人間同士の高速戦闘なんて速攻で終わるものである
「おっと、流石高速移動系だな」
1人、ギリギリ避けられた。
居合なら多分避けきれずに倒せるだろうが、その場合相手死ぬから出来なかったとはいえ、俺もまだまだだな。
「くっ、こうなったら」
「あっ、アレ最近出回っている超能力者を劇的に強化させる薬物ですね」
オーウやっばーい。
全くもって初めて見る形状だ。
「ぐ、うぅ………ガアアアアアアアアアアアァァァァァァッ!!!」
うっわあ、白目が充血して赤目になってるし、血管が浮き上がってるー。
「コイツ意識飛んでね?」
「多分開発したての試供品ですね」
あーサンプルが足りてない感じか。
「ハアッ、コレわんちゃん殺さないとダメだよな」
「デスネ」
ヤッベーノルマなるべく達成させたいんだよなぁ。
「グウウウウウウウ…ガアッ!!!」
「っ!」
確かに速いし、意思なく暴れているせいで、無駄やら何やらが無くなっている。
しかも、本能の部分が研ぎ澄まされている。
仙女ババアが昔、生ける者はなんらかのために、争うことが本能として刻まれているって言っていたけど、
「暴走=戦闘ってなるとあながち間違いじゃねえよなぁ」
「実際理性が有れば逃げるっていう選択ができますものね」
高速で四方八方から攻撃してくる。
「あーコレ私の力場振り切られかねませんね」
「ああじゃあコイツ俺が取るから、エッツはまた索敵お願い」
「了解」
てことで、手持ち無沙汰になったA2を下がらせて、コチラにヘイトを向けさせる。
「さあ来なよワーンチャンw」
あいやワンチャンじゃなくてトリチャンか。
「グルアアアアアアア!!!」
挑発されているってのは分かるようだな。
更に速く走り、コチラに爪を立てる。
だが、
「まあ暴走している奴に遅れを取るわけ無いんだよねー」
本能的に動くのと洗練された動きとは別の意味だ。
本能とは、生きるうえで持つ先天的なものだ。
理屈だなんだを考えるより先に、体を動かしてしまう。
洗練された動きというものは、その分野において蓄積された知識と経験からなる最適な動き。
洗練された動きとは、より良く力を発揮できるようになったものだと言える。
だが、本能ではより合理的なただ一つの動きに寄る。
簡単に言えば、
「動きが単調になるんだよなぁ」
「グァッ」
背後から襲ってきたところに足を掛け、後頭部を柄頭で殴る。
その結果、バランスを盛大に崩し、疼くまる。
「さて、寝ておけ」
そこに、追い討ちのように蹴りを入れれば、いい感じにノックダウンする。
「うーん」
だが、なんか引っかかる。
「コイツ、普段戦っている向こうのモンスターよりかは弱い筈なんだけどな」
ビリッというか、何かしらの違和感があった。
「もしかしたら、コレがコッチと向こうの差異なのかもな」
一度、その違和感を思考の隅に置いて仕事に戻る。
流石に超能力者とはいえスピードタイプなこと以外は普通の人間相手だと一瞬で終わります




