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銀の薬師  作者: 綾月魁夜
9/9

終章

9 終章


 森の中で、沙綾と琳は二人仲良く薬草を摘んでいた。そしてその隣にはどんな魔法か、二年で五つほどの年頃に見える少年。白金色だった髪は、二年でところどころに金が混じる不思議な髪色になった。そしてその瞳は黒と銀。ニコニコとおとなしく沙綾の姿を見つめている。

「麗銀、もう少し待っててね」

「うん、大丈夫。ちゃんといい子で待ってるよ」

 沙綾を見つめるその異色の双眸は愛情に満ち溢れていて。黒隷の悲しみも、銀歌の哀しみも残っていない。そのことが嬉しくて、ふわりと微笑んだ。

 ふっと空を見上げれば、夏の名残はそろそろ消えかけている。澄み切った高い青空にふと、幼い少年の瞳を思い出した。

 風の便りにルークが王位を継いだことを聞いた。アッシュは病に亡くなり、空の瞳を持つシドも、ルークが王位を継いだことをきっかけに立派な国王補佐となったらしい。リコは巫女の職を辞し、闇樹――安寿を育てている。

「またレオン兄ちゃんこないかな?」

「そうね。安寿も一緒に来るといいわね」

 時折ふらりとやってくるレオンらに、麗銀はよくなついていた。遊び半分に剣の稽古をしてもらったり、フィージからいろいろな話を聞いたりとせわしない。けれどどれも楽しいのか、普通の子供と変わらずに目を輝かせて話を聞いていた。

 空には太陽と月が輝いている。真白い昼間の月は、輝くこともせずただ見守り続けている。けれど、それで十分だった。琳がいて、麗銀がいて、空には父も母も夕凪もいて。

「私は今、とても幸せです――」

 小さく呟かれた言葉に、真白い月が淡く輝いたような気がした。

以前、某投稿サイトで投稿した作品です。「事件」のあたりに少々加筆してあります。

まずは、長編を完読していただきましてありがとうございました!個人的に、終わりのあたり……「過去」〜「終章」をもっとうまく加筆修正したいのですが、どこをどういじったらいいのか検討がつきません……。ふがいない作者です。どうぞ、辛口批評でも結構ですので皆様のコメントを心よりお待ちしております!

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