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俺の閣下  作者: テディ
本編
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第65話 有意義

 ルークは大きな会議室を押さえておいた。

こちらの側近、護衛は少数だとしても、

相手国の側近、護衛とかなりの人数になるからだ。

話し合う内容上、書記も必要になる。

発表はしなくとも文書に署名で正式な取り決めとなる。


それぞれが席についた。

ソフィアの左右にルークとジョシュア、その隣にオーリー。

後ろに近衛と騎士が、護衛の配置についた。

テオドアは、さすがに見学は許されなかったのだ。


そのソフィアの向かいにクアドロ、左右に宰相の右腕と評判の高いヴェルデ、

魔法省のNo.2であるツァイト。どちらもクアドロの2歳年上で、

やり手だとの評判だ。


他にも、役人が何人か座り、護衛のものはグリフィス王国と同じように

配置についていた。


少し離れた机にグリフィス王国の書記官が、2名座っている。


ソフィアは、大胆に状況をクアドロに教えた。

まずはお互いの信用がなければならん。

それがソフィアの考えだった。


「クアドロ殿、こちらの状況をご説明しておこう。

国外から、グリフォンが集まり出している」


クアドロは、ソフィアの手法に少し微笑んだ。

「随分と早い時期に、調査に着手なさったのですね。

こちらも、3日ほど前に確認できました。青龍を始め、

白龍、赤龍共に集まり出しているものと考えています」


「ガザンは、何らかの方法で聖動物を思うままに

(あやつ)ろうと、策略を練っていると思っている。

ただ、確証はまだありません」


ソフィアの意見を聞いて、ツァイトがおもしろそうに尋ねた。

「聖動物を(あやつ)るのは、大変かと想像いたしますが、

ソフィア閣下は、できるとお考えなのですね?」

「ええ、理論上は可能だと思っています。

確証を得るには、ガザンに赴いて

自分の目で確かめなければとも思っていますがね」


ヴェルデも、冷静に尋ねた。

「ルーク殿、あなたもソフィア閣下と同じ考えでいらっしゃるのですか?」


ルークは微笑みながら答えた。

「ええ、ヴェルデ殿。閣下はこう見えて、意思疎通ができていない内容を

他国の方のお話するほど、破天荒ではないのですよ。

ですから国内の統一された意見と見ていただいて構いません」


そう答えたルークを見て、クアドロが笑った。

「皆、やめよ。この方相手に知恵問答は必要ない。

ソフィア殿、我が国も同じ意見が上がっています。

ただ、国内での統一意見というほど議論が進んでおりません。

これはツァイトからでた、可能性の一案となっています」


それを聞いたソフィアは、おもしろそうに笑った。

「ほぉ、ツァイト殿のご意見なのですね?」

「はい、ソフィア閣下。僭越ながら、想定を述べさせていたきました」


それを聞いて、ソフィアはニヤリとした。

「クアドロ殿、私は政治的な駆け引きに疎い。

と、いうより面倒だ。あなたは、そのような私をどう思いますか?」


クアドロは笑い出した。

「ソフィア殿、まさしくあなたらしいと思いますよ」


「では、クアドロ殿。私の事は、よくお分かりだ。

今、私の考えがお分かりか?」


クアドロは、自信を持った笑みで返した。

「えぇ、探りあいは時間の無駄だとお考えでしょう?」


「その通り!!……さて、貴方はどう動く?」


クアドロは、大笑いしていた。

「貴方に……、グリフィス王国に、こんなつまらないヤツだったかと思われ、

呆れられるのは心外ですので、見限られぬよう最善を尽くしましょう」


それを聞いたソフィアは、おもしろそうにうなずいた。

「ルーク、ジョシュ、話のわかる御仁で良かったな。

手間が省けるぞ。喜べ」


ジョシュアは苦笑していた。

「閣下、ようございました。次回はなるべくお手柔らかな方法を

お選びください」

「ん??穏便な方法をとったぞ?そうですね、クアドロ殿?」


クアドロは、まだ笑っていた。

「えぇ、ソフィア殿。ただ、周りはハラハラするやもしれません」



ソフィアは首を傾げた。

「そうなのか?ジョシュ?ハラハラしたのか?」


ジョシュアは、微笑んだ。

「閣下、ハラハラはいたしません。ただ、他国の方は

驚かれる方もおりますので、そこをお忘れなく……」


ソフィアは笑い出した

「そうか、気をつけるとしよう」


ルークは、こちらの手の内を話し出した。

まだ確証の取れていない話だ。

別に協力国に切り札として隠しておく必要もない。

おまけに、実現できるのは世界で何人かだ。

問題はないだろうと判断した。


ルークの説明に、ツァイトがニヤリとした。

クアドロは密かに、ツァイトと

同じ意見を持つものがいることに驚いていた。

信じるものがいるかどうか、半々の確率だと思っていたのだ。


「ではソフィア殿、貴方とテオドア殿、ジョシュア殿が訓練に入られるのですね?」

「ええ、そうなんです」


クアドロは、口元に指をあて少し考えた。

「ツァイト、我が国で訓練できるものは?」

「大臣閣下は、お残りいただかねばなりません。私だけかと……」

「それは困ったな……。さて、我が国はどうするか……」


ソフィアは、1つ提案をした。

「クアドロ殿、術を使えるものは限られる。

と言う事は、使えるものは訓練しておいた方が良い。

国内の意見をまとめる必要がおありだろうから、

許可が下りたら、ツァイト殿も含めて皆で訓練すると言うのはいかがか?

時間がかかるようなら、先に我らが訓練しておいて

ツァイト殿が、術を発動しやすいように教えるのも手だと思う」


クアドロはうなずいた。

「そうしていただけるとありがたい。

国内の調整を急ぐことにしましょう。

ツァイト、お前が訓練中の手配もせねばならん」

「はい、殿下。国内の問題でしたら魔力の強い部下が

何人かおりますので、大丈夫かと存じます」


ソフィアは、にこやかにジョシュアに言った。

「ジョシュ、話が早いとスッキリするな。

コーヒーを入れてくれ」


ジョシュアはいつもの通り答えた。


「閣下のお望みのままに」

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