休日1話:社畜のモーニングルーティン破壊
「休日編」スタートです!
会社では完璧な凛さんの、さらに人間味あふれる(?)プライベート。
一之瀬くんの「私服姿」の威力も加わり、糖度増し増しでお送りします。
土曜日、午前七時。
目覚まし時計が鳴る前に、私の目はパッチリと開いた。
(……悲しい。悲しすぎるわ、社畜の習性! 休みの日くらい、昼過ぎまで泥のように眠らせてよ、私のバイオリズム!)
のそのそとベッドから這い出し、ボサボサの頭で白湯を飲む。
今日は一歩も外に出ない。そう決めて、中学生のジャージのような部屋着(でも楽)に袖を通した、その時だった。
ピコン、とスマホが鳴る。
『おはようございます。凛さんの声が聞きたくなったので、あと三秒で電話します』
(三秒!? ちょっと待って、心の準備が――!)
三、二、一。ジャストで着信画面が一之瀬くんの顔に変わる。
「……は、はい。おはよう、一之瀬くん」
『おはようございます。……まだ寝てました? 声が少し、甘いです』
(甘い!? 寝ぼけてるだけよ! っていうか、電話越しでもその低音ボイスは心臓に悪すぎるわよ!)
『今、凛さんの家の近くまで来てるんです。美味しいクロワッサンが手に入ったので、一緒に朝食、どうですか?』
「ええええええ!? 近くってどこ!? っていうか私、今、人に見せられないレベルの干物女よ!? 髪は鳥の巣、服は中学生ジャージ! 三秒で追い返したいレベルなんだけど!」
『……ふふ、独り言が漏れてますよ。大丈夫です、そのままの凛さんに会いに行くんですから』
(漏れてたーーー! っていうかインターホン鳴ったわよ! 早い、早すぎるわよ一之瀬くん! 三秒で片付け!? 無理よ、私の部屋には脱ぎっぱなしの靴下(昨日分)が落ちてるのよ!)
私は火がついたように部屋中を駆け回り、靴下をクローゼットに放り込み、手櫛で髪を整える。
ドアを開けると、そこには爽やかな私服姿の、眩しすぎる一之瀬くんが立っていた。
「……お待たせ。一之瀬くん」
「……。……あ、すみません。三秒だけ見惚れてました。眼鏡姿の凛さん、破壊力高すぎます」
(……嘘。眼鏡、外し忘れてたわ……! っていうか、その「獲物を狙う目」で見つめるのをやめなさい! 私の休日の安らぎが、三秒で消し飛んだ瞬間だった)
お読みいただきありがとうございます!
休日の朝から一之瀬くんが襲来(?)しました。
眼鏡にジャージという、社畜のリアルな休日姿……一之瀬くんにとっては最高のご馳走のようです(笑)。
次回、二人きりの「おうち朝食」編です!




