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第16話 地下通路<後編>

ちょっと詰め込んで長くなってますが良ければお付き合いください。


スターゼンは呆気にとられていた。

それもそのはず、人質であったその子は突如刃渡り40cm程の短剣を取り出し、助けにきたはずの自分に向けてきたのだ。


「何を...」


理由はいたってシンプルで、私とザザンという亜人とで争って欲しくないという実に子供らしい理由だった。

そう、これがもし私たちの口喧嘩であったなら子供のためにやめていたかもしれない。


「...何を言っているんだ君は!?今は戦いの真っ最中だ!今すぐ私の後ろに引きなさい!今も君は奴に狙われているんだぞ!」


だが、今は生死を賭けた戦いの真っ最中だ。

そんな子供の見たくないという理由で相手は待ってくれないし戦いをやめる理由にしてはあまりにちっぽけすぎる。

いくら子供といってもこの緊張感を履き違えることはないだろう。

ちょっと話せばわかってくれるはずだ。


スターゼンの常識であればこれで通じるはずだった。


「嫌だ。スターゼンさんの実力だとザザンさんを殺しかねない。僕はどちらかというとあなたに退いて欲しいと思っている」


しかし、ハクトは良くも悪くもこの世界において普通ではない。

ハクトはその場から動かなかった。


ハクトの短剣を持つ手が震えているのがわかる。

スターゼンはハクトが決してこの状況が読めていなくてこういった行動をとっているわけではないことを悟った。


この子はこの戦いに自分が介入できると考えているのか!?

親の教育はどうなっている!!?


ふとそこでスターゼンの脳内に怒りに満ちた三人の顔が写った。


ああ、親はあの三人か。

なら仕方ないかもな...。


スターゼンがキロ達を思い出し、あの親にしてこの子ありと納得している時だった。

ザザンがスターゼンに向かって飛び込んできた。


「隙だらけだぜ!スターゼン!!」

「!?しまった!」


ハクトを口で納得させることを諦めたザザンのやるべきことはいたってシンプルだった。

スターゼンを排除し、ハクトを気絶させて一緒に逃げる。

スターゼンに1対1では勝てなくともハクトをうまく使えばこの場は乗り切れるとザザンは踏んでいたのだ。


「させないってば!」

ギンッ!


しかし、ザザンの右手から繰り出された一撃はなんとスターゼンではなくハクトに止められた。

ハクトの体はスターゼンに向いており、今であれば確実にスターゼンヘ攻撃が通ると予測していた一撃だった。

ハクトは後ろに目がついているかのように飛び上がり、振り向きざまに自らの短剣とザザンの腕を合わせたのだ。


「はあぁぁ!?」

「なんと!?」


これにはザザンだけでなくスターゼンも驚きを隠せなかった。

剣を相手に合わせただけではない。

地面をしっかりと足で掴み、ハクトは体格が2倍以上はあるザザンからの攻撃をその場で耐えてみせたのだ。


「あちちっおっお前!そんなに重くねーはずだろうが!!」


ハクトから漏れ出す炎の熱が腕に浸透し、ザザンはハクトから離れ、再び元いた位置につく。

そして最悪、ハクトをスターゼンの方向に吹き飛ばそうと、攻撃した時に考えていたザザンから意味がわからんといった怒声が通路に響き渡った。

そんなザザンの攻撃を耐えたハクトの背中を見てスターゼンは目を丸くする。

炎のせいで見えずらいが、上半身の衣服が燃えてなくなり、ハクトの肉体が顕となったのだ。


「...なんて筋の通った綺麗な体なんだ...」


無駄がない。

ハクトの肉体は子供とは思えない程に鍛え抜かれていた。

剣を担ぐため、振り込む際に使われる肩の僧帽筋は薄い鱗の上からでもわかる程に膨らんでいた。

広背筋は引き締まっており、背中全ての筋肉への稼働を滑らかにしている。

そして、見ることはできないが剣を振る際に最も大切な脊柱起立筋インナーマッスルが一番発達しているのだろう。

剣を握るハクトの姿勢はそれほどまでに良すぎた。

ここまでの肉体を手に入れるためにハクトほどの子供が毎日一体どんなトレーニングをこなしているかをスターゼンは幻視した。


「鍛えたのは恐らくあの者達だろうな。...いや、凄いのはやはりそれに付いてゆけるこの子か」


ハクトを少なくとも6歳くらいだと考えているスターゼンはハクトがそれよりもさらに幼いなどとは考えもしない。

スターゼンは一人の騎士としてハクトに尊敬の念を抱いた。


「子供だとバカにして悪かったな。...君は既に立派な騎士だ」


ハクトが再びスターゼンへと向き、剣を構えた。

すると、スターゼンは俄かに微笑んだ。


「やはり、私を退ける方に重きを置いてくるか。ならば君の実力が自分の意思が突き通せるほどかどうか確かめさせてもらおう!」

「!いきなり!?」


スターゼンはハクトに向かって剣を振り上げた。

先程までハクトへの対応を悩んでいたスターゼンとは思えない速度だった。


ギンッ!!


ハクトはなんとか自分の剣と合わせることでスターゼンの攻撃を止めた。


「やはりこの程度の速さの攻撃では見切られるか」


スターゼンはすぐさま体勢を変え、別の角度からハクトへ攻撃を加えた。

それをハクトは同じように体勢を変え、短剣でガードした。

目では差を確認できないが、攻撃を受けたハクトだけは一撃目より二撃目の方がより速く、より重いことを実感する。


「くっ!」


ハクトはスターゼンの更なる一撃に備えて一度、後ろに引いた。

すると、その瞬間を狙ったものがハクトの後ろから再びタックルを仕掛けて来た。


「うおぉぉぉ!!」

「うっそ!?」


卑怯などとは考えない。

ザザンはここぞとばかりにハクトへ直撃した。


ドンッ!

「うっしゃああああああああ!!」

「うっくぅっ!!」


ようやく攻撃が当たったことにザザンは歓喜する。

後ろへ引いている途中だったハクトは地面に触れる前にザザンのタックルが直撃し、スターゼンのいる前方へと吹き飛んだ。

スターゼンは吹き飛ばされるハクトに視界を奪われながらザザンからの追撃を止めるために剣を構えた瞬間だった。


「よそ見しないでよ!!」

「なに!?」


なんとスターゼンは吹き飛んで来たハクトに怒鳴られたのだ。

ハクトは吹き飛ぶ空中で短剣を構え、スターゼンヘ振りかぶっていた。


ギンッ!!

「っなんて子だ...まさか奴のタックルを勢いに利用するとは」


スターゼンはなんとかハクトの攻撃を剣で防ぐことに成功した。

しかし、勢いがあったため、スターゼンがバランスを崩した。

少し違ったが、それを狙っていたザザンが今度こそと致命傷を狙った一撃をスターゼンへと繰り出す。


「よくやった小僧!死ね!!スターゼン!!!」

「ぐぅ!まずい!」

「させない!」


ハクトとスターゼンが組み合っている横からザザンの手刀が迫る。

が、ハクトの顔がザザンへ向き、ハクトはザザンの腕に向かって火を噴いた。


ボオオオオォォォォ!!!

「うおぁあ!?」


炎の勢いによって軌道がずれた手刀はスターゼンをかすめる程度に終わった。


ザザンは一体ハクトにどれほど驚かされただろうか。

大抵のことは既に驚かないと思っていたザザンだったが、この威力の炎には唖然とする。


「そ、そりゃ大人の火力じゃねーか!どれだけの力を隠しているんだお前はぁ!!」


攻撃に失敗し、ザザンはスターゼンとハクトの反撃を受けないように距離をとった。

流石にここまで首を突っ込めば二人は自分を無視できはしないと考えたのだ。

しかし、ザザンの予想とは裏腹にスターゼンは未だハクトと対峙していた。


「やっやめなさい君!なぜ助けた私に攻撃するんだ!また奴から攻撃がくるぞ!?」

「あなたがさっさと退かないからでしょ!」


ハクトのしていることはスターゼンとザザンにしてみれば矛盾だらけであった。

それもそのはず、争って欲しくないと言いつつなぜか攻撃して来るのだ。

結果的に争っているし、なんなら争いにハクトが加わった形になっている。


しかし、ハクトからしてみればこれ以外の方法がなかった。


スターゼンが邪魔だったのだ。

もし、スターゼンが来なければハクトはザザンから逃げ切ることは難しくなかった。

ザザンも諦めて故郷へ帰り、ハクトはそれで良かった。

しかし、スターゼンが入り込むことでザザンの命の危機が訪れた。

ハクトはスターゼンにザザンを諦めてもらうことで元の自分がザザンから逃げればそれでいいという状況に戻したかったのだ。

だが、説得では上手くいかない。

ならばスターゼンを力で退かせるしかないというのがハクトが出した結論だった。


ハクトはスターゼンを間違っても()()()()()()()()()()鎧部分を隙を見て攻撃していた。


ハクトからの剣撃はスターゼンにとって驚きを隠せないものであった。

実際に剣を交えると剣に圧が篭っているのがわかる。

ハクトが立つこの境地にたどり着いたのはスターゼンは一体いくつの時だっただろうか。

その時は毎日どれほど素振りをしていただろうか。

スターゼンが昔を振り返っている最中にまたしてもザザンが飛びかかって来る。


「くそぉおお!無視すんじゃねー!」


しかし、今度は体勢が崩れていたわけではないため、ハクトもスターゼンも後ろに退くことで回避した。

躱されたザザンは壁に激突し、壁にヒビが入った。

肝を冷やしたスターゼンがこの状況を作り出している元凶でもあるハクトに怒鳴りだした。


「こんな状態が長く続くと思っているのか!?」

「思っていない!だから...次で決めるよ!」


ハクトが思いっきり地面を蹴り出した。

構えも上段で、スターゼンが防ぐのになんの支障もないと思われた。

しかし、スターゼンはここで違和感を覚えた。

ハクトの短剣に今までにない圧が篭っているように感じられたのだ。

殺しにかかる一撃だと直感した。


「だが、分かり易すぎる!」


スターゼンはもはやハクトをただの子供だとは思わない。

一人の騎士の殺意のこもった一撃だと脳内変換し、受けるのではなく躱すことを選択させた。

案の定ハクトの力の篭った渾身の一撃は空を裂き、行き場の失った力はハクトのバランスを崩させたように見えた。


「躱すと思ってた!」

「なに!?」


気がついた時にはもう遅い。

スターゼンの顔面にハクトの足が迫っていた。


「ごはっ!!」


ハクト渾身の後ろ回し蹴りだ。

剣を振ったと見せかけて勢いのままに反転して蹴りを繰り出す。

今朝、レックスにして見せた技をハクトはスターゼンにもしてみせたのだ。


「どうだ!?」


ハクトは振り返り、スターゼンを見た。

レックスのずつきで止められた時と違い、そこそこの距離を飛んでいた。

倒れたスターゼンにハクトが駆け込んでみると、スターゼンは白目をむいて倒れたまま気絶していた。

腫れの跡を見る限りちょうど顎にヒットしたようだ。


「...うわーやりすぎたかな...。レックスの時と同じくらいの力だったと思ったんだけど...」


ハクトがスターゼンの心配をしているときだった。

ザザンが壁から肩を引き抜き、ハクトに飛んで来た。


ガバッ!

「まさか倒してくれるとは思ってなかったぜ!さすが神龍人族(ゴッドドラゴニュート)だ!」

「うぐっ!?苦しっ」


気をそらした瞬間にザザンがハクトを思いっきり抱きしめたのだ。

かなりの力が篭っており、絶対に離さないといった覚悟が見受けられる。

ハクトは焦っていた。

まさか抱きしめられると思っていなかったのだ。

今でも燃え盛る琥珀色の炎がザザンに燃え移り始めている。


「まっ待って!このままじゃ燃え死んじゃうよ!?」

「ああ?そんなの関係あるか!?俺様はもうお前を絶対に離さねぇ!!」


ザザンの優先順位は決して変わらない。

スターゼンが倒れた今、ザザンのやることはハクトを何としてでも連れて帰ることだ。

ザザンは燃え始めた自分の体を御構い無しにハクトを持ち上げ、通路を走り始めた。


「出口はもう少しのはずだ!!」

「まってまって!!ほっ本当に死んじゃうよ!!!ねぇてば!!」


琥珀色のハクトの炎は酸素を奪わないため、ザザンはなんとか走れているが、既にザザンの身体の5割は走る風に煽れて燃えていた。


「はぁ...!絶対に離さねぇ!絶対にだ!!お前は...俺様たちの...希望だ!!!」

「うそっ...」


ハクトは甘く見ていた。

いや、知らなかったのだ。

死ぬ気になるとうことの本当の意味を。

今も既にザザンの顔半分が炎に包まれ、目玉が沸騰し、真っ白になって飛び出している。

だが、足は止まらない。


ハクトは知っている。体を焼かれる痛みを、苦しみを、辛さを。

ザザンは自分に起こっているそれら全てのことを無視してハクトへの締め付けを弱めることなく走り続けている。


「それじゃあダメなんだよぉ...」


ハクトがそう呟くといつしか炎が弱まり始めた。

そして、出口と思われる扉が見えた時にはザザンを纏うハクトの炎は消えていた。



「はぁ...はぁ...!見えたぞ!!ここを出れば...わが故郷だ!!!」


ザザンは扉に故郷を幻視した。

湿った気候に広大な沼地。

近くを流れる綺麗な川には魚が泳ぎ、見知った山では数え切れないほど遊び、狩りもした。


そんな故郷が目の前にある!!

平和だ...心なしか自分の心も穏やかだ。

きっと俺様が連れて帰って来たあの子がこの国を平和に導いてくれたに違いない!!


ザザンは歓喜に震え、目から涙する。


しかし、ザザンはそこに弟がいないことに気がついた。


あれ?あいつはどこにいったんだ?

この扉の向こうか?


ギギギッ


開けると眩い光が差し込む。

扉は木の根元に繋がっており、地下通路は城下町から少し離れた森につながっていた。

木々の隙間から城下町の壁がちらちら見えることからそう推測される。


「...ゔぁ...いぅ...どこ...だ...」


ザザンとハクトが外へ出るとザザンが何かをつぶやき始めた。

ザザンの喉は既に焼かれており、何かを言おうとも意味があるもとして捉え切れない。

身体のほとんどが焼き尽くされたザザンの残りの命は誰がみても風前の灯火だった。


「うわああぁぁぁぁっあっあっあー!!ほらぁ!!外だよぉ!!だからぁ死ななないでよおおお!!!」


ハクトはずっと泣き叫んでいた。

ザザンがうわ言のように何かをつぶやいている時も必死になって答えていた。

しかし、弱っていくのが目に見えてわかった。


ハクト自身も異能の炎がどれ程まで強力か、どのタイミングで消せばよかったのかわからなかったのだ。

結果的に意地の張り合いとなり、ザザンをここまで焼いてしまった。


途中からザザンがハクトを抱きかかえるのではなく、ハクトがザザンを引っ張って外の出口まで来ていた。

誰かにザザンを助けて欲しかったのだ。


「来たか」


そして、そんなハクトの声に反応する声が聞こえた。

ハクトはおもむろに声がした方に振り返った。


「えっ...うそ...なんで...」

「不思議か?」


そこには...キロが立っていた。


「よかったのさー間に合ってさ!」

「がははっ...大丈夫そうだな!ボン!!」

「え?...ニーミママにレックスも!?」


ニーミとレックスも茂みから飛び出して来た。

いないはずの三人がそこにいた。


「どうして...」

「私たちが他人任せにハクトを放っておくわけないさ?」

「ああ...教会内で逃げ遅れた亜人にこの場所を聞き出して先回りして来たんだ」


ニーミが笑いかけてきて、キロがいつもの感じで説明してくれる。

ハクトは心に安心感を覚え、すがるように三人に訴えた。


「お、お願い!三人共!この人を助けて!!」

「...?そいつは確かザザンと言ったか」


キロが近づき、ザザンの様子を見た。


「こいつはハクトお前がやったのか?」

「えっと...うん...ほっ本当は振りほどきたかっただけなんだけど...離れてくれなくて...それで...」


ハクトが真っ赤に腫らせた顔でキロに訴えかけた。

キロの目にハクトのその顔が一体どう映っただろうか。


「いいだろう。助けてやる」

「!ほんと!!?」


ハクトが助かるの!?といった驚きと喜びに満ちた顔をした。

その時だった。


ブシュッ!!

「...え?」


突然赤いものがハクトの目に飛んで来て、視界を奪われた。

目をこすり、付着したものを拭うと目の前の光景に言葉を失くした。


「なに...してるの...キロ...?」

「なにって...トドメだが」


キロの剣がザザンの喉に正確に突き刺さっていた。

ザザンの口から血が飛び、徐々にその勢いが消えてゆく。


「こういうのはちゃんとトドメを刺してやらないといけない。苦しませるのが最も悪だ。わかったかハクト」

「...あっああっあ...」


キロの助けるとはそういった意味での助けるだった。

ハクトは腰を抜かして立つ力が入らなかった。

事切れたザザンの死体からハクトは目が離せず、頭の中で何度も「故郷にみんなで帰りたい」というザザンの声が聞こえた。


「...やはり死というものにかなりショックがあるみたいだな。そろそろ本格的に狩に出す頃合いか?」

「...」


ハクトに反応はなかった。


「とにかく来い。あとはこの町の騎士に任せて今日はもう帰るぞ」

「...」


キロは引きずるような形でハクトを引っ張った。

扉とは逆で城下町とは離れる方向だ。


「キロさんさーもうちょい柔らかい対応はできないわけ?」

「無理だな。今日は俺にも余裕がない」

「がははっそりゃ今日は厳しいわな!」


キロ達がハクトを確保することで安心して話している最中だった。

ハクトの後ろから風が吹いた。


ザァ...

「...!...!?」


突如、ハクトはキロの腕を振りほどいて来た道を走って戻り始めた。


何これ...

何なのこの臭いは!!?


「しまった!ハクト!!戻って来い!!!」

「やばいのさ!!」

「まてボン!!」


キロ達は慌ててハクトを追うが、一足遅かった。


「...どういうこと...?」


ハクトは地下通路の出口から少し離れた茂みの中で立ち止まり、その場に力なくうなだれた。

時間が止まったようにゆっくりと感じられ、視点が合わなくなってゆく。


「ハクト...これは一種の戦争だ。わかれとは言わんが理解しろ」

「そうさねハクト...申し訳ないけどこればっかしはどうにもならんのさー...」

「ボン...」


目の前には先に撤退したと思われる100を超えた亜人達の死体が無残にも転がっていた。


「彼らは...帰りたがっていた....だけのハズなのに....」


これをやったのが誰かはわかっている。

死体を見ても明らかだ。

剣で切られている者。

ナイフで喉を抉られている者。

腕力で鎧ごと押しつぶされている者。

この場にいて、こんな芸当ができる者は三人しかいない。


振り返ると...三人の顔が映った。


そして


僕の帰りたくてしょうがないはずの家はそこにはなかった...。

地下通路も終わりです。


次回からは時間を進めてハクトの苦悩も書ければよいなと思っています。

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