流派VS改造
目を覚まして、戦況を確認しにいく。
「あーやってんなぁ」
遠目に、仙女ババアが敵を屠るのを見る。
「そろそろ戻ってきそうだけど、結構倒したな」
まだ一軍くらいの量ではあるが、もう7割程は倒している。
「ねえねえ兄弟子様」
共に起きたらしい流星院が、服の裾を引っ張ってくる。
「今更ですけど、私たち圧勝すぎません?お相手さん私を殺しにくる気あります?」
「あーそれ気付いちゃうか」
まあぶっちゃけて殺したいのも本意なのだろうけど、俺たち相手なら流石に無理じゃね?とは向こうも思っている。
ただなあ
「裏社会はナメられたら終わりだからな。俺ら相手でも出張らねえとやって行けねえのよ」
流星院を殺したいと思っているのも事実だろう。
だがそんなことより、やらないと下に見られるということをプライドが許さない方がデカいだろう。
「そんなことより!敵多すぎやしませんか!!?」
そう話し込んでいると、なんか起きてたベイリーが気になったことを投げかけてくる。
「やっぱり突っ込んでくるか」
「まあ実際少数精鋭とかならともかく、基本3桁単位で襲いかかって来るからねー」
まあそうだよなぁ。
でも、昨今はコレが普通になりがちなんだよな。
「アレクローン兵なんですよ」
「クローン兵!?」
まあ驚くよな。
クローン技術自体は、再生医療の延長として体の一部を欠損しても復元させるために利用されている。
こんな便利な技術、使わない手はないと裏社会に速攻で流れたのだ。
一体どこの工作員が関わってんだ?
「まあそんなわけで、兵士をめちゃくちゃ量産できるのよ」
「ウッソでしょ何してんの!!?」
「更にめちゃくちゃ改造して兄弟子様に迫れる程度の能力を手に入れているんだよね」
うわめっちゃ頭抱えてるよ。
「まあ安心しろ。能力を強制的のアップグレードしたところで対応出来るようにするだけだしな」
「なんか凄いこと言っているな」
「兄弟子様…というか仙女様の流派の系統では、相手の手札に即座に対応できるようにとは聴きましたけど、あれマジなんですねー」
マジだよー。
じゃねえと、己より強いヤツが出たとき倒せないだろって仙女ババアが言ってたし。
基本うちらは、己より強いやつ相手に手元の手札だけでどう勝てるようにするかをいつも施行させられているからね。
実際素の身体能力であれば、仙女ババアは俺に絶対勝てないくらいに差が開いているが、それを技術で完全にカバーしてきている。
「やっぱりクローン技術なんて、廃止されるべきだったのですよ!」
「いやそうでもないよ」
「ええ。再生医療に限らず、現代医療に根強い影響を与えてしまっていますからね。ソレにクローン技術の問題点自体は世間には基本的に出ない闇の部分ですから」
「そういうこと。糾弾する分にも見向きもされねえよ」
「あーマジですか」
脅威にはなるだろうけど、証拠自体は徹底的に消されるからねー。
「じゃあそろそろ仙女ババアも戻って来るし、俺も行くね。まだ寝ておけよ」
「えー。兄弟子様は私を守ってくれないのですか?」
「守るために行くんだよ。いいから寝てろ」
キュンッて顔すんな面倒臭い。
凛花の系譜は別名『強敵殺し』の流派としても恐れられている。
とはいえ純水に上振ればかりなので、理論上上回っている改造兵相手での考えではあったけど、DEFが出てきてからは、今まで以上に言われるかもしれない。




