表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
社畜40代、スマート年下男子に「3秒」で救われる。~効率化された時間で、私、愛されてもいいですか?~  作者: 寝不足魔王


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
9/28

第9話:残業代よりも欲しいもの

第9話です。

ついに、一之瀬くんが「効率」を無視した愛を叫びます。

社畜として凍りついていた凛さんの心が、完全に溶ける瞬間です。


 午後五時三分。

 かつては戦場だったオフィスから、もう誰もいなくなった。

 夕闇が差し込む窓際で、私はデスクの片付けを終える。……こんなに早く一日が終わるなんて、まだ少し、ふわふわとした心地がする。


「凛さん。……そんなに寂しそうな顔をしないでください」


 背後から、聞き慣れた低音が響く。一之瀬くんだ。

 彼は私の肩越しに手を伸ばし、私のPCをシャットダウンさせた。


「……一之瀬くん。改めて、ありがとう。あなたがいなかったら、私は今もあの暗い部屋で、一人で数字と格闘していたわ」

「お礼なら、もう十分もらいましたよ」

「え……?」


 私が振り向くと、彼は至近距離で私を見つめていた。

 いつもの余裕たっぷりな微笑みではない。どこか切実で、焦れているような、男の目。


「僕が欲しかったのは、あなたの実績でも、会社からの評価でもない。……あなたが、自分のために笑える『時間』です」


(えっ、待って。何その聖人君子なセリフ。私のために、会社一丸となってシステム組んだの!? 私の笑顔のためだけに、あんな大掛かりな「ざまぁ」を仕掛けたっていうの!? 規模がデカすぎるわよ、この愛!)


「……凛さん。僕は、三秒あればあなたの仕事を終わらせられます」

 彼は一歩、踏み込んでくる。

「でも、あなたを抱きしめるには……一生あっても、足りないんです」


(…………ぎゃあああああああああああ! 脳内絶叫どころか、もう魂が体から三秒でログアウトしそう! 一生!? 一生って言った!? 四十歳の私に、三十二歳の貴公子が、一生分のおねだりしてるの!?)


 パニックで呼吸を忘れる私。でも、視界に入る彼の耳が、微かに赤くなっていることに気づいた。

 ……あ。

 彼も、余裕なんてなかったんだ。私と同じように、心臓を爆速で叩かせながら、ここに立っているんだ。


「……一之瀬くん。私の人生、あと半分くらいしかないけれど。……それでもいいの?」

「半分じゃない。これからが、本番ですよ」


 彼は私の腰を引き寄せ、深く、静かに唇を重ねた。

 それは、どんな業務効率化システムでも計算できない、熱くて甘い「答え」だった。


お読みいただきありがとうございます!

ついに結ばれた二人! 効率化で生み出した時間は、愛を深めるための時間だったのですね。

一之瀬くんの「一生あっても足りない」というセリフに、作者も悶えながら書きました。

二人のその後と、新しくなった会社の姿を描きます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ