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俺の閣下  作者: テディ
本編
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第79話 敬愛

 ルディアは、自分の漠然とした心配を

オーリーに打ち明けはじめた。


ソフィアの様子が、いつもと違うこと。

時々、ソワソワすること。

ジョシュアに笑い掛けられ、ニヤニヤしていること。

少しボーッとする時間があること。


オーリーは、彼女の話を真剣に聞いていた。

……ジョシュのヤツ……キスするのは絶対やめないと言っていたが……。

ついに親愛のキス(ソフィアだけがそう思っているが)から一歩進んだな?


オーリーは、ルディアが話終えると答え出した。

「ルディア殿、ジョシュは大丈夫だと話したのですね?」


ルディアは、オーリーの目を見て答えた。

「はい、オーリー様。ジョシュア様は大丈夫だと

おっしゃるのです。なので私の取り越し苦労かもと、

迷っておりました……」


そこへ料理が運ばれてきた。

これはモリンから聞いたお勧めメニューなのだ。

野菜のテリーヌが大人気なのだそうだ。

色々な野菜をコンソメスープのゼリーで固め、葉野菜で巻いてある。


ルディアは思わず、ほぉっと感嘆の息をもらした。

「オーリー様、……きれい……」

敬語を使うのも忘れて、頬を染めていた。


「さあ、食べながら話しましょう。

女性にとても人気かあるそうですよ。

モリンから聞いたのです」


ひと口、食べた2人は顔を見合わせて笑った。

「美味しい……」

そっとルディアが言った。


オーリーも大きくうなずき感心している。

「これは……、野菜の味がしっかり感じられる。

でもアクもなくて、甘さが後から出てきますね。

確かに美味しい」

「オーリー様は、情報通でいらっしゃるのですね」


そう言われてオーリーは、いたずらする子供のように笑った。

「俺のイメージとは違いますか?」

「完全に違うわけではありません。オーリー様は

大胆に見えますが、繊細なお振舞いをなさいますから」


オーリーは、そう言われて嬉しくなった。

「あなたは、人の長所を見つけるのが上手ですね。

部下の事も、よく見ていらっしゃる」

「仕事ですから。皆さん、同じ事をなさるでしょう?」


オーリーは、先ほどの話に戻った。

「あなたが、ご心配なさっているソフィの事ですが、

……俺も、心配ないと思っていますよ。ただ……」

「ただ?」

「確かにあなたの心配もわかります。その状態で魔力をだした時に、

いつもの集中力がないと危ない気がする。

ですからそこの所をジョシュと、よく相談しておきましょう」


その返事を聞いて、ルディアは大きく安堵の息をついた。

「良かった……。やはりオーリー様に相談して、良かった.

実は…これは私個人の考えなのですが……」

「ルディア殿、そのまま話してください。

俺もあなたの考えが聞きたい」

「……ソフィア様は、恋をなさっているのだと思うのです。

もちろん最初からジョシュア様に愛情を持ってらっしゃいましたが……」

「あなたは主人に誠実なのですね」


オーリーが微笑むと、ルディアは少しはにかんだ。

それは少女が照れるあまりほころぶようで、

眩しいくらい愛らしい様子だった。


オーリーは、グッと詰まった。

……俺も、ジョシュの事は言えないか……。


「ソフィは、ジョシュに恋している事を

実感しだしているのだと思いますよ。

本人に自覚はないでしょうけどね」

「なるほど……、ソフィア様らしいですね」

ルディアは微笑んだ。実はソフィアがジョシュアを意識し出したのかもと

思ってはいたのだ。となると、余計に集中力にかけるかもしれない。

大切な訓練に支障がでねば良いがと、心配していたのも事実だ。

オーリーに理解してもらえて、ルディアは本当に安心できた。


これでソフィアに使えるものとしては、最大限できる限りのことをしたと

胸を張って言えそうだ。あとは主人が変わらず無事に訓練を終えることを

願うのみだ。


安心したのか朗らかに笑うルディアに、

オーリーは目を細めるのだった。


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