デートと言う名の警護任務
EGEが開催した。
ゲームの祭典というだけに、人々は賑わい遊びに来た来場者にスタッフにとごった返している。
だがそんな中で、恐ろしい行為も多発しようとしている。
(ターゲットはメイ・リューセーイン。この祭典の裏の主催者って肩書きなら問題ない可愛子ちゃんだったんだがなぁ)
ココにも1人、ただ1人を殺すために世界各国から集まって来た殺し屋のうちの1人が来場した。
荷物検査など慣れ親しんでいるかのように、暗器を隠して突破しターゲットを探す。
(フッ、運が良いぜ。木を隠すならって言うだけに、まさか人混みに紛れているだけとは…舐められたもんだな)
幸先良くターゲットを発見する。
見る限り、そばに変装させたのであろう和風な仮面を被ったお侍なSPといるだけ。
だが、念には念を
(一応同業者とかがいても迷惑だし、聴き分けるか)
その殺し屋は、超能力者でもあった。
周囲の音の聞き取れる範囲の拡張と線密な聞き分けに細分化。
周囲の情報を読み取り、極めて安全かつ周到な状態で暗殺を成功させていたからこそ、今までやって来れたのだと、彼自身の自信に繋がっている。
だからこそ
『8時方向12メートル超能力者』
聴いてしまった。
その言葉は、概算だとしても自身とターゲットの位置関係に合致するもの。
そして、限りなく悪手極まりないことに、ターゲットの方を向いてしまった。
瞬間体が浮き上がる感覚と共に、意識が暗転する。
最後に見えたのは、仮面越しでも目が合ったと分かる表情をしているターゲットのSPの姿だった。
「良い動きだ」
『恐悦至極ですフォックス。そちらのデートはどうです?』
「茶化すなよ。なら2時方向20メートルの2人と10時15メートル先の屋台上の虫使いに」
「4時方向8メートルですかね?」
「イヤコイツは」
方向は合っているが、一気に距離を詰めているだけの愚者だ。
急ぎ足で伸ばして来た手を払いのけ、拘束する。
「ただ超能力を悪用しているだけの盗っ人だ。警備員!」
「はっ!ほら行くぞ」
なんか周りが拍手しているのだが、まあ少し目立つか。
『お見事でゴザル。オダイカンサマもメイ様も』
「俺からすればまだまだだと思うけどね」
「ですが、あなたたちのもとで鍛えていた分少しは役に立つでしょう?」
まあされど少しだ。
全体的に見れば、十分下の下。
ただ感じられる程度の反応力しかないからこそ、俺たちが守らなきゃなんねえんだ。
「ソレより、メインはあの社長さんに任せていろいろ回りたいんだろ?」
「そうですそうです。新作VRタイトルに限らず見所あるのがわんさかですからね。3日間の開催ですけど、ソレでも見切れるかどうか」
そりゃあな。
イベント会場用に街1つを当てがっているような広さだからな。
単純に全て回り切れるのかと言う問題にもなるか。
「地下鉄もぎゅうぎゅう詰めだって言うし、まだ夏の暑さが残っているからな。水分補給には気をつけろよ」
「ハイ兄弟子様!」
さーて、あんま言いたかねえけどデートの続きだ。
てことでデート回ではないが限りなくデート(少なくとも流星院芽衣はそう思っている)のような回が始まるよ。
因みにEGE会場はディ〇ニー・ワールドの十分の一くらいの広さ。




