神聖武器
公国編出発です。
なんか冒頭ドワーフ族が男性〇娠みたいな書き方なりましたが(;´・ω・)
あの、エノスおじいちゃんは男性側原因の不妊です、決して薄い本案件ではないので…(;´・ω・)
誠司とエノスとの出会いがあった昼間。ドンを呼び止めて夜中の出来事を話すとドンは非常に驚いた表情をしていた。
「そうかエノスが…あいつは子供好きだからなぁ…誠司殿の真っ直ぐなところに惹かれて出てきたんでしょう…ふふ、これからもあの斧を祀らんとな」
ドンとエノスは同僚でもあったという。エノスが先代聖女に同行しなければ彼と一緒に族長としてドワーフ族をまとめていたかもしれないと話してくれたこともあった。それほど慕われそして情に熱い男だったのだ。
「あの、エノスさんにお子さんは?できればお伝えしたいんですけど…」
「あいつは生涯独身です。エノス自身が子供を成しにくい体質だったそうで。…よく言っていました、血のつながった子がいなくても俺にとっては若人全員が俺の子供だと。先代聖女一行の旅路に同行したのもフユミ殿達が放っておけなかったから、ただそれだけで全員の父代わりとして旅に出たのです」
ドンと共に斧を見つめて誠司は彼の言動を思いだしていた。分厚い手のひらから伝わる体温、優しい眼差し、そして経験が産んだ深い言葉。思い出すだけで鼻の奥がツンとなる。もう一度会いたいと思うほどに。
「…誠司殿、どうかあいつの思いも一緒に連れて行ってやってください。世話焼きな男ですから、いいことがありますぞ」
「勿論、一緒に世界を回ってもらいますよ、おじいちゃんに」
目元を真っ赤にしながら誠司はドンに笑いかける。ドンも満足そうに笑うとしばらくエノスとの思い出をゆっくり話し始めたのだった。
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「大変お待たせしました。神聖武器と装備一式ですぞ!」
その二日後。工房には一仕事終えて満足そうに集まる職人たちと聖女一行が集まっていた。いよいよ新しい武器を揃え、公国へと出発する日だ。
卓上に並んだクラノスの剣、アイラの斧、カグヤの短刀、新調した真由の杖はそれぞれ刀身と魔晶石が淡い水色の光を放っている。退魔の証の神聖な光だ。
「これが…‼‼すっげぇ…」
カグヤが感慨深そうに新しい短刀を覗き込む。誠司の腰に下げているマサノブからの譲渡品である刀―公国の神聖武器を何度か見てきた彼にとって、まさか自分が武器を手に入れると思っていなかったのだろう。アイラとクラノスも顔を輝かせて新しい相棒を見つめている。
「お、これが誠司作った部分か?薔薇か、へへ、いい腕してるな」
斧の収納する帯と斧の斧頭の部分には薔薇が彫られている。アイラには薔薇が似合うとデザインを相談した際、真由とユキが声を揃えたのだ。確かに誠司も何となく薔薇が似合うと思っていたし、アイラ自身花はわからないが薔薇の種類だけわかると言っていたので何か思い入れがあるのだろうと予測していた。嬉しそうな顔を見ると間違いではなかったようだ。
「私のは…我が家の家紋と百合、かな?すまない花には疎くてね…」
「百合の仲間でカサブランカっていう花だよ。純潔とか高貴なって花言葉があるんだ。女性向けかなって思ったけど…白い花だからフローレンスさんと似ているし良いかなって」
「そうか…最高の選択だよ。ありがとう誠司」
クラノスの剣の持ち手と鞘にはカサブランカをあしらった。彼の家紋だけでも良かったがせっかくなら彼と婚約者を思わせる花を選択したのだ。遠くフローレンスも親指を立てている気がする。
「俺のはなんだ?」
「カグヤはサクラ公国にちなんでサクラとニチニソウっていう花だよ。…生涯の友情っていう意味があってね…」
「なーーーーーーんだよ照れるじゃんかよ~~~うへへサンキュな」
クラノス同様持ち手と鞘に施された花の意味を聞いたカグヤは照れながら誠司を小突いた。誠司も気恥ずかしかったがこちらで出来た最高の友人だ、生涯忘れることは無いだろう。
「私のは髪飾りと一緒の菫だね!相変わらず素敵だよ、本当にありがとう」
「うん、やっぱり真由には菫が似合うからね」
「いい雰囲気ですなぁお二人さん、ところでなんで誠司ってそんなに花言葉詳しいの?」
にやにやと笑いながらユキに声を掛けられ二人は照れながら向き直った。誠司はそうだね…と即座に遠い目をして口を開いた。
「…俺の姉ちゃんが同人誌…個人製作の漫画書いてるって言ったでしょ?姉ちゃんがさ、イケメンの周りには花が咲いて当然なんだよ調べるぞ意味をよォ‼‼って…図鑑買ったり図書館走ったり…」
「が、頑張ったんだなお前…」
あの時は大変だった。某テニスの漫画の同人誌を書く為、カップリングに似合う花を血眼で探しまくったのだ。母まで動員し、昼夜問わず図鑑とにらめっこしたものだ。まさかあの時の経験が活きてくるとは思っていなかったのだが。
「ほっほっほ、ひとまずこれで我々の仕事は完了ですな。防具のサイズも問題なさそうですか?」
「はい!間近でドワーフ族の皆さんのお仕事を見れて感無量です。本当にありがとうございました」
真由が満面の笑みでお礼を述べる。一同も続くと職人たちは嬉しそうにお互いを讃えあった。
(やっぱり、こういう雰囲気好きだなぁ)
お互いの仕事を讃えあう、そんな光景を見て真由は胸がいっぱいになった。この胸が温まる光景を護るためにももっと力を付けなければならない。
「そうそう、ユキにもこれを。一人だけ仲間外れは嫌だからね」
「え‼‼ありがとう‼‼ブローチだ~~可愛い!」
視界の端でそんなやり取りが聞こえた。振り返ると誠司はユキにブローチを渡していた。百合の花だろうか。そういえばルークス邸のフユミ様のお墓の周りに百合に似た花があった。誠司もそれを覚えていたのだろう。
「ふふ、みんなお揃いで良いね!」
「だな、本当にありがとうな誠司」
照れ臭そうに笑う誠司の頭をアイラがガシガシと撫でる。本当に誠司は器用だ、そして豊富な知識と配慮で全員を幸せな気持ちにしてくれる。最高の近衛騎士だ。真由はそんな誠司を誇りに思っている。
(…あ、そうだお礼の品渡さないと…)
実は誠司のために真由は新しいペンを用意していた。ずっと使っていたボールペンのインクが無くなりそうとボヤいていたのを見ていた。たまたま露店で見つけた品だが、誠司への贈り物にと思い購入したものだ。渡そうと静かに取り出し口を開く。だが
「さ、みんなそろそろ街を出よう。日が暮れる前に公国領に入りたいからね」
「お、そうだったな。また山道だから早くいかないと」
クラノスとカグヤの声にタイミングを見失ってしまった。だが渡す機会はいつでもある。それに公国領でさらにいい品物があるかもしれない。みんなと相談しながら渡そうと真由は決めて職人たちに改めてお礼を伝え、誠司は飾ってある斧に一礼をして工房を後にした。
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「よし、ここからは公国領だ。検問は無いけど見張りの忍者達いるから伝令伝わるまで大人しくしてくれよ」
「おぉ闇討ちとかあるんだ…!すごい!」
「真由、感動するところじゃない」
カグヤに突っ込まれ真由はえへへと照れた。誠司から聞いた忍者の漫画のように影分身や様々な忍術が飛び交う戦いをするのだろうかと真由はひそかに期待しているのだ。カグヤ曰く自分よりも手練れが多いと聞いた時から楽しみにしていた部分もある。
「それでは我々はこれで。お世話になりました」
「またお会いしましょう。どうかこの先もお気をつけて。ドワーフ族、いや連邦民一同、聖女一行に助けていただいたこと、その旅路に立ち会えたこと、幸福に思います」
「ありがとうございます、ドン族長。皆さんもどうかお体お気をつけてまた会いましょう」
ドン族長を始め見送りの職人たちと固い握手を交わす。冬に向かう気温の中でも彼らの厚い手のひらから伝わる熱が心地よい応援となる。ここからは神秘と秘匿の国、サクラ公国だ。どんな出会いがあるのか、そして何が待っているのか。真由は仲間達とまた一歩踏み出した。
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黒い影が高い山の上から聖女一行を見つめる。憎き先代一行の魂が自分の正体の一部を教えてしまった。だがバレたところで彼らにはどうすることもできない。これからも力をつけさせ、吸収してしまえばいいだけだ。
『せいぜい救国の聖女として胸を張っていればいいのさ。贋作風情が』
影が笑うがひとしきり笑ったところで脇腹に痛みが走った。―この間エルフ族に切られたところだ。
『くそ…大人しく妻の後を追って死んでいればいいものを』
周囲の魔物を動員し何とか逃げ切れたがそれでも傷を負ってしまった。何度交戦してもあいつだけは勝てそうにない。暗殺も謎の風が起きてうまくいかないのだ。…恐らく先代聖女が邪魔をしているのだろう。それなら娘を、と狙ったらこの有様だ。
『…何が愛だ、くだらん』
吐き捨てるように呟くと影は静かに森の中へ姿を消していった。
黒い影さん結構無様ですな(笑)勿論傷をつけたのは某妻子大好き最強戦士です。
娘狙ったのお前だろ許さんからな(# ゜Д゜)と〇しに行きましたが取り逃がしました。
次あったらその首取るからなと宣言されて黒い影は内心ガクブルです(笑)
いよいよ公国編です!季節は冬になります!リアルは夏だけどな‼‼‼




