イベント時の企画者側の疲労はガチでヤバい
「心労がキツい」
「英語でも頭痛が痛い的なフレーズ言えるんだなぁ」
流星院芽衣の部屋に社長であるはずの男が倒れている。
周りから見れば、大きな子供が駄々を捏ねて疲れた感じにも見える。
実際動作としては、近くあるであろう。
ヒステリック1歩手前をなんとかする為に、ちょっと暴れていた。
「なんなんですかワイルズって」
「現実において最高峰の面々が作ったクラン」
「戦闘面とかの話でしょう?」
「あーお前それだけじゃあ最高峰とは言わないよ。戦える連中ってのはそれだけ傭兵として頼りになるってことだが、彼らのトップ勢はそれを通じて世界のトップ層と親睦を深めているのよ」
「え?それって私のコネクションより上?」
「聞いた話とかでしかありませんけど、傭兵契約を結んだ相手の中には王族とかもいるとか」
その言葉を聞いて、ベイリーが項垂れた。
「こうなったら、彼らについてよく知らなければなりませんね」
「いやいつでも観れるでしょ」
「それだけで相手のことが分かるとでも?」
立ち上がり、声高々に応えたことで、ずっとモニターを見ていた芽衣が振り返る。
「ちゃんと出会い、話をするっていう過程を通して初めて相手のことを知るという段階に立てるのですよ!たかだかモニター越しに観ていましたよってストーカーでしかないじゃありませんか!」
「すっげ。恋愛失敗おじさんとは思えないな」
「グフゥ…やめろウサギ」
ウサギの言葉が鋭すぎて、ベイリーが倒れた。
「と、兎も角、私たちは彼らのことをよく知った方が良いと思ったのですよ。正直彼らへの興味も有りますし、できれば広告塔として雇いたいくらいです」
「よう言った」
ベイリーが本音を言ったことで、芽衣も立ち上がる。
「とはいえ直ぐにリアルで会うタイミングはあるんだけどね」
「あ、まさかEGEで雇うのですか?」
「そうそう」
既に残り1ヶ月半を切り始めた2周年記念の舞台。
そこへ彼らも呼ぶのだという。
「ソレに、彼らのことを間近で見ている相手と言えばすぐ近くにいるしね」
「ま、まさかあの魔女が」
「いや彼女じゃあない」
リアネル・リンベル。
現実に存在する魔女と呼ばれる存在であり、芽衣と契約してワイルズに接触して、イベントを盛り上げられるようにと暗躍していた女だ。
彼女のことを思い出すと、彼女関連の運営への問い合わせが多く来ていて、胃が痛くなる。
だが、幸いにも彼女のことではないらしい。
「では誰ですか?」
「そうだな…明日お前休みだろ?なら一緒にランチと行こうか。そっちの方が話しやすい」
「?」
本気でなんのことか分かっていないベイリーを他所に、芽衣はニヤニヤしている。
事実、ワイルズの1人が目と鼻の先と言ってもいい位置にいるのだから。
こいつらがすぐに出会えるワイルズ関係者だと?
まあアメリカ在住という時点でまあまあ候補はいるんだけど




