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一人暮らしを満喫します

 最後に食材を買いに行く。カモフラージュ兼、お店に出すメニューを考えるために。


 食材を売っている場所に到着。もうすぐ夕方だからか、人が多い。

 掘り出し物がないか探しながら食材を見るけど、代り映えはないかな。

 家を借りたおかげで、調理スペースが広くなった。だからできる料理も増えるだろう。

 ご飯物をメインにしたいかな。まだこっちに来てからちゃんとした白米って食べてないのよね。

 麺類もいいよね。ラーメンとかうどんとか。でもここで麺類って見たことないなあ。宿と屋台にしか行ってないから普通の食堂にあったらわかんないんだけどね。

 さすがにカレーをスパイスから作る方法は知らないけど。いつか試してみてもいいかも。

 あとはスープ系かな。オニオンスープなら作れるかな。でもあれ、作るの大変なのよね。

 コンソメってスキルで出せたかな。出せたら楽だけど、出なかったらものすごく面倒だよね。

 さすがに味噌が見つからないのに、みそ汁はね…。個人で楽しむくらいでいいかな。

 個人で楽しむだけなら、魚とかも食べられるのよね。本当このスキル便利だわ。


 何が作れるのか、実際にやってみないと何とも言えないけど、今まで我慢してきたものは解禁できる。

 新しい家、楽しみだなあ。




 借りた家に移り住む日が来た。

 一階の食堂で朝食をもらい、ネリンさんにお別れの挨拶をする。


「またねナナちゃん。お店開店したら絶対行くからね」

「うん。来てね。お世話になりました」


 同じ街に住んでいるし、ネリンさん絶対お店に食べに来るだろうから一時の別れにすらならない気がする。

 でも、異世界初日からお世話になった宿だから、やっぱり少し寂しいね。



 宿を後にして商業ギルドに向かう。

 相変わらず商業ギルドは賑わっている。


「ナナさんおはようございます」

「おはようございます」


 すっかり私担当になったナーリさんと挨拶をして、家の鍵をもらう。


「ナナさん、お店はいつ頃開店する予定なんですか?」

「まだ決まってないですね。どんな料理を作るか迷っているので」

「ナナさんの新しい料理…是非とも食べたいですね」

「そうだ、ナーリさんが良ければなんですけど」

「なんでしょうか」

「開店前に試食をお願いできますか? 開店後に問題が起きたら困るので、誰かに料理を見てもらおうかと思ってるんです」

「私でよければ是非」


 ナーリさんっていつも微笑みを浮かべているような、受付の鏡みたいな人なんだけど、試食の話をしたらものすごく嬉しそうな表情をしてて、意外と可愛い人なのかもしれない。




「ついに夢のマイホーム…! 賃貸だけど」


 一人暮らしってしたことなかったからドキドキワクワクですよ!

 お金貯まったら絶対買う。これが働く喜びというやつか。元ニートとは思えんな。

 とりあえず入ろう。家具とか置かないとね。

 昨日清掃してくれたから綺麗だ。魔石の取り付けもしてくれたみたい。

 魔石は家を借りる契約の際に商業ギルド側で用意してくれた。ちゃんと起動式魔石のものを使ってくれているので安心。ちなみに魔石って魔物からとれるらしいよ。だから冒険者ギルドから卸してもらってるんだとか。

 二階にベッドやテーブルなどを設置。このままベッドに飛び込みたいけど我慢して、早速厨房へ。

 冷やした方が美味しいものは冷蔵庫に入れておこう。あ、冷蔵庫があればスイーツ系も作れるじゃないか。次から次へと作りたいものが思い浮かぶ。なんだか楽しい。


 まだお昼には早いけど、昼食の準備をします。

 何が食べたいって、あれですよ。ご飯!

 この世界ではお米はリゾットくらいでしか使われていない。炊き方を知らないのか、リゾットとかお粥みたいなやつとか、そんなのばっかりだった。

 なので、私は久々にご飯が食べたいので炊きます。火力調節を自分でしたことはないけど、ガス火で炊いたことはあるからいけるはず。時間がかかるので今から作っとかないとね。

 水加減がちょっと不安だけど…まあ大丈夫でしょう。


 洗って水につけてしばらく放置。よし、次はみそ汁だ。

 具は何にしようかな。豆腐とかタマネギとか…。あ、出汁はどうしよう。鰹節が出せるかな。


 メインのおかずは何がいいかな。魚でも焼く? 魚売ってないわけじゃないから焼いても平気だよね。あーもう考えるだけでお腹すいてくる。



 人目がないから好き勝手できて楽しい。一人暮らしって素晴らしい。



 結局、ご飯、みそ汁、焼き魚という朝食みたい昼食を食べた。久々の魚は美味しかった。でも網焼きが欲しいかも。フライパンで焼くより美味しくなりそう。鍛冶屋にないかな。

 ご飯は少し柔らかかったかな。次はもう少し水を減らしてもいいかもしれない。



 お昼も食べたので。午後は食堂のメニューを考えよう。

 ハンバーグとウルフカツは出そう。パンじゃなくご飯で食べてもらう。なんだかんだ、屋台ですごく売れたし。味付けが同じならご飯でも大丈夫じゃないかな。

 魚介の出し汁なら作れるだろうから、うどんもいいかも。ラーメンも良いけど、ラーメンスープを作るのは大変そうなので無理かなと。

 あとパスタ。この前作ったトマトソースで食べればいけるでしょ。

 でも何か野菜が欲しいよね…普通に野菜炒めでも作ろうかな。いや、野菜を多めに付け合わせる方がいいかな。いっそサラダでも作るか。ドレッシングと一緒に。

 スープはオニオンスープなら時間かかるけどできるかも。作り置きしないと難しいだろうな。ちなみにコンソメは出ませんでした。


 あんまりメニュー増やすと作るのが大変だからこれくらいにしとこう。

 そういえば営業時間を考えてなかった。

 朝からだとすごく早起きすることになるから除外して、昼から始めよう。問題は夕食だよね…屋台のころはお昼時しか営業しなかったけど、食堂となると夕食時じゃないとお客さん来ないのかな。でも忙しいのも嫌だなあ。

 まあ、お昼に営業してみて、それから考えるか。


 とりあえず今から作り始める。アイテムボックス様様である。

 そして夕食はかつ丼。食べたかったので。実は結構好き。




 次の日。

 家中の掃除が終わったら、早速料理。

 昨日決めたメニューを大量に作り置きしておく。

 完成させるのではなく、ソースを鍋に作っておいたり、ハンバーグのタネを焼かずに作っておいたりする程度だ。食堂で屋台ほどの回転率を求めなくても大丈夫だと思うし。

 まあ、少しは完成したのも作っておくけど。お皿足りるかな。


 それから自分が食べたいものも作る。丼ものも食べたいし、ピザとかも食べたいし、鍋物だって食べたい。うーん。本当このスキル最高だわ。


 今日は時間の許す限り作りましょう。



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