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俺の閣下  作者: テディ
本編
87/186

第86話 堪能

食事を終えたソフィアは、オーリーと侍女長を

連れて、ジョシュアが休んでいる部屋へ急いだ。


治療をしてあるとはいえ、念のために

ジョシュアは医療棟でひと晩過ごすことになったのだ。


特別に個室とはいえ、小さな部屋の机の上で

ジョシュアは、書類に向かっていた。


「ジョシュ!それじゃ休まらないぞ」

ソフィアは、呆れたように腰に手をあて

大きくため息をついた。


それを見て、ジョシュが笑った。

「ソフィ、大丈夫だ。医療団が大げさすぎるんだ。

ヤツらは、俺で実験した経過を観察をしたいだけだ」


オーリーも、笑い出した。

「ま、気持ちは分かるよな。この際だから、

ジョシュの魔力について洗いざらい調べたいんだろう。

そんなチャンスは滅多にないからな」


侍女長が、引き出しに衣類をしまっていた。

「ジョシュア様、カイ様がお届けくださった物です。

こちらに入れさせていただきました」

「ああ、ありがとう」


オーリーは気を利かせるため、ルディアにコソッとウィンクした。

「ソフィ、侍女長殿を一度送り届けてくる。

その後、戻るけど良いな?

警護はジョシュで大丈夫だな?」

ジョシュアは、笑って答えた。

「ああ、ソフィくらい守れる。皆、大袈裟なんだ」


それを聞くと、笑いながら2人は部屋を後にした。


ジョシュアは、ソフィアに腕をやり自分の膝の上に乗せた。

そうして机に肘をつき頰づえをつきながら、

反対の手でソフィアの手を握った。


「やっぱり俺が最初でよかった。

お前にあんな衝撃が走るかと思うとゾッとする」


ジョシュアは、まるで羽を撫でるかのように

ソフィアの手や指先を撫でていた。


ソフィアは気持ち良さに少し緊張もとけ、

ホッとした顔をしていた。


でも少し表情を引き締め言った。

「ジョシュ、でも私が先が良かった。

お前が沈んだ時、腹の中の内臓が全部出るかと思った。

もうあんなのはゴメンだからな」



「内臓まで出るのはイヤだな」

ジョシュアは、笑って言った。


ソフィアは笑わなかった。

「そのくらい肝を冷やしたと言う事だ」


ジョシュアは、胸の中へソフィアを引き寄せた。

「ダメだ、それでも最初の訓練は俺だ。

やっとお前を手に入れたのに、危ない目に合わせたら

俺がどうにかなりそうだ」



そう言って、ソフィアの唇を優しくついばみ

始めた。最初は優しい口づけが、だんだん長く

恋人同士のものになっていった。



ソフィアはクラクラしながら、ジョシュアを

やっとの事で押し留めた。

「待て……、クラクラする……。息ができない」

ジョシュアはクスクス笑って、またついばみだした。

「ソフィ、教えただろう?鼻で息をするんだ」



ソフィアは、長いキスの時間にふにゃふにゃに

なっていった。身体に力が入らない。

顔が熱くて、ふわふわしていた。


「ジョシュ、不思議だ」

「何がだ?」

ジョシュアは、ソフィアが落ちないように

抱きしめていた。


「お前に、口づけされると力が入らなくなる」

「そりゃ、良かった」

「何で良いんだ?」

「お前はイヤだと思っていたら、キスさせてくれないだろう?

イヤがっていない証拠だ。だから良かったって言ったんだ」


ソフィアは、笑った。

「そうか、証拠か。そうだな、イヤじゃない。

気持ちいい。でもクラクラするのは困るな」

「大丈夫だ。その内慣れる。クラクラしなくなるさ」

「そうなのか?」

「そうだ」


そう言ってジョシュアは、今日頑張ったご褒美を

もう1度もらうことにした。



オーリーが戻ってきて、すっかり頰を赤くしたソフィアに呆れたように言った。


「ジョシュ、やり過ぎだ」

「俺は約束は守ってる」


オーリーは、大きなため息をついた。

「いいか、2人とも。夫婦の秘め事は

誰にも話すなよ」



ソフィアは、なぜ言ってないのに夫婦の秘め事を

していた事がバレてしまったのか首を傾げた。


……これは……、絶対話しちゃいかんな……。


楽しそうなジョシュアをよそに、そう思うのだった。


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