描かれている。エリアスはそれを掴み、壁から乱暴に引き剥がした。額縁の後ろ、コンクリートの小さな窪みに押し込まれるようにして、さらに2発の貴重な9mm弾と、半分に折りたたまれたラミネート加工のシートが見つかった。


2発を装填する。合計10発だ。それからシートを広げた。

『レベル1のマップ』だった。

エリアスは平面図を調べ、金属格子の上で目覚めた地点から自分が辿ってきたルートを指でなぞった。細部を観察するうち、心臓が大きく跳ねた。さっき通り過ぎた4つの部屋――開けることが不可能に思え、ダミーの扉だと分類したあの部屋のうちの1つが、マップ上では明確に「進入可能」として描かれていたのだ。


(壁じゃなかったのか)エリアスは歯を食いしばって考えた。(鍵がかかっているんだ。ロックを解除するための鍵か、特定のキーアイテムが必要なんだ)


何ひとつ取りこぼさないと彼は決めた。この残酷な世界では、たったひとつの物資が生死を分ける。あの扉を開ける方法を見つけ出す。だがそのためには適切なアイテムが必要だった。このセクターでまだ探索していない唯一の場所は、マップに記された次の部屋――『実験室』だけだった。


エリアスは安全な部屋を後にし、銃をしっかりと握りしめた。手のひらに伝わる冷たい鋼鉄の感触が、支配権を握っているという幻想を与えてくれる。低い天井を血管のように脈打つパイプに沿って再び歩き出し、実験室へと向かった。


重い両開きの扉の前に到着すると、彼はピタリと足を止めた。金属の向こう側から、明確で紛れもない音が聞こえてきた。足音。足を引きずる音。喉の奥からの唸り声とくぐもったうめき声。エリアスは目を閉じて集中し、耳を澄ませた。別々の個体が3体。中に3体の怪物が待ち構えている。


エリアスは頭の中で素早く計算した。手持ちの弾は10発。1発たりとも無駄にせず、すべて排除しなければならない。死の空気を肺いっぱいに吸い込んで深呼吸をすると、蹴り一発で扉を大きく蹴り開けた。


部屋の内部は破壊された機材と割れたガラスの屠殺場だった。灰色の皮膚とガラス玉のような虚ろな目をした3体のゾンビが、一斉に彼の方へと振り返った。エリアスはためらわなかった。エイムアシストも体力ゲージもない。あるのは彼の冷徹な決意だけだ。


ベレッタを構える。バン!

外科的な正確さで放たれた最初の1発が、一番近くにいた怪物の額のど真ん中を撃ち抜いた。頭蓋骨が割れ、怪物は即座に地面へと崩れ落ちた。まず1体。

エリアスは素早く照準を2体目へと移した。そいつはちょうど彼に向かって歩調を速め始めたところだった。バン!

またしても完璧で鮮やかなヘッドショット。死体はひっくり返ったテーブルの上へとぐったりと倒れ込んだ。これで2体。

残弾は8発。


3体目のゾンビは違っていた。ちぎれた片脚を引きずり、詰まったような喘ぎ声を漏らしながら、苛立たしいほどの遅さで動いていた。敵が鈍重だったため、エリアスは接近戦(メレー)をテストする絶好の機会だと判断した。銃をホルスターに戻し、最初の部屋で見つけたタクティカルナイフを抜く。


腐りかけの両腕を俊敏にかわしながら怪物に接近し、斬りつけた。こめかみを真っ直ぐに狙った一閃。カツン。

刃は標的を捉えたが、エリアスは恐怖と好奇心を同時に覚えながら、ナイフがゾンビの頭蓋骨に突き刺さらないことに気づいた。ゲームの物理エンジンがそれを許可していなかったのだ。どれほど力を込めても、刃は見えない壁を叩いているかのように骨に当たって跳ね返った。攻撃モーションは標準化されていた――ナイフで頭部か胴体を攻撃することは選べるが、あらかじめ決められたアニメーションが再生されるだけで、動的な部位欠損や複雑な切断は発生しない仕様だった。


それでも、衝撃は怪物の不可視のヒットポイント(HP)を確実に削っていた。エリアスは攻撃を続けた。頭部へ2発、3発、4発と鈍い打撃を叩き込む。5回目の斬撃で、ゾンビは最後のうめき声を漏らし、床へと力なく崩れ落ちた。


ついに部屋がクリアになり、探索の自由を得た。何度も叩きつけたにもかかわらず無傷のままのナイフを鞘に収め、室内を徹底的に漁り始める。消耗を伴うおぞましい作業だった。割れたアンプルの下に手を突っ込み、凝固した血で汚れた手術台のシーツの間を探り、不規則な唸りを上げる巨大なコンピュータ機器の裏側へと潜り込んだ。


そしてついに、壁に埋め込まれた遺体安置用の保冷庫のひとつを開けた時、それを見つけた。氷のように冷たいスチール製のトレイの上に、色褪せた企業のロゴが刻まれた『磁気カードキー』が置かれていたのだ。即座にそれをポケットへしまい込む。その後も20分間にわたって実験室の隅々まで調べ上げたが、他には何も見つからなかった。ここの物資はこれで全部だ。


エリアスはひとり頷いた。これで鍵は手に入った。開けられなかったあの部屋へと引き返す時だ。暗い回廊を逆戻りし、マップに記された重厚な金属扉の前に再び立った。


アイテムを使おうと歩み寄ったが、彼は足を止めた。扉を上から下まで眺める。差し込み口(スロット)がない。磁気チップも、カードリーダーも、目に見える端末も一切なかった。扉は滑らかで難攻不落に見えた。


「ここにあるはずなんだ」エリアスは苛立ちながら唸り、あらゆる場所を試し始めた。側面の隙間にカードを滑らせ、扉の中央に押し当て、蝶番の継ぎ目にすら差し込もうとした。何の反応もない。

諦めかけたその時、重い金属板と工業用グリスで汚れた床の格子が接する足元に視線が落ちた。底の部分に、極めて細い隙間があった。半ばヤケになりながら、エリアスは膝をつき、扉の下の隙間に磁気カードキーを差し込んで床の上を滑らせた。


カチリ。


ロック機構が瞬時に作動した。重い油圧ピストンがシューと音を立て、扉が内側へと開いた。

エリアスは最悪の事態に備えて銃を構え、敷居を跨いだ。だが部屋は無人だった。敵もいなければ、罠もない。たった1つのスポットライトが、正面の壁に堂々と掛けられた唯一のアイテムを照らし出していた。


「ショットガンか……」狭い部屋に声を反響させ、エリアスは声に出して言った。歩み寄り、ホルダーから武器を取り外す。ポンプアクション式のショットガンは美しく、重く、致死的だった。「ホラーゲームの定番だな」


武器の重みを確かめるうち、氷のように冷たい理解が脳裏に形作られた。アドレナリンが再び血管を猛烈に駆け巡り始める。ビデオゲームにおいて、正当な理由もなくショットガンが与えられることなど決してない。もしこの悪夢のプログラマーたちが群衆制御(クラウドコントロール)と大ダメージ用の武器を提供しているのなら、それが意味することはひとつだけだ――この先、次のエリアの向こうには「エリアボス」か、あるいは待ち伏せしている止められないゾンビの大群(ホード)がいる。


エリアスはフォアエンドを引いて薬室とチューブマガジンを確認した。心が沈んだ。

ショットガンの弾は、たった「2発」しか入っていなかった。未知の脅威に立ち向かうには、あまりにも少ない2発だ。


これでは足りない。彼はその小さな保管庫の隅々まで探し始めた。壁を手探りし、錆びたわずかな引き出しを引っ掻き回し、床の格子の下を覗き込んだ。容赦なく浮かび上がる炎の烙印のようなタイマーへと視線を上げる。


【大脳皮質崩壊まで:05:15:23】


時間は刻一刻と減っていたが、狂乱的な探索は報われた。緩んだ空調パイプの後ろに隠されるようにして、もう1発の12ゲージ・ショットガンシェルが見つかったのだ。それを掴み取り、素早くチューブマガジンへと押し込んだ。


エリアスは身を起こし、ジャケットを整えて、今や自分が携行している武器庫の重みを感じた。湾仔の自室に閉じ込められた少年の幻想は、もはや消え去っていた。今の彼は「生存者(サバイバー)」だ。深く息を吸い込み、最終的なインベントリの確認を行った。


--- インベントリ確認 ---

・ベレッタM92F(9mm):マガジン内に残り8発。

・ショットガン(12ゲージ):あらゆるものを粉砕する準備が整った3発。

・タクティカルナイフ:1本(テスト済み、雑魚敵に対しては無類の強さ)。

・体力(HP):ハート5個(満タン)。

・精神状態:準備完了。


エリアスは実験室のさらに奥、赤いネオンが執拗なグリッチを起こして明滅している暗い回廊を見つめた。ショットガンのフォアエンドを握る手に力を込める。ボスへと向かう時だ。狩りの幕が開けた。

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