凛花の夜のお散歩
凛花は、視通す。
己の別荘地へ侵入せんとする全ての敵を。
「うむ。感じれる限りは、彼奴らはこの方角からしか来んようじゃな」
軽くストレッチ。
そして、既に深夜丑三つ時と言える時間帯の中で、走りに行くかくらいのテンションで構える。
「偶には百人組手も悪くはないな」
そう言い、走り出す。
数km程走ったあたりで、先行部隊に差し掛かる。
「うらっ!」
「な!?」
そこで、先手を取られた。
出会い頭にもならないはずの一瞬で、ラリアットを仕掛けられる。
凛花にその一瞬は、十分に回避できるだけの間隔があったが、それでも驚く。
「く、やはり改造されておるか。面倒な」
そこにいる兵士たちは、全員が違法な改造手術を受けている。
身体能力や感覚器官などを強制的に強化させ、超人たちに迫ろうとしているのだ。
流石に、先手を取られるとは思いもしていなかったが。
「まあその余裕の表情をどこまで消せるかじゃな」
改造されて、表現の仕方を忘れたんじゃないかというくらいに、表情が固い相手に飛び込む。
そこから拳を構えようとするが、それより先に動き、左手で殴りかかる前の右拳を止め、右手で貫手を加えようとする。
それを凛花は、最小限の動きで飛び上がり、背後に回り込もうとする。
だが、別の精鋭が飛び上がった位置に当たるように銃を撃つ。
「あっぶな!」
それを体を捻って、全て回収する。
「なるほど、儂らに対応するために先手を打てるよう造られておるのか。フフッ」
それを認識し、瞬間的に自身を超えられる技術に笑いが漏れる。
「っ!?」
瞬間、凛花がブレたように相手は認識した。
更に、左から殴られたような衝撃が走る。
「な、!??」
殴られた方をなんとか見ると、殴った位置に凛花がいたような残像が見えた。
「何が」
「儂らの動作に反応するようじゃからな。一度フリをしてから殴りに行き、戻ってフリの時と同じ行動をしただけじゃ。どうじゃ、震えておるようにしか見えんかったか?」
その言葉を聞き、精鋭たちは即座に自身に薬を打つ。
「はっや!少しの躊躇もせんとは。お主ら命は大切にせい!」
そう言い切るより先に、眼前に拳が迫る。
「ああ、そもそも儂ら相手にする時点で命を削っておるか」
その瞬間、凛花に1番迫っていた精鋭が吹き飛ばされる。
「ヨシッ」
その言葉が、右後ろから聞こえた精鋭が振り向かずに銃だけ向けて撃つが、瞬時に返されついでに殴られる。
「うわあああああ!!!」
その光景を正確に見たわけではないが、自分たちの死角から攻撃していると察した精鋭が、背後に銃を乱射しようとするが
「高さが足りん」
残る3人とも、顔面に蹴りを入れられ吹き飛ぶ。
そして一瞬と言っていい合間に、吹き飛ばされた5人が衝突する。
そこを凛花は逃さない。
「ハアッ!!!」
「「「「「グボアッ!」」」」」
1人に強力な一撃を加えると、衝撃が伝播するように5人とも血を噴く。
「『仙気・閉』からの『仙気・波』の合わせじゃが、やはり一気に倒すにしてもエグいのうコレ」
「何故…だ」
喉がやられ、掠れた声になるが、意識を保った精鋭が声を出す。
「何故、我らよりも…強く………我らは…貴様を超えるため」
「そりゃあお主ら、避けれはしておったんじゃから対応出来るじゃろう?」
「だが…我らは」
「ああ儂に先手を打ったことか?それを速攻で対応しただけじゃ」
「そ…んな」
そのような答えに、初めて驚愕の表情を上げそうになったが、それより先に瞼が落ちる。
「惜しいな。もう少しじゃったろうに」
その結果に、少し残念に思いながら、凛花は先に進んでいく。
サッサと対応してちょっと手を抜いたはずだったけど完全に成仏してしまい残念に思っている凛花さん
この後まだまだ大人数の敵が来るよ




