必要な物
「まあ大よその予想通り炉とハンマーだな」
「炉は兎も角、ハンマーもか?」
「えーお気に入りのハンマーで十分だと思うけど」
早速センジュの工房に入り、ゴルディオンが颯爽と調べてすぐ、問題点を割り出した。
「全く冒険者と共に戦うせいで職人としてのあり方を忘れているな若者たちよ」
「むっ!」
その言葉に、センジュが抗議したそうに反応するが
「いいかな?職人が本気で一品を作りたくば、必ず扱う素材や状況に応じて使い分けるものだ。冒険者にも通じるものはあるはずだが、最近の冒険者はやれ強い武器だの極端すぎて選択肢の視野が狭まる傾向にある。お陰で奴らに密接に関わる生産職の輩もその影響を受け次第に頑固になる。武具ばかり作る職人肌な奴らがまさにそれだ。お主らはどうだ?」
………………否定できない。
俺も、武器自体は様々扱うつもりだがある程度強ければ良いと思っているし、結局試運転すれば、最終的に刀ばかり振るっている。
センジュも、最近は武具ばかり作らせているので、同様な状態にあるとみて良いだろう。
「どうすればそういうのは治せるの?」
「素直にそれを聞けるのは良いことだ。どうすれば良いかは簡単だ。普段は作らないものを作ってみる!鍛治で生み出すのは何も武器だけではないからな。なんなら鍛治でなく料理とかでも良い。普段やらない分、どんな器具が必要か、どんな素材が必要かという初心に帰れるからな」
コレは、指摘されて良かったかもな。
今の俺たちの視野が、狭まっていることがよく分かったし。
「じゃあ本題に入ろう。炉とハンマーだが、どんなのが必要なんだ?」
「ウム。炉もハンマーもだが、属性そのものを打ち込むのに特化していないのだ」
龍光魂鋼は龍のブレスが必要となる。
そして、そういったブレスは純粋な属性の塊であり、加工もできる。
そのため、龍光鋼とブレスがあれば龍光魂鋼は作り出せるのだが、そのためにはブレスを加工できるように専用の炉とハンマーが必要となる。
「まあ炉の方は利用する属性に応じたコーティングさえすれば良い。ハンマーは1から作る必要があるがな」
「あとブレスを取り込める入れ物とかも必要じゃね?」
「ああそうだが、ブレスを封入できる瓶は高いが一般でも買えるぞ」
そう計画を立てて行き、いよいよスタートだとなって3番艦へ来た。
「お、仙女ババアもいるじゃん」
「おお童か。そっちはどうじゃ?」
3番艦は、仙女ババアが中心に運用しているエリアであり、彼女のファミリアである猫凛の機関車など、様々な乗り物の整備や運用を目的としており、駅とか空港のような様相をしている。
そのような場所に、ゴルディオンはまた目を輝かせている。
「コッチはコイツを動かすために就職活動中。アンタはどうなんだ?」
「就職活動って、現実のお主からは聞かん言葉じゃな。儂は列車の設備を良くするために一度ゼーリィンに赴こうと思っておる」
仙女ババアはこっちに来る前に、ウサギから列車のグレードアップを言い渡されていた。
因みにミストは特にないので、飛行機内警備にあたっている。
「どっちも移動関係だな。面倒臭そうなクエストが来るに違いない」
「じゃろうなー。お主がここに来たということは、アレを使うのじゃな?」
「ああ。おいゴルディオンさんコレに乗れ」
「こ、コレは我輩が操縦しても良いかな?」
一度も試運転させてねえヤツに、いちいちハンドル握らせるか!
「サーテフラウとミニオンたちも来たな。飛ぶぞ!」
久しぶりなので3番艦の解説を軽くやりました。




