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俺の閣下  作者: テディ
本編
86/186

第85話 繋ぎ

 結局、父の了解を得てテオドアは訓練に参加できた。


魔具と医療団の責任者の補助のおかげで、この日1番の成果をあげた。


1番魔力が少ないはずのテオドアが魔法をかけた後、

1番元気だったからだ。少し疲労が出ているが、

日常でもありえるくらいで済んだ。


テオドアは姉を安心させるために、おどけていた。

「姉上、学校の魔法学のテストでもこの位疲れますから。

どうか、そんなにご心配なく。だってオッド教授なんですよ!!」


それを聞いたグリフィス王国のメンバーは笑い出した。


ソフィアが苦笑しながら、クアドロ達に説明し出した。

「学校の名物教授なのです。私は苦ではありませんでしたが、

教科書をひと通り猛スピードで済ませ、あとは全て実地なのです。

おかげで、最初の内は暴発したり、飛んでったり、水浸しになったり

散々な目に合うのです」


これを聞いてヘイネシア王国の皆も笑い出した。

ツァイトが笑いながら、答えた。

「それは素晴らしい授業ですね!もちろん安全対策はなさっているのでしょうし、

テオドア殿下も良い方に師事なさっているのですね」


そんなツァイトにテオドアは笑いながら答えた。

「いつも皆が必死なんですよ。だって、その日の課題が何かさえ

想像がつかないんです!だから、教科書を読み込んで、何をつかうか

考え実践するんです。面白いですよ、全員が同じ方法を取ったことは

1度もないんです。だから皆が参考にしあって、その日の優秀賞を決めるんです。

でも……、失敗したときは最悪です。大笑いされて終わりですからね」


クアドロ達も笑い出した。

「聞いてる分には楽しいですが、自分が当事者になるのは

少しためらいますね。私も大笑いされそうだ」


テオドアの気遣いのおかげで、随分と空気もなごんだ。

ソフィアは、テオドアに感想を求めた。



「さて、テオドア。自分の案を

試してみた感触はどうなのだ?」


テオドアは変わらずニコニコしながら答えた。

「はい、姉上。まずは僕の感じた事から。

やはり魔法の発動は緩やかでした。

次の瞬間に魔力が大量に流れ出る衝撃が

きそうでしたが、そのタイミングで魔具が

補ってくれますから、強い衝撃はありませんでした。

その後、すぐに医療団の回復の魔法が、効き目を

実感できます。少し魔力を使いすぎた時と

似ていて、ああ、疲れたなと思うくらいでした」

「予想通りというわけか」

「はい。だから後方支援してくれる人達の充実を

優先した方が良いかもしれません」


クアドロもうなずいていた。

「確かに、後方支援がしっかりしていれば

瞬時に事を終わらせ、次の作戦も立てられるかもしれない」


クアドロはツァイトを見た。

「ツァイト、お前はどう思う?」


ツァイトは、1つ気がかりがあるようだった。

「殿下、問題は人数がどのくらい同行できるかです。

最小人数で、最大の力を出す事を目標にするのが

最善の策かと……」


ソフィアも、考えていた。

「他国で動くからな。確かにツァイト殿の意見は効率的だ」


テオドアも意見を持っていた。

「姉上、僕の場合だと、やはり魔具よりも

医療団の効果が強かったと思います。

ですので、医療団の魔力が高い者が、

魔力の低い人順につくのが良いのではと思うのです」


ソフィアは、うなずいた。

「クアドロ殿、この話合いを踏まえて

専任者を決定するのでいかがでしょう?」

「そうですね、ソフィア殿。明日は貴方が

訓練なさるのですよね?」

「ええ、その通りです。

2回、発動できるかやってみましょう」


それを聞いていたルークは、途端に渋い顔をした。

「閣下、まずは1回から試されるのが良いのでは……」


そんなルークに、ソフィアは笑って答えた。

「ルーク、今回はダメだ。誰の意見も聞かんぞ。

ジョシュに危険な事をさせたのだ。

だからと言うわけではないが、私は責任者なのだ。

次の困難な訓練は、私が行う。いいな?」


そう言ってソフィアは微笑み、

初日の訓練を終えたのだった。

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